スポーツ女子ならではの疑問!気になる名トレーナーの回答は…?

スポーツをされる女子にとって、なかなか人に相談できない悩みや質問も多いはず。
“スポーツ女子向け連載“最終回は、ルナルナユーザーから頂いた質問に対し、牧野トレーナーに回答頂きました。

競技志向が強ければ、勝利にこだわるのはごく当たり前のこと。

しかし、その一時の勝利のためにだけに自らの健康を犠牲にしていいわけではありません。

 

これまで2回の連載を通して、スキージャンプ 高梨沙羅選手のトレーナーを務めている牧野講平氏による『女性アスリートのためのコンディショニングセミナー』のレポートをお伝えしました。

 

1回目コラムを読む:

試合に勝てるなら生理がこなくても… その考えに潜むリスクは?

スポーツ女子必見!“スポーツをする女性ならでは”の健康問題があることはご存知ですか?……

 

2回目コラムを読む:

自分の体と向き合い、安全にスポーツに取り組むために大事なこと

スポーツをされる女性ならではの健康問題。こういったものは、どうすれば未然に防げるのでしょうか。……

 

皆さんから寄せられた質問に対する牧野トレーナーのアドバイス

より具体的で踏み込んだ内容をお伝えするため、事前にルナルナユーザーから質問を募集しました。

質問の内容からも、スポーツに取り組む女性たちが多くの悩みを抱えていることがうかがえます。

 

今回は、その中から8つの質問に対して、牧野トレーナーにお答え頂きました。

 

 


Q1.生理が始まる1週間前位から頭重感が頻繁に起こります。市販の頭痛薬で改善するのですが、普段からやっておいた方が良い予防法はありますか?

(スポーツクラブでのエアロビクス、体幹トレーニング等/44歳)

 

Answer

生理前に起こる諸症状はホルモンのバランスが急激に変わることで起こると言われていますが、未だ原因は特定されていないのが現状です。

生理前の頭痛はエストロゲンの減少が原因とされています。

生理中は痛みから緊張が高まることで血行が悪くなり、痛みにつながっている場合が多いです。

軽い運動により症状が緩和すると言われていますので、体への負担が少ないストレッチやウォーキングを行うと良いでしょう。

 

 


Q2.生理をピルで遅らせたりするのは、そのあと身体に負荷はかかるものですか?

(ジムマシーン/46歳)

 

Answer

ピルを服用することで月経困難症や月経前症候群、過多月経などを改善できるとの報告もありますので、マイナスよりもプラスの効果の方が大きいでしょう。

しかし、ピルの服用には副作用を伴う場合もあります。

特に、飲み始めた1〜2ヶ月くらいは頭痛や吐き気などの症状が出る人がいますが、多くの場合は次第に軽減していきます。

ピルにもいくつか種類があり、相性もありますので、医師との相談の上決めると良いでしょう。

 

 


Q3.同じ練習をしていても、生理がきちんと来る人と全く来なくなってしまう人がいるのですが、それはどうしてでしょうか。

(陸上部の長距離走/18歳)

 

Answer

生理が不順になる原因は様々ですが、その中の一つに食事による摂取エネルギー不足があります。

1日に必要なエネルギーはその人の基礎代謝量や、練習以外の生活スタイルにもよりますが、ある一定量を下回ると月経が来なくなってしまいます。

目安ではありますが、自分の体重から体脂肪を引いた数字に30を掛けて出た数値(エネルギー量)よりも低いと月経不順になりやすくなります。

 

 


Q4.生理中、生理直前・直後、 どの時期のコンディションが1番いい状態と言われているのでしょうか?

また、スポーツをしている時に襲ってくる生理痛の対処方法は何かありますか?

(陸上競技 短距離/19歳)

 

Answer

周期のどこで調子が良いと感じるかは個人差があるようです。

トップアスリートを対象とした調査結果では、半数以上の人が生理後数日経った時、2割ぐらいの人が生理直後、1割の人が生理中に最もコンディションが良いと答えています。

 

また、生理時の子宮筋の感受性が強いと子宮の収縮が過剰に起こって生理痛が増すことがあります。

これは病気というよりもストレスが原因となっている場合が多いようで、10代から20代の女性に多く、成長とともに軽減します。

鎮痛剤や低用量ピルの使用で軽減できることもありますが、この場合は事前に医師に相談することをお勧めします。

 

 


Q5.競泳をやっていますが、生理前と生理中に、どうしても体が重たいです。少しでも楽に競技できる方法はないですか?

(競泳/22歳)

 

Answer

最近では低用量ピルの質も良くなり、症状の改善に利用されることが多くなりました。

種類によっては相性もありますので、医師との相談の上決めると良いでしょう。

 

また、食事によって改善する人もいます。砂糖やチョコレートなど急激に血糖値を上げるもの、カフェインなどの刺激物などを避け、玄米、ほうれん草、乳製品、ナッツ類などを摂取すると良いでしょう。

 


Q6.生理中、体が重く感じて思い通りにならないことがあります。

走れるはずが走れなくなったり、パフォーマンスに支障が出るのはなぜでしょうか。またそうなった時の対処方法で、何かいい方法はありますか。

(バスケット/12歳)

 

Answer

生理中はプロスタグランジンの分泌により子宮が収縮し、経血を流す仕組みになっています。その時、血管も収縮しており、それがだるさにつながっていると言われています。

 

持久力の低下は貧血気味になっている可能性もあります。

これはヘモグロビン量が減少し、体内の酸素が不足していることが原因です。

 

10代の頃は、子宮の未成熟が原因になっていることもあります。この場合、年齢とともに緩和されてきます。

食事によって改善されるケースもあります。夏野菜など体を冷やすようなものは避け、ネギや白菜、ゴボウなど体を温めてくれる野菜を摂取すると良いでしょう。

また貧血気味であればひじきやプルーンなどを摂ると効果的でしょう。

 

 


Q7.生理前になると憂鬱で動きたくなくなります。その上無性に食べたくなってしまい、体重コントロールがうまくいきません。体調、体重をコントロールするために自分でできる何かいい方法はありますか。

(体操競技/21歳)

 

Answer

生理前の体重の変動は、体組成の変化というよりも、むくみが原因とされています。

塩分の高いものを避け、ほうれん草、パセリ、アボガド、プルーン、キノコ類など利尿作用の高いものを撮ると良いでしょう。

 


 

Q8.生理痛の時に飲む薬にドーピングにひっかかるような成分が入っていることはありますか。

(ラクビー/17歳)

 

 

Answer

日本で処方されている低用量ピルはドーピング違反にはなりません。

ただし、ドーピングは毎年改定されており、競技によって当てはまるもの当てはまらないものがありますので、自己判断せず、必ず医師と相談することをお勧めします。

 

 

 

 

3回の連載を通して、スポーツ女子に知っておいてほしい健康問題とその対策についてお伝え致しました。

いかがでしたでしょうか。少しでも参考になったポイントがあれば、是非取り入れて頂ければ幸いです。

 

★取材協力★

 

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この記事のキュレーター

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