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PMSの上手な乗り越え方
女性の不安や悩みを実際の症例とともに、監修医師の方々にお話を伺いました。
※「みんなでつくるルナルナ」2013年12月10日に公開したインタビュー記事の再掲です
成城松村クリニック院長 松村圭子先生は、婦人科専門医として、月経トラブル(月経前症候群、月経困難症、月経不順)、更年期障害など女性のあらゆる不調や疾患のケア、婦人科検診を行っていらっしゃいます。
疾患の治療、総合的アンチエイジングケアを通して、美と健康の維持への啓蒙をされている先生からのメッセージです。
約8割の女性がPMSに悩んでる!?
PMSというのは、生理前にさまざまな不調が起こる月経前症候群のこと。
PMSには、大きく分けて体の症状と心の症状があるんですね。
例えば、体の症状というと、腰痛やむくみ、便秘、肌荒れ、頭痛、めまいなど。
心の症状としては、イライラや落ち込み、不安感などのほか、なかには人が変わったようになってしまったり、過食に走ってしまうという方もいます。
軽いものも含めると、約8割の女性にこうしたPMSの症状があるといわれています。
PMSの原因はいくつか考えられますが、主な原因と思われるのが、女性ホルモンの急変動。
女性ホルモンにはプロゲステロンとエストロゲンという2種類のホルモンがあって、この2つのホルモンが生理前に急変動することによって、体と心が振り回されてしまうんです。
あとは、プロゲステロンとエストロゲンのどちらかが過剰になるなど、2つのホルモンのバランスが悪くなることも不調の原因になっています。
プロゲステロンは生理前の便秘や肌荒れに関係しているので、よく悪者扱いをされますが、プロゲステロンが少なくなればPMSが解消するわけじゃなくて、重要なのはバランスなんです。
PMSを乗り切るにはストレスはご法度!
PMSはストレスも大きく関係しているので、性格的に神経質だったり完璧主義だったり、ストレスを溜めやすいタイプの方がどちらかというとなりやすい傾向にあります。
生理前の時期は、基本的に妊娠に備えてお休みするような時期なので、自分を叱咤激励して無理にがんばったりせずに、スピードをゆるめてあげたほうがいいんです。
何より大切なのは、心に負担をかけないこと。それが体への負担も軽減します。
例えば、PMSのあらわれやすい時期は、「調子がいいときは乗り切れるんだけどなぁ」と思うぐらいの気が進まない飲み会には行かない!
日本人は、人にどう思われるかをとかく気にしがちですが、自分の気持ちに正直になって行動したいものです。
それから、この時期は体重が減りにくいので、無理にダイエットなどしてストレスを溜めないこと。
体重が増えないように気をつけよう…と思うぐらいでいいと思います。
また、この時期にどうしても甘い物を食べたくなるという方。
甘い物を食べ過ぎて血糖値が急激に上がると精神的な不安定にもつながるので控えたほうがいいですが、絶対ダメというものを作ると心に負担がかかるので、食べたくなったら高級なものをちょっと食べて心の満足感を得るなど工夫をしてみるのもいいですね。
自分の体のサイクルを知ってPMS対策
効果的なPMS対策としては、基礎体温をつけたり、ルナルナで生理日をきちんとチェックするなどして、自分の体のサイクルを把握するのもひとつの手です。
PMSの症状が出るのは、だいたい生理が始まる3~10日前と言われていますが、2週間前からという人もいれば、1週間だけがすごくつらいという人もいます。
体のサイクルがわかって、自分のPMSの時期が把握できれば、「これはホルモンがそういうふうにさせているんだ、仕方がない」と、気づくことができて、自己嫌悪に陥ることも少なくなるはず。
人に攻撃的になりがちな人も、時期をきちんと知っておけば、周りの人により理解を求めやすいと思います。
自分に合ったストレス発散法を見つけておくのもいいですね。
運動は一石二鳥以上になるのでおすすめですが、体を動かすのがストレスになる人は、家に引きこもって好きな入浴剤を入れた少しぬるめのお風呂でリラックスするのもいいし、ドラマを見て号泣するのも副交感神経が上がるので効果的です。
また、女性は、もともと便秘やむくみを引き起こしやすいので、食物繊維をしっかり摂ったり、暖かい服装を心がけたりと、常日頃から気をつけておくと、冷えや血行不良などの改善につながるだけでなく、PMSの予防にもなりますよ。
何をすれば心地いいのか、心の声に敏感になろう!
女性は、男性と違って、生理周期によって心も体も変化します。
PMSも、妊娠しない場合に誰にでも起こる女性ホルモンの変動によるものなのだから、へんに自分を責めることはありません。
PMSがあるということは、ちゃんと女性ホルモンが働いているという証。自分なりの方法でうまくつき合って、振り回されないでほしいですね。
PMSに振り回されないためには、自分の心の声に鈍感にならないこと。何をすれば自分は心地いいのか、“I”(私)を主語にして物事を考えてみるといいと思います。
これは、PMSのあらわれやすい時期だけでなく、いつでも快調かつごぎげんに過ごすためにもとっても大切なことです。
それから、婦人科もうまく利用してほしいですね。こんなことで行っていいのかなぁ、なんて思わなくていいんですよ。
まだ大丈夫…と我慢したりせずに、自分がしんどいと思った時点でぜひ婦人科に来てください。
★先生からのメッセージ★
PMSがあるのは、女性ホルモンが働いている証。PMSと上手につき合うためには、自分の体のサイクルを知ること、何をすれば心地いいのか自分の心の声に敏感になることが、とても大切。
不安を感じたら、いつでも婦人科に来てくださいね!
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