●誰にも聞けなかった素朴な疑問「コロナ感染とセックス」

■小堀先生：
新型コロナはキスでもうつります。ただ、一緒に暮らす特定のパートナーだけとセックスするのであれば、そんなに気にする必要はないと思います。また、ワクチンが胎児に影響を与えることはないとされているので、妊娠中でも予防接種を推奨します。

■宋先生：
もし妊娠中にコロナにかかったとしても、今のところ胎児に影響はないとされているので安心してください。この先治療薬も出てきますが、ネットの情報をうのみにせず、日本産科婦人科学会などが定期的に発信している情報をチェックしましょう。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「妊活によいセックスとは？」

■宋先生：
排卵日にこだわらず、お互いに盛り上がったときにセックスを楽しむことをオススメします。義務感でセックスして、妊娠したらセックスレスになるカップルが多いんですよ。妊娠する方法はセックスだけではないので、切り離して考えてもよいと思います。

■小堀先生：
セックスの目的は人それぞれで、生殖のためのセックスにとらわれすぎると苦しくなりますよね。挿入や射精にこだわる必要もありません。2人にとってベストと思えるセックスを楽しんで欲しいと思います。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「女性が挿入時に痛いのはなぜ？」

■宋先生：
女性が挿入時に「痛い」と感じる場合、理由は1つではありません。パートナーのサイズの問題や腟内に炎症がある場合などさまざま。痛みが奥のほうなら、内臓の病気の可能性も。
ただ、気持ちが盛り上がっていなければ、基本的に挿入は痛いものなのです。脳が興奮して女性器に血がたくさん流れて変化が起こることにより、ペニスを受け入れる準備ができます。
男性はあせらず、女性の変化を感じながら挿入に移るようにしてください。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「性病とセックス」

■宋先生：
どちらかが性感染症にかかっていることに気づかないままセックスをすることで、パートナーにも感染してしまいます。特にクラミジアは不妊の原因にもなりますので、妊活を始める前に一緒に検査を受けておくと安心です。

■小堀先生：
最近増えているのは梅毒ですが、症状がわかりづらいために気づきにくいんです。性感染症によってはノドを通して細菌がうつるケースもあり、キスだけでも感染リスクがあります。赤ちゃんをつくろうと思ったら早めに性感染症チェックを！

【Column】自宅で性感染症の検査ができるキットも

自宅でチェックできる検査キット。病院に行くのはハードルが高いと感じる人はぜひ活用を。
男性は尿、女性は腟分泌液、ほかにも血液やのどのうがい液を採取して送るだけで、クラミジアや淋病・梅毒など代表的な性感染症をチェックできます。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「イクとは何？（オーガズムは必要？）」

■宋先生：
男性のオーガズムは射精で、女性は子宮と腟がけいれんして収縮する動きのことです。女性のオーガズムはわかりづらく、その日の体調や気分によっても左右されるため、毎回イケるものではありません。

■小堀先生：
セックスのゴールは射精だけではないので、あまりオーガズムにこだわらなくていいと思います。個人的には、時代とともに「イク」という定義も変わってくるのかなと感じています。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「妊活のセックスにプレジャーグッズを使用してもいい？」

■宋先生：
もちろん使ってOKです！
コスチュームでも道具でも、「これで興奮する」という性癖が一致する2人は最強です。特定のパートナーへの性欲は年月とともに消耗するため、いろんな工夫や努力が必要です。

■小堀先生：
グッズだけでなくシチュエーションや環境を変えてみるのもオススメ。ひとりよがりにならず、コミュニケーションをとりながら好みをすり合わせていけるといいですね。

●誰にも聞けなかった素朴な疑問「男性の賢者タイムって何？」

■小堀先生：
男性は射精のあと、眠くなります。性欲が一気に消える瞬間があり、賢者のように無欲の境地に達することから、一般的に「賢者タイム」と呼ばれています。
脳の「プロラクチン」という物質が増えることで起こるといわれていますが、これは男性特有のもの。すぐに背中を向けて寝てしまうと、女性は不満に思うかもしれません。
セックスの余韻にひたりつつ、やさしくハグをするなどの気づかいが大切です。

聞いてください！妊活男女のグチ

●＜グチ1＞30代女性：
つき合っているときは、会うたびにセックスをしていましたが、結婚したとたんに夫が、「疲れているから……」「また今後」と頻度がかなり減りました。
■宋先生：
デートするたび盛り上がっていたときから、いつでもできる状態になって減るのはしかたありません。
ふだんの生活の環境では欲情しづらいので、定期的に外泊するなど環境を変えてみるのはどうでしょうか。

●＜グチ2＞30代女性：
やさしい彼のことが大好きですが、あるとき共有のパソコンで彼が風俗の予約をしているのを見つけてしまいました。病気をうつされるのではないかと心配でセックスが怖くなりました。
■小堀先生：
これは……同じ男性から見ても、彼が悪いとしかいいようがないですね。
赤ちゃんをつくろうとしているときに、風俗に行くなんて弁護のしようがない。とにかく2人で検査を受けましょう。

●＜グチ3＞30代男性：
彼女に対して性欲がわかなくなってしまいました。
1ヶ月以上間があくと彼女が明らかに不機嫌になるので、どうにかしたいと思っているのですが……。
■小堀先生：
欲は治せません。性欲があふれて止まらない、性欲がまったくわかない、どちらも治しようがないんです。
だから、ある程度2人で歩み寄っていくしかないでしょう。

●＜グチ4＞30代男性：
彼女に一度断られてから、誘うタイミングがつかめません。
もともとそんなにセックスをしたいタイプでもないので、このままでもいいかと思うのですが、それだとセックスレスに？
■宋先生：
女性側に伝えたいのですが、断るときは「あなたとしたくない」ではなく、「仕事が気になる」「体調が…」など傷つけない言い方をしたあと、「週末なら」と代替案を出しましょう。

「セックスの流れ」と「男女の体のサイン」

基本的なセックスの流れについて説明します。

【セックスの流れ・1段階】興奮期

興奮期にすること⇒「キス・抱き合う」

●＜男性の場合＞体のサイン
女性の生足や体のくびれラインなど男性は主に視覚からの刺激で興奮し、性欲のスイッチが入ります。男性が興奮期に入ったかどうかは一目瞭然で、ペニスが勃起します。

●＜女性の場合＞体のサイン
女性の場合は愛情表現の上に性欲があるので、じっくりと皮膚や体の刺激を受け徐々に気持ちが高まります。
興奮すると腟の壁から愛液とも呼ばれる分泌液が染み出してきます。

【セックスの流れ・2段階】高原期

高原期にすること⇒「気持ちがさらに高まる挿入へ」

●＜男性の場合＞体のサイン
勃起して刺激を受けると、尿道から弱アルカリ性の「カウパー腺液」という、サラサラと透明な分泌液がにじみ出てきます。弱酸性の腟内で精子が死なないよう腟内を中和します。

●＜女性の場合＞体のサイン
女性器が赤みを増してふっくらとふくらみ、少しずつ腟口が広がっていき、男性器を迎え入れる準備が整ってきます。いよいよ女性器はペニスの挿入を受け入れることができます。

【セックスの流れ・3段階】オーガズム期

オーガズム期にすること⇒「挿入、気持ちが良くなる」

●＜男性の場合＞体のサイン
ペニスは腟の中の気持ちよさと女性器の収縮による摩擦で射精の衝動を抑えられなくなり、尿道から精液が吐き出されます。男性のオーガズムはこの数秒で終わってしまいます。

●＜女性の場合＞体のサイン
女性の体内では骨盤底筋群が緊張を始め、子宮と腟、肛門括約筋が約0.8秒に1回のリズムでけいれんし、収縮は全身に広がり、やがて絶頂期を迎えます。

【セックスの流れ・4段階】消退期

消退期期にすること⇒「余韻にひたる」

●＜男性の場合＞体のサイン
射精から1分もたてばペニスから血液が引き上げます。
勃起がおさまり、ペニスはほどなく普通サイズに戻ります。男性はこのあと「無反応期」といってまったく性的反応が起きなくなります。

●＜女性の場合＞体のサイン
オーガズムが終わってからは女性器に流れ込んでいた血液がすっと引き、ふっくらと厚ぼったくなっていた性器も元の状態に戻ります。

●撮影／合田和弘
●取材・文／尾越まり恵

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

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