怖がらないで!よくあるマイナートラブル①「吐き気」の対処法

低用量ピル(以下、ピル)の副作用のなかで、症状として多いといわれているのが「吐き気」です。ガマンできないほどのつらい吐き気や、実際に嘔吐してしまったとき、ピルユーザーはどのように対応すればいいのでしょうか。今回はそんな「吐き気」トラブルの対処法についてご紹介します。

低用量ピルの副作用でもっとも多い「吐き気」

 

過去ご紹介した「実際のところ、どーなの!?ルナルナユーザーに「ピル」について聞いてみた」で取り上げたアンケート結果によると、ピルの副作用のなかで最も多いのが「吐き気」であることが分かりました。
吐き気は他の副作用と同様、一時的に体内のホルモン量が変化することによって起きると考えられます。

 

ただ、これまでもルナルナでお伝えしている通り、たとえ副作用が起きたとしても、身体が薬に慣れるまでの服薬初期に起こる場合がほとんどで、多くの症状が服薬を続けることで次第になくなっていきます。

 

しかし体が慣れれば症状がおさまると頭では分かっていても、吐き気はつらいもの。重度の場合、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。不安が大きい時や、あまりに吐き気がひどいときは、「たかが吐き気」と思わず、かかりつけの医療施設に相談することをお勧めします。

 

医師の判断によっては制吐剤の併用も

 

ピルの副作用で吐き気が出た場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
まず考えられるのがピルの種類の変更。日本で承認されているピルのなかには、吐き気の副作用が出にくい薬もあり、医師の判断によっては、こうしたピルへの変更を勧められる可能性があります。

 

また医師によっては、吐き気を抑える薬「制吐剤」を処方してくれる場合もあるでしょう。
処方されたのであれば、もちろん制吐剤を服薬してOK。医師の指示通り併用して飲み続けてください。

また、なかにはドラッグストアなどで市販されている「乗り物の酔い止め薬」で吐き気がおさまるのでは?と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし専門家に相談せずに薬を併用するのはとても危険。体のことを第一に考え、面倒でもきちんと医療施設で診察を受けましょう。

 

嘔吐してしまったら服薬からの時間を確認

 

それほど多いケースではありませんが、吐き気でおさまらず、なかには実際に嘔吐してしまう人もいます。安静にするなど、適切な対応をとるのはもちろんですが、同時に気にしていただきたいのがピルを服薬してから吐いてしまうまでの時間。
理由は、服薬から3時間以内に嘔吐すると、薬の成分まで吐き出してしまっている可能性があるためです。

 

もし3時間以内に嘔吐してしまった場合は、吐き気がおさまった後に次の分を飲み、翌日からまた決まった時間に服薬を続けてください。服薬から3時間以上が経過していた場合は、すでに薬の成分は吸収されているため、とくに心配はありません。ただし避妊目的でピルを服薬していた場合、性行為を行うときは、念のためコンドームなど他の避妊法を併用しましょう。

 

吐き気があった日、また実際に吐いてしまった日は、アプリや手帳などに記しておき、医療施設での受診時に伝えられるようにしておきましょう。ピルを変えるべきか、まだ様子を見るべきか、これからを考えるうえで重要な判断材料になります。
その他、ピルを服薬してから起きた体調の変化については、どんなささいなことでもチェックしておき、かかりつけ医師に報告を。安心、快適にピルライフが送れるようになるまでは、「こまめな相談」を心がけましょう。

 

この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医  甲賀 かをり先生

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この記事のキュレーター

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