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私たちって「不妊」? 原因は男女どちらにもあり得る!不妊の5つのパターンとは?
妊活を意識してみたものの、もしかして不妊?と思ったら、不妊外来を受診してみませんか?
不妊治療は早く始めるほどいいといわれます。いきなり治療が待っているわけではないので安心して! まずは考え方からスタート!
今回は、男女両方にある『不妊症の原因』について、齊藤英和先生に詳しく解説していただきました。
「不妊外来へようこそ!初めての不妊治療が全部わかる!ガイド」 #3
※参考:「妊活たまごクラブ 2022-2023年版」
男女それぞれの体の個性もあるし相性もあります
不妊症の原因は男女どちらにもあります。女性の場合、年齢とともに健康な卵子の数が減っていくため、受精する力や、受精後に受精卵が順調に育つ力が弱くなります。男性も、女性ほど顕著ではないものの、年齢が高くなると妊娠確率が低くなるし、若くても男性の5%は不妊というデータもあります。
また、そもそもの健康状態が妊活の基盤となります。妊活の先には、妊娠を継続して出産し、育児へと続いています。体調を整え、健康に留意しましょう。
食生活、適度な運動、生活リズムをととのえ、適正体重でいること。冷えや過度のストレスに注意し、喫煙や大量の飲酒は厳禁。その上での妊活です。
『不妊の原因』セルフチェックリスト
各項目、1つでもあったら不妊症というわけではありませんが、それぞれ注意したほうがいいと考えられる項目です。
●カップル共通 チェックリスト
<これまでの病歴>
□常用している薬がある
□精神安定剤を服用している
□性病にかかったことがある
□下腹部を切開する手術を受けた経験がある
<生活習慣>
□BMI値(肥満指数)が18.5未満
□BMI値が25以上
□喫煙する
□毎日大量に飲酒する
<メンタル>
□日常的に強いストレスを感じる
□仕事が忙しく、休息時間が少ない
□性欲がわかない
□半年以上、セックスレス
●女性サイド チェックリスト
<月経について>
□月経痛がひどい
□経血の量が大量または少なすぎる
□月経の周期が25日未満または39日以上
<おりものについて>
□おりものが常に大量
□おりもののにおいがきつい
□おりものが濃い黄色をしている
□おりものが白くてボロボロしている
<体調について>
□貧血に悩んでいる
□無理なダイエットで急激にやせた
□乳汁が出ることがある
<中絶・流産の経験>
□中絶を一度でも経験している
□妊娠4ヶ月以降に中絶したことがある
□流産を3回以上経験している
●男性サイド チェックリスト
<射精>
□射精までが早すぎる
□射精までに時間がかかりすぎる
□射精しても快感が少ない
□朝に勃起しない
<男性器>
□睾丸が小さい、軽い
□精液が濃い黄色や赤みがかっている
不妊症の5つの原因
大きく分けて5つのパターンがあります。こうしたトラブルは、さまざまな因子が複数合わさったことで不妊となる場合もあります。
5つの原因【1】 女性側:子宮に原因がある
子宮の形が異常だったり、筋腫やポリープができたりしているパターン。ただし、それ自体は妊娠に影響を与えないケースも多くあります。
たとえば…
●子宮奇形
●子宮発育不全
●子宮筋腫
●子宮内膜ポリープ・子宮内膜炎
●アッシャーマン症候群(子宮腔癒着症)
●「子宮内フローラ」の問題
<子宮内フローラって何?>
まだ新しい考え方ですが、子宮の中にも腸と同じように細菌フローラがあり、その環境と着床しやすさが関係するということです。
子宮筋腫や子宮内膜症のあるなしだけでなく、健康な子宮内だったとしても善玉菌の活躍度を調べ、着床しやすい環境に整えるといった方法をとります。まだこれから研究が進んでいくでしょう。
5つの原因【2】 女性側:卵管に原因がある
卵管が狭くなったり、詰まったりしているパターン。細菌やクラミジアによる感染症や、子宮内膜症による卵管の癒着、卵管の炎症などが主な原因になります。
たとえば…
●卵管閉塞・狭窄(クラミジア卵管炎など)
●卵管周囲癒着(骨盤腹膜炎、子宮内膜症など)
5つの原因【3】 女性側:排卵に原因がある
成熟した卵子が卵巣の外に出られない排卵できないパターン。ストレスなどの影響で、ホルモン分泌をつかさどる脳の視床下部が、不調をきたして起こる場合も。
たとえば…
●ダイエットストレス
●高プロラクチン血症
●多嚢胞性卵巣症候群
●早発卵巣機能不全
5つの原因【4】 男性に原因がある
精子が受精に向けてスムーズに動けなかったり、精子がつくられない、数が少ないといったパターン。勃起不全(ED)も男性因子の一つです。
たとえば…
●造精機能障害(精索静脈瘤、停留精巣、染色体異常など)
●精子成熟・保護障害(副睾丸炎、前立腺炎など)
●精路障害(輸精管閉塞など)
●射精障害(インポテンツ、逆行性射精など)
5つの原因【5】 その他の原因
排卵・卵管・子宮・男性因子のどれにもあてはまらないパターン。腟や頸管、体内に入ってきた精子に対する反応のトラブルなどがあります。
たとえば…
●腟因子(処女膜閉鎖、腟閉鎖、腟欠損など)
●頸管因子(頸管炎、頸管粘液産生不全など)
●免疫因子(抗精子抗体など)
●子宮内膜症
齊藤先生『新型コロナ対策は十分にして、今から治療を考えて!』
新型コロナウイルスの流行が収まって安心できる環境になってから産みたいと考える人もいるかもしれませんが、医療側も最善の感染対策をとり、安全に不妊治療・妊娠・出産と進めるように体制を整えています。
今、赤ちゃんが欲しいと思っているなら、そのタイミングを逃さないでください。
不妊治療クリニックでは、密を避けるため夫婦別々に通院をと呼びかけることもありますが、こんな時代だからこそ、カップルで協力し、よく話し合い、自分たちの家族を作るタイミングを考えてほしいです。(齊藤英和先生)
■監修
■取材・文/関川香織(K2U)
※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

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