不妊症の原因となる注意すべき疾患って?

もし、卵巣などに病気があると、妊娠できないことがあります。不妊症の原因となる病気について知り、心当たりのある人は、早目に治療をしましょう。

不妊症の原因となる主な疾患について


不妊症の原因のひとつである排卵障害の原因はさまざまで、主に次のようなものがあります。

・高プロラクチン血症
脳下垂体から出るプロラクチンというホルモンは、通常授乳中に分泌されるものですが、妊娠と関係なく分泌されることがあり、授乳中と同じホルモン状態となるため、排卵が起こりにくくなります。

・卵胞ホルモンの分泌低下
卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンの分泌が足りないと、卵胞の成長が妨げられ、排卵できなくなります。

・多嚢胞性卵巣症候群
卵巣の表面が厚くなり、その皮を破ることができずに排卵できない状態です。
卵巣の中では、卵子の入った卵胞が卵巣に溜まっていきます。

・心因性の無排卵
ストレスなどによって、脳からの指令がスムーズに出せず、ホルモンの分泌が不十分になり、排卵が起こりにくくなります。

こんな卵管障害が増えています!

 


卵管障害の原因で多いのが、クラミジアによる感染症です。
自分に性感染症なんて無関係!と思っていませんか?クラミジア感染症は、女性において最も多い性感染症で、注意が必要です。

子宮頸管炎、子宮内膜炎、さらに卵管炎へと広がっていき、卵管の炎症によって癒着が起こり、卵子や精子、受精卵の通過障害を起こすのです。
卵管が癒着を起こして狭くなったり、ふさがったりしてしまうと、排卵された卵子が取り込まれない、精子と卵子が受精できない、または受精卵が子宮に届かないなどのトラブルが起こり、妊娠できなかったり、妊娠しても子宮外妊娠になりやすかったりします。

クラミジア感染症は、初期には症状がないことも少なくありませんが、おりものに色やにおいがついたり、進行すると下腹部痛や発熱を起こすこともあります。

性交経験がある人は、新しいパートナーができたなどのタイミングで性感染症検査をしてみることをオススメします。

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

初回公開日:201542
最終監修日:2021421日

この記事のキュレーター

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