保険適用化によって“不妊治療”は「カップルでスタート」がスタンダードに。いつ・どこで・いつから受診?体験者アンケート

イラスト/岡田丈(vision track)

不妊治療をスタートしよう!と思っても、どこへ行ったらいいのか、悩みますね。
クリニックの選び方と心得として知っておくべきことを、妊活コーチの松本亜樹子さんに最新情報とともにアドバイスしてもらいました。
今回は「不妊治療クリニックの選び方」についてご紹介します。

監修の先生

「はじめの一歩を踏み出す2人のための 不妊治療クリニック 選び方&心の準備ガイド」 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023」

治療費の保険適用化によってますます「カップルでスタート」がスタンダードになります

★検査は「一緒に」スタートが常識に

不妊治療を始めようと思ったとき、まず知っておいてほしいのは、不妊治療は1人でではなく、カップルでするものだということです。

不妊の原因の可能性は、男女半々にあります。不妊検査も治療も「2人で一緒に受診すること」は大切だ、といわれてきました。さらに、不妊治療費の保険適用を受ける際には、必ず最初にカップルで診察を受けるという条件があり、ますます「カップルで受診」は常識となります。

はじめの一歩は「通いやすいところ」から

初めて受診するのは、不妊治療専門クリニック以外に、産婦人科や総合病院の中にある不妊診療科といった選択肢もあります。いずれにしても、必ず「不妊検査」を行う施設を選ぶことになりますが、実際には、女性と男性の検査や治療が同じ施設で受けられない場合もあります。その場合は、連携している施設での検査になることもあります。

もし、どこのクリニックで治療を始めるか迷っていたら、まずは地理的、心理的にも通いやすくて、男女ともに検査が受けられる施設ということを基準にしてみて。それだけで、だいぶ選択肢が絞られるでしょう。もし、もう一歩進んだ治療が必要となったら、またあらためて自分たちに必要な施設を選び直すことを考えてもいいのです。まずは一歩を踏み出しましょう。

そもそも不妊治療って、「誰が」「どこで」「いつからするの?」

「不妊治療」についての基本をチェック!

●「誰が」→カップルで

不妊は女性だけの問題ではありません。初めから2人同時に検査を受けるのは必要なこと。女性だけが検査や治療を受けていてなかなか妊娠に至らず、あとで男性に原因があるのがわかったというケースも少なくありません。

●「どこで」→不妊治療クリニック、婦人科などで

赤ちゃんを授かるための治療をしているのは、不妊治療だけを専門にしているクリニックもあれば、産婦人科の一部門として不妊治療をしている場合も。後者の場合、妊婦さんと同じ待合室になるというケースもあります。
●不妊治療専門のクリニック
●総合病院の不妊治療外来
●産婦人科クリニックの一部門 など

●「いつからするの?」→赤ちゃんが欲しいと思ったら

不妊の定義は「カップルが避妊をせずに定期的なセックスをして一定期間(一般的には1年)妊娠しないこと」(日本産科婦人科学会)です。実際に、年齢が高くなるほど妊娠率が下がるというデータがあり、35歳を境に少しでも早く治療をスタートして!とすすめられることもあります。

【DATA】不妊治療や不育治療の病院を選ぶうえで、迷った経験はありますか?

※NPO法人 Fine 「どうする?教えて!病院選びのポイントアンケート2020」結果速報より(複数回答)
※NPO法人 Fine 「どうする?教えて!病院選びのポイントアンケート2020」結果速報より(複数回答)

●すごくある:45%
●少しある:32%
●あまりない:13%
●まったくない:5%
●どちらでもない:5%

★みんなはじめは受診について迷っていた!

治療スタート時の料金が横並びになると”実績”が重視されていく!?

★「通いやすい」ことの次に実績重視となる理由

不妊治療経験者へのアンケートで、クリニック選びの決め手になったのは、「通いやすい」がダントツ。次いで「評判のよいところ」、「治療実績のよいところ」となっていました。
不妊治療は短期間だとしても何回も通うことになるので「通いやすい」ことは重要です。ただ、今後は特にその次に重視されるのが「治療実績」になっていくと思われます。
令和4年度から、基本的な治療費が保険適用となったことで、どの医療機関で受けても価格は横並びとなりました。その分、これまでよりも「治療実績」が求められるということなのです。
治療実績の公表は義務ではないものの、「あのクリニックで妊娠できた」という評判が高いことも、クリニック選びのポイントとして注目されることになるでしょう。

【DATA】実際のクリニック選びで重視した事は?

イラスト/岡田丈(vision track)
イラスト/岡田丈(vision track)

(回答者数:5,140 回答数:5,139 無回答:1複数選択)

●通いやすい場所だから:70%
●評判(口コミ)がよいから:49%
●治療実績が良いから:38%
●通いやすい診療時間だから:33%
●治療方針が自分にあっていそうだから:27%
●医師が信頼できそうだから:27%
●病院の雰囲気がよさそうだから:26%
●知名度:21%
●紹介されたから:18%

※NPO法人 Fine 「どうする?教えて!病院選びのポイントアンケート2020」結果速報より(複数回答)

■監修

松本亜樹子 さん

■イラスト/岡田丈(vision track)
■構成・文/関川香織

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

▼『妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023』は、妊活から一歩踏み出して、不妊治療を考え始めたら手に取ってほしい1冊。

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この記事のキュレーター

妊娠・出産・育児の総合ブランド「たまひよ」。雑誌『妊活たまごクラブ』『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を中心に、妊活・妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。

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