PMS(月経前症候群) 生理前の症状は200種以上とも!? 解決の糸口とは?

女性の体が妊娠するために必要不可欠な生理。意外と知らない生理について男女ともにわかりやすく学べるようまとめました。
今回は、女性の生理痛がつらすぎるときに疑いたい症状PMSについてです。PMSとは月経前の3~10日間続く痛みのこと。生理痛とは一線を画す「PMS」について紹介します。

監修

宮﨑薫 先生

PROFILE:はらメディカルクリニック院長。医学博士。東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教、慶應義塾大学産婦人科助教。2020年より、はらメディカルクリニック院長に就任。常に患者さまファーストの医療・治療を心がけている。 産婦人科専門医・指導医、生殖医療専門医、再生医療認定医、日本内分泌学会内分泌科専門医。
https://www.haramedical.or.jp/

「2人で一緒に読んで、書き込みもできる! 彼と私の生理NOTE」 #4
※参考:「妊活たまごクラブ 2024-2025年版」

生理前のつらい症状を解決する方法があります

「PMSとは、Premenstrual Syndrome(月経前症候群)の略で、生理の3~10日くらい前から身体的、精神的に現れるさまざまな症状のことです。身体的なものでは乳房の張りや痛み、むくみ、便秘など、精神的なものではイライラ感、気分の落ち込み、集中力の低下など、その症状は200種以上あるといわれています」(宮﨑先生)。
これらの症状は生理が始まると同時に軽くなったり、消失するそうですが、なかには家事や仕事がまったくできないほど深刻なケースもあり、女性の関心が高まっています。

「PMSの症状緩和には漢方薬やピルの使用が役立つこともあります。『このつらさはしょうがない』とあきらめず、PMSかな? と思ったら、まずは専門医に相談することが、解決の糸口です」(宮﨑先生)。

私の症状は大丈夫?

気になる生理前の症状、チェックしてみましょう。

【A】気分が落ち込んで不安で涙が止まらなくなる

★女性ホルモンの変動やストレスの影響です

エストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの変動や、強いストレスなどの影響で起こります。深呼吸をしたり、アロマや入浴などでリラクセーションを得る工夫をしましょう。

【B】肌荒れや大きなニキビができて困っている

★ストレスや食生活に原因があるかもしれません

女性ホルモンの変動やストレスのほか、乳製品の過剰な摂取などによる影響も考えられます。できるだけ規則正しい生活と栄養バランスのとれた食生活を心がけましょう。

【C】乳房や下腹部にハリが出て痛みが続く

★カフェインやアルコール、塩分の過剰摂取の疑いも

女性ホルモンの変動やストレスのほか、水分や塩分、カフェイン、アルコールなどの過剰摂取が原因のこともあります。ビタミンやミネラル類の摂取を心がけ、リラックスできる環境づくりも大切です。

【D】集中できず、仕事や家事がはかどらない

★脳のセロトニンを増やすライフスタイルを心がけて

集中力の低下は脳から分泌されるセロトニンが減っているからかもしれません。ストレスを減らし、日頃から適度な運動を心がけ、快眠できる環境づくりや食生活にも気を配りましょう。

知っておきたい!ピルのこと

「女性ホルモンが含まれている低用量ピルは、生理周期を整えたり、生理痛やPMSを軽減する効果があります」(宮﨑先生)。
服用後、吐き気やだるさを感じる場合がありますが、いったんホルモンが安定すれば、その症状が消える人がほとんどだそう。生理痛やPMSに悩まされているなら、ピルの処方を専門医に相談するのも一案です。

ピルのメリット【1】

★周期を一定に整え心身の安定化を図る

女性ホルモンの量の変動が少なくなるため、肉体的にも精神的にも安定して、生理による不快な症状がやわらぎます。また、正しく服用することで、一定の周期で生理が来るようにコントロールができます。

ピルのメリット【2】

★生理痛を軽減し、経血量が少なくなる

生理痛の原因は子宮の収縮を促すプロスタグランジンの過剰生成。ピルに含まれているホルモンは、プロスタグランジンの生成を抑えるため、一般的に生理痛が軽くなり、経血量が少なくなります。

ピルのメリット【3】

★子宮内膜症などの病気の予防にも役立つ

ピルは黄体ホルモンの量を一定に保つ働きがあるため、子宮がんの発生率を下げることがわかっています。また、排卵を抑えることで、子宮内膜症や乳腺症などの予防などにも効果があります。

■監修/宮﨑薫 先生

●イラスト/yamyam
●構成・文/飯田由美(BEAM)

※記事掲載の内容は2024年2月25日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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この記事のキュレーター

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