妊活スタートガイド「不妊治療を始める目安を教えて!」

妊活をしているのになかなか妊娠しない、もしかして不妊症? でも不妊治療ってどんなことをするのかわからなくて不安……。
大丈夫です。不妊治療はいきなり難しいことをするわけではありません。自分の体を知ることから!と思って、スタートしましょう。
今回は、不妊治療の第一歩『不妊治療を始める目安』について、齊藤英和先生に詳しく解説していただきました。

「妊活を始めたけれど……、そろそろ専門クリニックへ!? 受診する前に知っておきたい不妊治療スタートガイド」 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 2023-2024年版」

【Q】何歳で、どういう状況だったら、不妊治療を始めるの?

【A】定期的なセックスをしていても約半年妊娠しないとき

一般的な不妊症の定義は、年齢に関係なく「カップルが避妊をせずに定期的なセックスをしていて1年間妊娠しない」です。とはいえ、年齢が妊娠率と関係することは明らかで、年齢が高くなるほど妊娠しづらくなります。不妊治療は早く始めれば成果が出やすいので、ただ漫然と待っているだけでは時間がもったいないのです。
自分たちが予測したタイミングでセックスしても自然妊娠しない場合、いつになったら不妊治療を始めたらいいのかについては、女性が35歳未満なら生理周期を6回(約半年)、35歳以上なら生理周期3回で妊娠しない場合ということが目安になります。不妊症かどうかは検査をしなければわかりませんし、検査をしている間に妊娠することもあります。まずは始めてみましょう。

不妊治療を始める目安

○女性が35歳未満なら6周期(約半年)
○女性が35歳以上なら3周期(約3ヶ月)
この期間で妊娠しなければ、不妊治療の受診をしよう!

周期って何のこと?

生理が始まった日から、次の生理の前日までが1周期。正常な周期は25〜38日で、その間に排卵のタイミングがあります。1周期の日数が定まらない場合や、極端に長い・短い場合は排卵がうまくいっていない可能性があります。

【Q】受診する前に準備すべきことはありますか?

【A】まずは自分たちの体の状態をよく知ることからスタート

不妊治療の検査では、まず問診があります。このときに、自分で自分の体の状態を説明できるようにしておきましょう。具体的には、女性の場合は生理に関することなど、男性の場合は勃起の様子などです。妊娠に直結すること以外にも、大きな病気やケガなどの履歴、飲酒や喫煙についてなど、自分の体をあらためてチェック。また、基礎体温表があれば初診時に持参を。また、子宮や卵巣についての検診結果があれば参考になります。

【Q】不妊治療は保険適用になってから、受けやすくなったというのはホントでしょうか?

【A】
検査だけでなく治療費が3割負担になったことで、治療が進めやすくなりました。ただし、年齢によって保険適用になる治療回数の制限などがあります。

【Q】いきなり体外受精や顕微授精をするのは抵抗があります。そんな心構えで大丈夫?

【A】
大丈夫です。いきなり高度な治療がスタートするわけではありません。ただし、早めにステップアップしたほうが近道ということはあります。

【Q】将来に備えて「卵子の凍結」はできますか?

【A】
技術的には可能です。ただし、凍結した卵子を保管・解凍するのにはお金もかかるし、その間に母体は老化してリスクは上がります。

【Q】受診するのに、勇気がいります

【A】
不妊治療は、初診からいきなり治療を開始するわけではありません。まず検査をして自分たちの体の状態を知ることから始まります。そして、医学的に排卵時期がわかる方法を使ったタイミング法からスタートします。妊娠できない原因によっては、すぐに人工授精ということもありますが、治療するかどうかをカップルでよく話し合う時間はあります。不妊治療は若いほどお金も時間もかかりません。はじめの一歩を踏み出しましょう。

【Q】不妊治療クリニックと、婦人科の不妊相談どちらを受けたらいいですか?

【A】
どちらでもかまいません。婦人科でもある程度の検査や相談はできます。不妊治療クリニックでは専門知識があることと、待合室にいる人は同じく不妊で悩んでいる人たちなので気が楽というメリットがあります。とにかくまずは近所にあるほうに行ってみましょう。そして、保険適用を受けるためにもカップルがそろって受診することが大切です。

\まずは自然妊娠にトライ!/

ステップごとに紹介します。

<Step1>基礎体温をつける

このころが排卵日ということをハッキリさせるためには、基礎体温をつけることが基本中の基本です。
基礎体温だけではピンポイントのタイミングはだいたいしかわかりませんが、それでも月経周期を把握することで初めて妊活は始まります。

<Step2>排卵日予測検査薬を使う

さらに「このころが排卵日」と狙いが定まったら、排卵日予測検査薬でチェック。
ドラッグストアで手軽に入手できるので、いきなり通院はハードルが高いと感じる人はまずここからスタートしてみては。

排卵日予測検査薬の使い方は、妊娠検査薬とほぼ同じ。尿の中のLH(黄体形成ホルモン)値をチェックして判定。価格帯は1週間~10日分で3000円前後からが目安。

<Step3>「その日だけ」じゃないことも大切

数打てば当たる、というわけではありませんが、排卵日だけセックスするのではやはり妊娠の確率は下がります。
精子の数や活動率も大切ですが、それよりも夫婦で仲よくする時間も重視して。リラックスしたセックスを楽しむことは、妊活に大切なことでもあります。

■監修

齊藤英和 先生

■イラスト/牛久保雅美
■取材・文/関川香織

※記事掲載の内容は2023年2月25日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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この記事のキュレーター

妊娠・出産・育児の総合ブランド「たまひよ」。雑誌『妊活たまごクラブ』『たまごクラブ』『ひよこクラブ』を中心に、妊活・妊娠・出産・育児における情報・サービスを幅広く提供しています。

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