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女性はあまり知らない?!男性の性病とは
近年、セックスの低年齢化が進み、性病に感染する若い男女が増えていることをご存知ですか?実は、日本の女子高校生のクラミジア感染率は、世界でもトップクラス…。頭の痛くなるような話ですが、自分で自分の身を守るために性病の知識を学ぶことも必要です。
女性であれば、何となくでも、おりものや性器周辺に異変が起こったら性病に感染している可能性があるとわかりますが、男性の場合はどうなのでしょうか?
男性は性器の構造のせいもあって、性病に感染していたとしても、女性と比べてなかなか気づきにくいといった話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
男性が性病に感染した場合に、どんな症状が現れるのかを学んでおきましょう!
男性がかかることのある代表的な性病
代表的な性病から、男性に現れる症状、特徴、治療方法などをご紹介します。
●性器クラミジア感染症
性器クラミジア感染症は、感染していたとしても約半数の人に自覚症状がなく、気づかれにくい病気です。
排尿時に軽い痛みが走ったり、尿道からサラサラした分泌液が出ることがあります。かゆみや不快感、精巣上体が腫れたりすることもあります。
男性の性器クラミジア感染症では、感染して1~2週間くらいの間に尿道炎が起こります。それを1週間以上放置しておくと、クラミジアが尿道の奥へと移動してやがて前立腺炎を発症してしまうおそれがあります。
治療方法としては、1日~2週間ほど抗生剤を服薬します。
●淋菌感染症(淋病)
いわゆる淋病は、1回のセックスであっても感染率が比較的に高い性病です。また、淋菌に感染した人は、クラミジアに同時感染している確率も高いといわれています。
排尿時に激しい痛みやかゆみ、不快感があったり、尿道から膿が出たりすることもあります。
淋病を放っておくと、前立腺炎や精巣上体炎を起こす可能性があります。精巣上体炎にかかってしまうと、陰嚢(いんのう)部が痛み、治療後に無精子症になることがあるので、早期治療が大切です。
治療方法としては、抗生剤の点滴を1回行います。
●性器ヘルペス
性器ヘルペスに感染すると、まずは患部にヒリヒリとしたむずかゆさなどを感じ始めます。その後、かゆみを伴ったペン先ほどの赤いブツブツや水ぶくれができ、破れて潰瘍(かいよう)ができます。
このほかにも強い痛みが出たり、発熱したりすることもあります。亀頭や陰茎体部に症状が出ることが多いですが、太ももやおしり、肛門周囲、直腸粘膜に出ることもあります。
軽い症状では外用剤や内服薬による治療を行いますが、重症の場合には点滴治療も行われます。
●ケジラミ症
ケジラミ症は、陰毛部分にケジラミという吸血性昆虫が寄生し、激しいかゆみが発生するのが特徴的な性病です。
セックスをする際に陰毛同士が接触することで感染してしまうことが多いのですが、まれに、わき毛や太ももの毛などに寄生していたり、毛布やタオルなどを媒介にしたりして感染することもあります。ケジラミ症を完治させるためには、外用剤で駆除するか、陰毛をすべて剃ります。
●カンジダ症
カンジダに感染すると、女性にはおりものなどに症状が出ますが、男性には症状がほとんど出ません。
しかし、男性でも、包茎だったり、糖尿病を患っていたり、ステロイド剤を投与されている場合などには症状が出ることもあります。その場合は、亀頭にかゆみやただれができたり、小さな水泡ができたり、白いカスが出たりすることがあります。そして、まれに尿道炎を引き起こすこともあります。
カンジダ菌はもともと体内に持っている菌でもあるのですが、上記のような症状が確認できたら、医療施設で治療を行うようにしましょう。発症部分に軟膏を塗布して治療していきますが二次感染を起こしている場合には、抗生剤の外用もしくは内服薬も併用します。
男性がかかると不妊の原因になる性病とは
代表的な性病の症状と治療法を見てきましたが、なかには悪化すると不妊になってしまう性病もあることをご存知ですか?
男性が性病に感染して放置している場合、周辺の臓器(尿道、前立腺、精巣上体)に炎症を起こしてしまいます。
すると免疫が反応して、細菌やウイルスと戦うために白血球の動きが活発になり熱を帯びてきます。赤くなって腫れもできてしまいます。こうして、白血球の免疫と細菌・ウイルスたちとの闘いが収束したとしても、炎症が起きた部分の組織の一部が以前の状態に戻れないで癒着や閉塞を起こしてしまい、その部分が精子の産生・輸精機能などの本来の役目を果たせなくなってしまうことがあるのです。
これが、男性が性病に感染したために不妊症になってしまう原因とされています。
女性だけでなく、男性でも性病によって不妊症になってしまうことがおわかりいただけたかと思います。
また、男性は女性と比べても性病に感染したことがわかりにくい場合もあるので、もしかしたら、女性以上に性病には注意した方がいいと言えるのかもしれませんね。
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2016年9月26日
最終監修日:2021年5月7日
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