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水分を控えると「むくみ」が悪化!?むくみが起きるメカニズムと正しいケア方法を学ぼう
夕方になると、脚がパンパンにむくんで靴がきつい。
むくみ対策として、水分の摂取を控えている・・・そんな方はいませんか?
でも、それは逆効果。水分を控えることで、むくみを悪化させている可能性があるのです。一体、どうしてなのでしょうか。
「むくむ」って、どんな状態?
長時間の立ち仕事のあとに脚がむくんでしまったり、夕方になると脚がパンパンになってブーツが入らなくなったり、朝起きたらまぶたが腫れぼったかったりなど、むくみを経験した人は多いのではないでしょうか。
むくみは、何らかの原因で血流が滞ることによって、血液中の水分がカラダの末端に留まることで腫れたような状態になることをいいます。
むくみの原因は様々なものがありますが、水分を摂り過ぎたことによってむくむと思っている方も多いのでは?
本来であれば水分をとってもむくみにはつながらないはず。
水分をとってむくんだと感じた方は塩分を摂り過ぎている可能性がありそうです。
その他の原因についても詳しくみていきましょう。
血流の悪化がむくみを引き起こす?
長時間立ちっぱなし・座りっぱなし、長時間同じ姿勢が続くと、血液を心臓に押し戻す下半身の筋肉のポンプ作用が働かず、重力の影響で脚がむくんできます。
特に女性は男性に比べて筋肉量が少ないので、血流を促すポンプ作用が弱いため、むくみやすいのです。
また、夕方になるにつれて、脚の筋肉が疲労してポンプ作用がさらに弱くなり、むくみやすくなってしまいます。
ちなみに、朝起きて顔がむくんでいるのは、重力の影響で下半身にたまっていた水分が、夜寝ている間に全身に配分されるためです。
< 主なむくみの原因 >
・運動不足
運動不足によって筋肉が衰えると、やはり血液を押し戻すポンプ作用が弱まるため、むくみやすくなってしまいます。
・冷え
むくみの出やすい女性は、同時に冷え性であるケースがよくあります。体が冷えることによって血流が滞ってしまうため、むくみやすくなるのです。
・塩分の摂りすぎ
塩分を摂りすぎると、高くなった体内のナトリウム濃度を薄めるために、水分が体の中に留まって、むくみの原因となってしまうのです。
むくみのメカニズムは「血流の悪化」。
慢性化すると、血行不良から頭痛、めまい、肩こり、疲れがなかなかとれないなどの不調を招いてしまうので注意が必要です。
また、なかなか改善しないむくみは、甲状腺機能低下症や腎臓の病気など、何らかの疾患が隠れていることもあるので、症状が悪化する前に早めに医療機関を受診しましょう。
筋肉をつけて、むくみ知らずの脚に
むくみを予防するためには、できるだけ歩くなど筋肉を使う習慣を持ちましょう。
仕事柄、立ちっぱなし、座りっぱなしの人は、1時間に1回程度は気分転換も兼ねて、ストレッチなどをして体を動かすようにするとよいでしょう。
片脚で立って、もう片方の足首をつかんでぶらぶらさせたり、座った状態で足指を開いたり閉じたりするエクササイズなどがおススメです。
冷え性もむくみの原因に
女性の場合は、冷え性がむくみの原因となっていることも少なくありません。冷えは万病のもと。
冷房対策としてカーディガンを持ち歩く、冷たい飲み物やカラダを冷やす食べ物を控える、湯船に浸かってカラダを芯から温めるなど、冷え性を改善してむくみを予防しましょう。
「むくむ」からと言って、水分をとらないのはNG
外食やファストフード、加工食品などに偏った食生活は、塩分過多を招いてむくみの原因になってしまいます。塩分の摂りすぎには注意しながら、水分はしっかり摂るようにしましょう。
むくむからといって水分を控えると、体内の水分代謝が悪くなって逆効果となってしまいます。
温かい飲み物を少しずつ摂るようにするとよいでしょう。
1日の水分摂取量は、食べ物に含まれる水分を含めてだいたい1.5リットル程度が目安です。
漢方では、「水」の分布のバランスが崩れた状態を「水毒(すいどく)」と言い、水の「過剰型」と「不足型」があります。
ほとんどは「水滞(すいたい)」と言われる過剰型。
つまり、この症状のひとつがむくみで、体内の水が流れずたまってしまった状態です。
漢方薬による治療では、体内の水の分布のバランスを改善する「五苓散(ごれいさん)」、冷えが原因のむくみの場合は、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」などが、体質や症状によって処方されます。
多くの女性を悩ませるむくみ。生活習慣を見直し、思い当たることからひとつひとつ改善して、むくみを予防しましょう。
★今回のポイント★
・塩分の摂り過ぎは、むくみを招く
・水分を控えると、体内の水分代謝が悪くなって逆効果
・1日の水分摂取量は、食べ物に含まれる水分を含めて1.5リットルを目安に
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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