妊娠中だけじゃない!カフェインの摂り過ぎに注意した方が良い理由

みなさんは、1日に何杯くらいコーヒーや紅茶、緑茶などを飲んでいますか?
食後や一息つきたい時など、気づくと何杯も飲んでいるなんてことはありませんか?

これらの飲み物に含まれている「カフェイン」には、メリットがある反面、過剰に摂取しすぎるとカラダの不調につながることが報告されています。しかし、コーヒーや紅茶の香りでリラックスしたかったり、味が好きだったり…なかなか止められそうにない人も多いのでは?

そこで今回は、産婦人科医である髙橋 怜奈先生に「カフェインとの上手な付き合い方」についてお話を伺ってきました。

知らない間にカフェインを摂り過ぎているかも…

みなさんは、「カフェインが多いもの」と聞いて何を思い浮かべますか?

カフェインは、コーヒー豆・茶葉・ガラナ・カカオ豆などを原料とする飲み物や食べ物に多く含まれています。
具体的には、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、コーラー、エナジードリンク、ココア、チョコレートなどがあげられます。

あるルナルナ編集部員の1日を観察してみると…

出社直後や会議前に、コーヒー。
食事中は、緑茶やウーロン茶でさっぱりと。
一息つきたい時は、紅茶とチョコレート菓子。
そして、気合を入れて仕事をしている時は、エナジードリンがデスクに!!

1日に様々な飲み物や食べ物からカフェインを摂取していることに驚きました。

みなさんも1日を振り返ってみましょう。
意外とカフェインを摂取していませんでしたか?

 

 

「カフェインの摂り過ぎは良くない」と聞いたことがある方もいると思いますが、飲み物や食べ物だけに気をつけていれば良いのでしょうか?

産婦人科医の髙橋 怜奈先生に聞いてみました。

― カフェインの摂取について、日常で“見落としがち“なことはありますか?

髙橋先生:
「市販の風邪薬や鎮痛薬などにカフェインが含まれている場合があります。片頭痛の人は、カフェインが含まれる“チョコレートを摂取することで頭痛が増強する場合がある”と言われていますが…カフェイン感受性は人によって異なります。カフェインがカラダに合わないと感じた経験があったり、カフェインが含まれていることが気になる場合には、カフェインが含まれていない鎮痛薬を選ぶようにしましょう。」

「また、カフェインは飲み物で摂取する場合が多いと思いますが、コーヒー豆や茶葉の量、淹れ方によってもカフェインの量が異なるので注意が必要です。」

<例>
100mlあたりのカフェイン濃度
コーヒー(浸出液)  60 mg
インスタントコーヒー 57 mg
出典:食品安全委員会 食品中のカフェイン

 

カフェインの効果と副作用を知ろう

 

 

過剰な摂取に気をつける必要があるものの、カフェインにはメリットがあるのも事実。

カフェインと上手に付き合うために、カフェイン効果と過剰摂取による副作用について教えていただきました!

― カフェインの効果について教えてください。

髙橋先生:
「カフェインは交感神経を興奮させるので、仕事前や運動前に摂取するとやる気が起きて、パフォーマンスが向上します。また、食後に摂取すると眠気を抑える効果も得ることができます。また、カフェインの効果ではないのですが、カフェインが含まれるコーヒーや紅茶には香りによるリラックス効果もあります。」

― カフェインを飲んだ後に運動するとダイエット効果が得られると聞きましたが、本当でしょうか?

髙橋先生:
「カフェインには脂肪燃焼効果と、運動後の疲労を感じさせにくくする働きがあると言われています。そのため、運動する30分~1時間くらい前に飲むのがオススメです。ただし、疲労感は“カラダからの危険を知らせるサイン“でもあるので、抑えすぎるのも良くありません。何事にも言えることですが、“適度な摂取“を心がけましょう。」

― では、“カフェインの過剰摂取“による副作用にはどのようなことがありますか?

髙橋先生:
「交換神経が興奮しすぎてしまい、イライラや不安を強く感じるようになります。生理前にイライラしやすい人は、カフェインを大量に飲むとイライラが助長されてしまうこともあると言われています。また、交感神経が活発になりすぎることで、嘔吐や下痢などの症状が現れることがあります。」

― 生理前の不調(PMS)としてイライラを感じている人以外に、特にカフェインを控えた方がいい人はいますか?

髙橋先生:
「カフェインには血管を収縮する作用もあるため、頭痛や心拍数が増加することがあります。そのため、心臓や脳血管の病気を患っている人は、カフェインの摂取に関して医師に相談すると良いでしょう。」

― 妊活・妊娠中の女性にとって、カフェインの影響が気になるところですが…

髙橋先生:
「妊娠中に適量のコーヒーや紅茶を飲むこと自体は問題ありませんが、“日常的に過剰摂取“していると流産や胎児の発育阻害などのリスクは上がります。“妊活中にカフェインを飲むと、血流が悪くなって妊娠しにくくなるのでは?“と心配される方もいますが、全身の血流に影響するほどカフェインを過剰に摂取している人は少ないと思います。」
※ただし、喫煙は血流への影響あり

髙橋先生:
「コーヒーや紅茶の“味“や“リラックスできる香り”が好きで日常的に飲んでいる場合、無理に制限してしまうとストレスが増えるだけ。ストレスは妊活にも良くありません。カフェインの摂取量が気になるようでしたら、カフェインの成分が含まれていない“デカフェ“と交互に飲むなどして、あまりストレスを感じず、カフェインの摂取量を減らす工夫をしてみましょう。」

 

1日のカフェイン摂取許容量を守ろう

 

 

ここで気になるのが、1日にどれくらいカフェインを摂取してもカラダに問題がないのかということ。

どこから「過剰摂取」になるのでしょうか?

実は、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される「1日あたりのカフェイン摂取許容量」は、アルコール同様に感受性に個人差があるため、国内外問わず、厳密には定められていません。

しかし、目安となる摂取量を世界保健機関(WHO)や英国食品基準庁(FSA)、カナダ保健省 HC)などが公表しています。

今回はその中でも最も厳しいカナダ保健省 HC)のカフェイン摂取許容量をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね!

・健康的な成人の場合
 300400mgまで(マグカップ 約3杯)
・妊娠の予定がある女性・妊娠中・授乳中の場合
 200mgまで(マグカップ 2杯相当)

※目安量:マグカップの容量 237 ml、コーヒー(インスタント)
出典:厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A

 

あなたは、1日のカフェイン摂取許容量を超えていませんでしたか?

妊活・妊娠・授乳中の方に限らず、日常的にカフェインを過剰に摂取気味だと感じたり、許容量内だけどカフェインを多めに摂取すると体調が悪くなる…でも、ティータイムを楽しみたいという方は、カフェイン成分が含まれていない「デカフェ」を取り入れてみましょう。

冒頭でご紹介したルナルナ編集部員に「デカフェ」をすすめたところ、「香りや美味しさはそのままで、安心してゴクゴク飲める!」と大好評。

最近は、コーヒーに限らず、紅茶や緑茶のデカフェもコンビニで手軽に買えますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

 

★髙橋先生からのメッセージ★

妊活・妊娠・授乳中もある程度のカフェインを楽しめますが、赤ちゃんへの影響が心配なのであれば、デカフェのものに切り替えて「カフェインを摂らない」という選択も考えてみましょう。
デカフェであれば「飲めない」というストレスを減らすことができますよ。

 

お話を伺った先生

髙橋 怜奈 先生
女医+(じょいぷらす)所属。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。
趣味はベリーダンス、ボクシング、バックパッカーの旅。20166月にボクシングのプロテストに合格をし、世界初の女医ボクサーとして活躍中。
ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。

 

この記事のキュレーター

生理日管理ツールの決定版「ルナルナ」が生理にまつわる悩みから妊活・妊娠・出産・育児までの困った!をサポートする情報をお届けします。


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