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お金の負担が増える場合も!? 気をつけなければいけない“不妊治療の保険適用”のチェックポイント
※写真はイメージです
Image Source/gettyimages
不妊治療の保険適用化にはさまざまなメリットがある一方で、これまであった利点がなくなったり、制限が設けられるなどデメリットも生じています。
まずはしくみを正しく知ることから始めましょう!
監修の先生
2022年は保険適用化元年!いくらかかるの?「不妊治療の保険適用、初心者にもよくわかる解説」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023」
【check!】助成金がなくなったことで負担額が増えるケースがあります
2022年3月までは、体外受精・顕微授精を行った場合に助成金がもらえる「特定不妊治療費助成制度」がありました。しかし、今回の保険適用化によって、この国による助成制度が終了。そして、現時点では、すべての不妊治療が保険適用になるわけではありません。
保険診療による治療では妊娠が難しい人の場合、保険適用外の治療費は全額自己負担となるため、今までよりお金の負担が増えてしまうケースもあることに留意する必要があります。
なお、現在は経過措置として、2022年3月までに採卵された卵子を移植する場合、年度をまたぐ1回の治療については助成金の申請が可能となっています。
【check!】初診はパートナーと2人で受けるのが基本!
以前は女性1人で診察や治療を受けるケースが目立ちましたが、これから保険適用で不妊治療を行うにあたっては、最低でも1回は「パートナーと2人で受診すること」が定められました。
原則として2人そろって医師から治療計画の説明を受け、同意することが保険適用の条件です。
不妊治療はどちらか一方だけの問題ではなく「2人で取り組むもの」。パートナーが治療に前向きではない場合も、一緒に受診することで理解が進むかもしれません。
【これはGood!】事実婚の場合はどうなる?
事実婚の場合も保険適用の対象になります。ただし、受診の際に医療機関から事実婚関係(同一世帯であること)についてや出生した子の認知を行う意向があることを確認されたり、書類の提出を求められたりする場合があります。
【check!】保険診療と自費診療の 併用はNG!保険適用外の治療を行おうとするとすべての治療費が全額自己負担に……
現在の日本では、歯科医療の一部を除いては、保険診療と自費診療を併用する混合診療は原則禁止とされています。保険適用外の治療を1つでも行おうとすると、本来なら保険適用内で治療できることも自費診療とみなされ、すべての治療費が全額自己負担となってしまうので要注意!
自分が受けたい治療が保険適用になるかどうかをクリニックで確認し、自己負担費用をどこまで容認できるか、パートナーと話し合って。
【これはGood!】保険診療と併用できる「先進医療」(自費)もあります!
自費診療の検査や治療のなかでも「先進医療」として承認されたものについては保険診療との併用が可能。今のところ、胚培養とセットで行う「タイムラプス」、胚移植とセットで行う「SEET法」などが「先進医療」として認められています。
● 子宮内フローラ検査
● ERA(子宮内膜受容能検査)
● タイムラプス
● SEET法
● 子宮内膜スクラッチ など
【check!】年齢と回数には制限があります
保険適用で不妊治療を受けるためには、これまでの助成金と同様に年齢と回数に制限が設けられています。年齢は、治療開始時において女性の年齢が43歳未満であること。この制限は女性側のみで、男性側の年齢制限はありません。回数は子ども1人につき、40歳未満であれば6回まで、40歳以上43歳未満であれば3回まで治療を受けることができます。
[対象年齢]
治療開始時点で43歳未満の女性
[胚移植の回数制限]
●初めての治療開始時点の女性の年齢が40歳未満:通算6回まで(1子ごとに)
●初めての治療開始時点の女性の年齢が40歳以上43歳未満:通算3回まで(1子ごとに)
【check!】新たな治療法や薬剤ができてもなかなか導入されない可能性も……
保険適用化によって治療の方法や進め方が統一された=標準化されたことはメリットですが、一方で、保険診療では厚生労働省が認可した方法・薬剤しか使うことができないというデメリットも。有効な治療法や薬剤が新たに開発されたとしても、導入までに時間がかかる可能性があります。
■監修/京野廣一 先生
●撮影/土田 凌
●構成・文/本木頼子
●取材協力/河合 蘭
※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。
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