妊娠体質をつくる栄養素「妊活中の2人」の食生活

不妊治療を始めると決めたら、最初に見直したいのが日々の生活習慣です。
「2人が心身ともに健康であることで、近い未来の妊娠、出産、子育てがうまくいく」と語る専門家が日ごろから心がけておきたい生活習慣をアドバイス。無理なく、楽しくがポイントです。

今回は、「妊娠体質をつくる栄養素 日々の食生活」編です。
栄養の偏りがないよう、新しいレシピにチャレンジしながらバラエティ豊かな食卓に。

監修の先生

「妊活中の2人の体にいい生活習慣25」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023」

 

【日々の食生活】朝食を抜くのは絶対にNG!1日3食、栄養素を少し意識すれば、外食やコンビニ食だってOKです

「忙しくて不規則になりがちですが、妊活中の2人にとって朝食はマスト。簡単なものでいいですし、コンビニの力を借りてでも、かならず食べる習慣を」(十倉先生)。

朝食を常に欠食している人なら、栄養価が高いゆで卵1個を食べることから始めましょう。

【日々の食生活】妊娠体質への第一歩はタンパク質。動物性と植物性をバランスよく摂取することで吸収力もアップ

赤ちゃんの骨や血管から内臓、髪の毛まで、体づくりのもととなるタンパク質は、動物性と植物性をバランスよく摂取するのがポイント。
1日の摂取量目安は、肉と魚をそれぞれ約100g、牛乳などの乳製品を約200ml、卵1個、豆腐約3分の1丁。覚えておくと便利です。

タンパク質を多く含む食品例

・動物性タンパク質
鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類、卵、牛乳、乳製品など。
・植物性タンパク質
豆腐、油揚げ、納豆、枝豆、煮豆、豆乳、きな粉など。

【日々の食生活】着床率や妊娠率の向上に加え、免疫力の低下が心配される妊娠中の感染症対策にも役立つビタミンD

体外受精の場合、卵胞液中のビタミンD濃度が高い女性ほど妊娠力がアップするという調査結果のほか、男性は精液内のビタミンD濃度が高いほど運動性が活発な精子の含有率が高いという報告も。
また、近年の感染症対策としても注目されている栄養素です。

ビタミンDを多く含む食品例

紅鮭、さんま、しらす干しなどの魚介類、きくらげ、干ししいたけ、しめじなどのキノコ類 など。

【日々の食生活】ごはんやパンなどの主食は糖質が高い白色よりもGI値が低い茶色をセレクトする

血糖値が高いと全身の血管を傷つけ、妊活にも影響が。炭水化物が糖に変化する速さを表すGI値(グリセミック指数)が60以下のものをセレクトしたり、食事は野菜から食べて糖質は最後にするなど「食べる順番」にも気を使って、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。

低GI値の食品例

玄米、はと麦、オートミール、春雨、ライ麦パン、全粒粉パン、全粒粉パスタ、そばなど。

【日々の食生活】生活習慣病の予防や卵子の質の向上を目指すなら食用油はオメガ3脂肪酸を

マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、卵子の質を低下させる可能性が指摘されているので、食用油はできるだけ「オメガ3脂肪酸」を選ぶといいでしょう。

「ショートニングが使われがちなスナック菓子類も、妊活中は避けた方が無難です」(十倉先生)

オメガ3脂肪酸を含む食品例

亜麻仁油、えごま油、しそ油など、α-リノレン酸やDHA、EPAが含まれた食品。

【日々の食生活】腸の動きだけではなく、子宮内のフローラを整える発酵食品を積極的に摂取して

「発酵食品というとヨーグルトを食べておけば大丈夫という人がいますが、腸活のためにはできるだけ多種類の発酵菌を摂取することが必要です」(十倉先生)。

先生によると、ご飯をよくかんで食べることでも腸内で発酵するというから、さまざまな菌で腸と子宮の健康をキープして。

発酵食品例

みそ、納豆、漬物、玄米発酵食品、ヨーグルト、チーズなどの乳酸菌など。

【日々の食生活】日本人に不足しがちな亜鉛は精子の運動活性化と女性ホルモンの生成に役立つ

亜鉛は男性の精子をつくる上で欠かせない栄養素として有名ですが、女性にとっても受精卵の細胞分裂や着床に関するホルモンの合成をサポートする大切な栄養素。普段の食生活だけで補いきれない場合は、サプリメントを上手に活用して積極的に摂取しましょう。

亜鉛を含む食品例

カキ、牛乳、鶏レバー、豚レバー、高野豆腐、卵、煮干しなど

【日々の食生活】アルコールの摂取は、少量であればストレス解消に。ただし、習慣的な摂取は禁物です

「男性の過剰なアルコール摂取は、精子の質や動きにも影響を与えます。妊活中は男女ともに、できるだけ節酒を心がけましょう」(十倉先生)。

男性の不妊原因を解析すると、習慣的にアルコール摂取をしている人の割合が高いという報告もあるのでほどほどに。

【日々の食生活】妊活中から積極的にとりたい栄養素ナンバーワンは葉酸。ビタミンB群との摂取がおすすめ

葉酸は胎児の先天異常リスク軽減のために、妊活中からの摂取が推奨されている栄養素です。

「日本人には不足しがちな栄養素なので、食品からだけでなくサプリも併用して摂取しましょう。また、葉酸をはじめとしたビタミンB群も一緒にとるよう心がけましょう」(十倉先生)

葉酸を含む食品例

ブロッコリー、グリーンアスパラガス、ほうれん草、春菊、レバーなど。

■監修

十倉陽子 先生

■撮影/大森忠明
■スタイリスト/シダテルミ
■ヘア・メイク/榊美奈子
■モデル/SOGYON
■構成・文/飯田由美(BEAM)

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

 

▼『妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023』は、妊活から一歩踏み出して、不妊治療を考え始めたら手に取ってほしい1冊。

■おすすめ記事
不妊理由の約50%は男性側の問題?! ここ数年で風向きが変わった!男性不妊の今【専門家】
排卵日を計算!妊活・妊娠カレンダー【医師監修】

この記事のキュレーター

妊娠・出産・育児の総合ブランド「たまひよ」。雑誌『妊活たまごクラブ』『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を中心に、妊活・妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。

公式サイトはコチラ

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ルナルナの最新情報をお届けします