関連記事
ズーンと重たい生理前の便秘を撃退!
日ごろから便秘に悩む女性は多いと思いますが、それが顕著になるのが生理前。食欲が出る割にズーンとお腹は重く、どこかスッキリしない日々を過ごす人もいるのではないでしょうか?
生理前の便秘の悩みを軽くするために、生理前の便秘の原因と対処方法を解説します。
生理前の便秘は、PMS(月経前症候群)のひとつといわれています。女性のカラダはデリケートなので、しょうがないとはいえ、正直、毎月のように生理前に便秘になるのはつらいですよね。
このつらさが改善できるように、生理前に便秘になってしまう原因から探っていきましょう。
生理前の便秘の犯人は女性ホルモン
そもそも生理は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが交互に分泌されることで、一定の周期で起こります。実は、このプロゲステロンというホルモンが、便秘になる原因なのです。
プロゲステロンというホルモンは排卵後(生理予定日の約14日前)から生理前までに分泌され、妊娠した場合に備えてカラダに栄養や水分を蓄えようとするのです。そして、このプロゲステロンが大腸のぜん動運動を弱めるので、便の排出がスムーズにいかなくなってしまうのです。
そのため、普段よりも新陳代謝が低下して太りやすくなったり、体外に水分を排出する力が弱まり、カラダがむくみやすくなったり、便が硬くなってしまったりします。その結果、もとから水分が不足しがちな人や胃腸の働きが弱い人などは、生理前になると便秘に悩まされてしまうのですね。
しかし、面白いことに、女性ホルモンの働きから見ると、生理がはじまってしまえば、便秘になりにくい時期に突入するのです。なぜかと言うと、生理がはじまると一旦妊娠する準備がいらなくなってしまうので、プロゲステロンの分泌が減少し、腸の動きが元に戻ります。さらに子宮から経血を排出しようと子宮を活発に動かすプロスタグランジンというホルモンが分泌されるようになるので、子宮だけでなく、そのまわりにある腸や胃といった臓器の動きも活発になり、その結果、便通が良くなるのです。
このように、ホルモンによって大きく体調を左右されてしまうのが女性のカラダですが、生理前に便秘になりにくいようにセルフケアすることは可能です。その方法は大きく分けて「運動」と「食事」の2つ。
また、どうしてもという場合は薬剤でサポートすることもできます。では、どういった「運動」や「食事」を心がけたら、生理前の便秘に悩まされずにすむのでしょうか。
生理前の便秘を和らげる「運動」
●腹筋
まず、生理前の便秘を和らげる簡単な運動として、「腹筋」が挙げられます。
生理前はプロゲステロンが分泌されることで腸の動きが弱まるため、腹筋を刺激して便を排出するように促しましょう。
●軽い運動
腹筋のほか、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動もオススメです。ウォーキングなど有酸素運動は大腸の動きが活発になるだけでなく、ちょっとした気分転換にもなるので生理前のイライラ解消にも一役買ってくれます。会社の行き帰りにひと駅前で降りて歩いてみるのもおすすめです。
●ヨガ
近年メジャーになりつつあるヨガも効果的。胃や腸に刺激を与えて、便通をよくするといわれるポーズもいくつかあるので、こういったときのために、ポーズを覚えておくのもいいですね。また、こまめに水分をとることを忘れないようにしましょう。
生理前の便秘を和らげる「食事」
普段、忙しいからといって朝ごはんをコーヒーだけですませる、低血圧だからと朝ごはん自体を食べない、という人はいませんか?
実は、生理前は朝食を食べるか食べないかが、とても大きなポイントになります。朝、起きた直後は副交感神経が働いているので、この時間帯の食事は便意をもよおすといわれています。そのため、きちんと朝ごはんを食べることで、腸のぜん動運動が起こりやすくなり、自然な排便のリズムを作ることができるのです。
●食事
理想的な朝ごはんのメニュー例は、ご飯、納豆、味噌汁、ヨーグルト・フルーツの組み合わせ。便秘解消のポイントは、食物繊維や乳酸菌が含まれている食品を一緒にとることです。
食物繊維はサラダを1品追加することで補えますが、根菜やイモ類はカラダを温める働きもあるので、冷えやすい人は生野菜のサラダではなく、根菜類の煮物などから食物繊維をとることをオススメします。そして、腸がぜん動運動をしやすいように、腸内環境を整えてくれる乳酸菌たっぷりのヨーグルトも忘れずに。また、できることならば、乳酸菌の働きをサポートする発酵食品の味噌汁や納豆などを、一緒にとるといいでしょう。
●水分
次に、水分のとり方にも一工夫を。便秘のときは水分の少ないカチカチの便になりやすいので、スムーズに排便できるように、常温の水をこまめに飲むようにしましょう。
このときにオススメなのが、「硬水」です。「硬水」のミネラルウォーターは飲みにくくて、いつも「軟水」のミネラルウォーターを飲んでいる人も多いかと思います。しかし、「硬水」は便の水分量を増やし、軟らかくしてくれるので、生理前の便秘には「硬水」がピッタリなのです。
一日にとる水分の目安は1~1.5ℓです。ガブガブと一気に飲まないで、時間をかけてこまめに飲むのがポイントです。
生理前の便秘がどうしてもツライときの薬
生理前の便秘が和らぐようにいろいろ工夫をしてみたけれど、なかなか便秘がよくならない場合には、便秘薬の出番です。
しかし、現在販売されている便秘薬にはたくさんの種類があり、用量・用法もさまざまです。自分の悩みにあった便秘薬を服薬しないと、場合によってはかえって下痢になってしまうなど、逆効果になることも十分考えられます。
便秘薬を購入する場合には、可能ならば薬剤師に相談し、箱に記載されてある用法・用量をよく読んでから購入しましょう。最近は、漢方薬がベースになっている女性向けの便秘薬も多いので、あなたに合ったベストな便秘薬が見つかるといいですね。
この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医 甲賀 かをり先生
初回公開日:2016年7月15日
最終監修日:2021年4月22日
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
ルナルナの最新情報をお届けします