『妊活夫婦』思わず共感!グッとくるシーン ~驚き・怒り・悩み編

©駒井千紘/comico

2017年にスタートし、連載終了後の今も妊活中の女性を中心に共感の嵐を巻き起こしている人気コミック『妊活夫婦』。
著者の駒井千紘さん自身が不妊治療の経験者でもあり、妊活のリアルが詰まった作品のなかから、とくに読者がシンパシーを感じたシーンを厳選してご紹介します。
今回は前編として、『驚き・怒り・悩み』のシーンです。

『妊活夫婦』思わず共感!グッとくるシーン #1
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2023-2024」

●『驚き』のシーン

高額な治療費や頻繁な通院、痛みを伴う治療など、当事者になって初めて知ることだらけの不妊治療。驚きの連続である不妊治療のなかでも、思わず「え、マジで!?」と声が出てしまうエピソードをピックアップ。

グッとくる『驚き』のシーン

グッとくるシーン【1】
©駒井千紘/comico

卵管造影検査を終えた栄子がクリニックで仲よくなったのが、絶対跡継ぎを産まなければならない徳丸さん。普段の検診などは住んでいる東京で、採卵は九州の病院まで通っていることに驚きを隠せない。

グッとくる『驚き』のシーン

グッとくるシーン【2】
©駒井千紘/comico

不妊治療が保険適用ではなかった連載当時、顕微授精に向けての採卵の見積もり金額のあまりの高さに驚愕する主人公の栄子。さらに卵胞の成長に合わせて採卵するため、通院スケジュールが組めないのもつらいところ。

■妊活経験者に共感ポイントを聞きました

★職業:会社員
★妊活開始年齢:33歳
★不妊治療歴:2年(1人目はタイミング法、2人目は顕微授精で妊娠)
【共感ポイント】
体外受精や顕微授精に進むと、クリニックごとに方針が違い、戸惑った。
そして、とにかくお金がかかる!
体外受精や顕微授精、着床前診断まですると、月に50万円ほどかかった。
※保険適用前の治療

★職業:主婦
★妊活開始年齢:34歳
★不妊治療歴:4年(自然妊娠)
【共感ポイント】
体外受精のための自己注射。
素人に注射なんてできるのか、とびっくり!
でも意外と簡単で、それも驚きだった。

●『怒り』のシーン

努力が必ず実る、とはならないのが不妊治療のつらいところ。ストレスが溜まり、何かのきっかけで怒りが爆発してしまう人もいるはず。妊活をしている女性がフラストレーションを感じる瞬間を切り取りました。

グッとくる『怒り』のシーン

グッとくるシーン【3】
©駒井千紘/comico

タイミングを取るために、早めに帰宅してほしいと夫の一郎に頼んでいたのに、あろうことか一郎は泥酔して帰宅。チャンスが限られているのを理解している栄子は、おざなりな一郎の態度に夫婦げんかが勃発!

グッとくる『怒り』のシーン

グッとくるシーン【4】
©駒井千紘/comico

地元の友人の結婚式へ。栄子が不妊治療をしていることを知らない子持ちの友人たちは、好き勝手なことばかり。先輩風を吹かす友人たちにげんなりしつつも、聞き流すしかできず、鬱憤が溜まっていく、あるあるな場面です。

■妊活経験者に共感ポイントを聞きました

★職業:会社員
★妊活開始年齢:29歳
★不妊治療歴:1年(タイミング法で妊娠)
【共感ポイント】
夫が不妊の検査をなかなか受けてくれなかったこと。
自分を否定されたくない、怖いという気持ちはわかるけど、夫に原因があったので余計腹が立った。貴重な時間を返してほしい。

★職業:会社員
★妊活開始年齢:40歳
★不妊治療歴:2年(現在も妊活継続中)
【共感ポイント】
友人も両親も口では「子どもはいいものよ」とすすめてくるのに、「その年齢では妊娠は難しいでしょう」という気持ちが透けて見える。
部外者にストレスをかけられたくない。

●『悩み』のシーン

不妊治療と仕事の両立に、治療費の工面。不妊治療に集中したいのに、できないジレンマを抱えている女性はたくさんいます。数ある不妊治療中の悩みのなかから、働く女性なら直面したことのある場面を取り上げます。

グッとくる『悩み』のシーン

グッとくるシーン【5】
©駒井千紘/comico

やりがいのある仕事の打診があったのに、不妊治療で頻繁に休むことになるため、引き受けるか悩む栄子。仕事も子どもも諦めたくない! 上司に治療スケジュールを説明し、仕事との両立ができるよう理解を求める場面。

■妊活経験者に共感ポイントを聞きました

★職業:会社員
★妊活開始年齢:29歳
★不妊治療歴:1年(タイミング法で妊娠)
【共感ポイント】
夫との感覚の差。
私はすごくあせっていたけど、夫はそうでもなく、妊活に意識を向けさせるのが大変だった。

★職業:主婦
★妊活開始年齢:34歳
★不妊治療歴:4年(自然妊娠)
【共感ポイント】
仕事はシフト制で通院の融通は利きやすかったものの、職場の雰囲気がよくなかった。
ストレスをためたくなかったので、辞めて不妊治療に専念すべきか、でも治療代は高額だし、と悩んだ。

【作者・駒井千紘さんが不妊治療を振り返る】保険適用拡大、SNSの普及で妊活がしやすく!

私が治療していた10年前は自費。今は不妊治療の保険適用範囲が拡大され、チャンスが増えた人もいるでしょう。また、リモートワークが増えるなど、働き方の変化で治療がしやすくなったという声も聞くように。

一方で変わらないのは情報収集の大切さ。不妊治療の情報はクローズドで入手も難しいので、私は医師の指示に従うだけでしたが、SNSが普及した今は情報を探しやすくなりました。有名人がSNSで妊活の様子をオープンにする、経験談などが気軽に得られるなど、情報を集めやすくなっただけではなく、不妊治療に前向きなムードが生まれてきたのはいいな、と思います。ただし、妊活で悩んでいるかたの情報も目にするので、気持ちが沈んでしまうことも。SNSとは適切な距離を持ってつき合いたいですね。

『妊活夫婦』

『妊活夫婦』
©駒井千紘/comico

32歳の幸田栄子は、夫・一郎と結婚2年目で妊活を開始するもなかなか妊娠できず、不妊治療を勧められる。妊活のさまざまな困難に遭遇し、幸せそうに見える家庭の裏側を描く。
comicoほか、Kindle版も好評発売中。

●駒井千紘 Profile

著者:駒井千紘さん

メーカーで商品企画を経験後、独立して漫画家·イラストレーターとなる。自身の約2年にわたる不妊治療の経験を投影した『妊活夫婦』が評判を呼ぶ。現在comicoで『妊活夫婦』第2章を好評掲載中。2児の母。

●漫画/駒井千紘
●構成/編集部
●取材·文/津島千佳

※記事掲載の内容は2023年8月25日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

▼『妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2023-2024』は、妊活から一歩踏み出して、不妊治療を考え始めたら手に取ってほしい1冊。

この記事のキュレーター

妊娠・出産・育児の総合ブランド「たまひよ」。雑誌『妊活たまごクラブ』『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を中心に、妊活・妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。

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