避妊効果が高く、女性のカラダに優しいピルのメリット

ピルは、正しく服用すれば避妊効果はほぼ100%。
生理痛の軽減や生理不順の改善など、婦人科系のトラブルにも効果が期待できます。飲み方や副作用など、意外と知られていないピルの基礎知識をご紹介します。

ピルの避妊効果は、ほぼ100

ピルは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが含まれている避妊薬です。

ピルには、①排卵を止める、②子宮内膜を薄くして、万が一排卵・受精しても受精卵が着床しにくい状態にする、③子宮頸管粘液を精子が入りにくい状態にする、という3つの作用で妊娠が起こらないようにする効果があります。

ピルは世界中で使用されており、正しく服用すればその避妊効果はほぼ100%。

さらに副作用も少なく、性感も損ねない、女性主導で避妊できるなど、ピルには多くのメリットがあります。

ただ、日本でのピルでの避妊割合は約1%に過ぎません。望まぬ妊娠で心身が傷つくのを避けるためにも、ピルを上手に利用したいものです。

また、ピルは子宮内膜を薄くする作用があるため、避妊だけでなく、月経困難症や不妊を招きやすい子宮内膜症などの婦人科系疾患のリスクを小さくできるともいわれています。

ピルは婦人科系トラブルの改善にも役立つ

ピルは、エストロゲンの量に応じて「低用量ピル」「中用量ピル」「高用量ピル」などに分けられます。

日本での主流は、副作用を抑えるためにエストロゲンの量を低く抑えた低用量ピルです。その人の体質によっては、また性行為後に服用する緊急避妊薬(アフターピル)などでは、エストロゲンの量がやや多めの中用量ピルが使われます。

もう1つの女性ホルモン・プロゲステロンには、いくつかの種類があり、その人の状態や体質に応じて使い分けることができます。

日本で主流の低用量ピルには、避妊のほかにも、女性ホルモンのバランスを整えることなどで以下のような症状への効果が期待できます。

・過多月経や生理痛の軽減

・生理不順の改善

・ニキビ、肌荒れ、多毛の改善

・旅行などでの一時的な生理予定日のコントロール

ピルの使用には医師の処方せんが必要

ピルを使用するためには、医師の処方せんが必要です。

製品や医療機関によって差はありますが、現在日本で医師の処方によって入手できるピルは、1シート(1ヶ月分)2,0003,000円程度です。これとは別に、診察や検査などで費用がかかります。

価格の安い海外製のピルを個人輸入するという方法もありますが、この場合は、成分や安全性に保証はありません。

「ピルを飲むと太る」と聞くけれど…

「ピルを飲むと太る」という噂がありますが、それは誤解です。

過去に使われていたピルではそうした副作用もあったようですが、現在普及している低用量ピルで太ることはほとんどありません。

将来の妊娠への影響は?

一般に、ピルの服用を止めると遅くても3ヶ月ほどで排卵は回復します。ピルの服用が不妊の原因になることはありません。

ピルを服用する際の注意点は?

ピルは、21日間服用し、次の7日間を休薬するのが基本です。

初めて服用を開始するタイミングは薬の種類によって異なりますが、一般的には、生理初日に飲み始めます。

飲み忘れがあると妊娠の可能性が高まることがありますので、注意しましょう。

ピルを飲み始めた当初は、吐気やむくみ、頭痛、胸のはりなどが現れることもあります。これらはマイナートラブルと呼ばれており、服用開始から3ヶ月以内におさまる場合がほとんどです。

しかし、ピルの副作用が強く、具合が悪くなってしまった場合には、すぐに処方してもらった医師に相談するようにしましょう。

 また、ピルを服用すると血管内に血の塊(血栓)ができる血栓症のリスクが少し高くなると言われています。

家族が心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある人、片頭痛のある人、コレステロール値や血糖値、血圧が高い人、喫煙者などは、事前に医師へ伝えるようにしましょう。

自身の体質に合い、正しく服用すれば様々なメリットがあるピル。

生理痛や避妊に悩んでいる方は、活用してみてはいかがでしょうか?

 

★今回のポイント★

・正しく服用すればピルの避妊効果はほぼ100

・生理痛や子宮内膜症などの婦人科系トラブル・疾患にも有効

・現在普及している低用量ピルは副作用が少ない

 

 

この記事の監修 
婦人科専門医  松村 圭子先生

 

この記事のキュレーター

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