将来の健康、妊活につながる! 低用量ピルの長期服薬メリット

婦人科に通院するのが面倒になったり、パートナーと別れて避妊の必要がなくなったり。低用量ピル(以下ピル)の服薬を始めたものの、途中でやめちゃおうかなと考える日も、ときにはあるでしょう。でもピルには生理痛の緩和や避妊以外にもメリットがある薬。やめてしまうのはもったいない!今回はそんなピルを長期的に服薬するメリットについてご紹介します。

子宮内膜症などの婦人科系疾患の予防に効果あり! 

 

現代の女性は初潮の低年齢や出産回数の減少により、排卵回数が増えた影響で、いくつかの婦人科系の疾患を発症する確率が高くなっていることはご存知でしょうか。排卵、つまり卵巣で卵が育って外に排出されること、によって、毎卵巣は少なからずダメージを受けるのですがその排卵が妊娠などの休みがなく毎月繰り返されることで、卵巣へ負担は蓄積されていきます。これにより女性特有の疾患である「子宮内膜症」や「卵巣がん」などの疾患のリスクが高まり、実際にその患者数も増えているのです。 

 

そこで注目すべきなのがピル。ピルを服薬することで排卵が抑制されるため、卵巣を休めることになり結果として上記のような婦人科系の疾患の予防につながる可能性があります 

2008年、英国の医学雑誌「ランセット」(※)には、ピルを長期間服薬することで卵巣がんの発生が半減するという研究結果も発表されています。卵巣がんの抑制効果は服薬期間が長いほど高く、5年で約3割、10年で約4割、15年で約5割、発症リスクが下がることが分かっています。 

 

Beral V, Doll R, Hermon C, Peto R, Reeves G. Ovarian cancer and oral contraceptives : collaborative reanalysis of data from 45 epidermiological studies including 23,257 women with ovarian cancer and 87,303 controls. Lancet 2008 ; 371 : 303―314 

 

 

将来の妊活に備えて、カラダとリズムを整える 

 

そしてもうひとつ。ピルを服薬することで、いざ妊娠したい!と思ったときに良い状態で臨むことができるメリットがあります。先にあげた「子宮内膜症」は、女性の10人に1人が発病している病気ですが、不妊の原因にもなるため、妊活においてもあらかじめ進行をストップさせておくことは重要です。 

 

いつまで飲むの?やめていいの? 意外と知らないピルの「やめどき」でも紹介した通り、服薬中止後一般的には13ヶ月ほどで正常な生理周期に戻るので、妊娠を望むまではピルを服薬して卵巣を休めておき、妊娠を希望したタイミングで服薬を中断するのがベストといえるでしょう。 

 

 

長期間ピルを服薬するのは受診の手間もあり面倒ではありますが、長期処方の薬剤もありますしオンライン診療を上手に活用すれば、時間も手間もあまりかけずにお薬をもらうことも可能です。 

 

イライラや生理痛改善などの目先のメリットはもちろん、疾患予防やを整えるといった長期的なメリットもあるピル。オンライン診療などのサービスをうまく活用しながら、長くつきあっていきたいものです。 

 

オンライン診療についてよくわからないという方はこちらのコラムもぜひ一度チェックしてみてくださいね。

診療も、薬の処方も自宅で完了。どうやって利用する?オンライン診療

この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医  甲賀 かをり先生

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この記事のキュレーター

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