妊娠するには3つのステップが重要 !専門医に聞く「妊娠」の基礎

そもそも妊娠のしくみ、男女の体のこと、卵子や精子のことについてきちんと教えてもらったことがないと思いませんか?
今回は、男女の身体の基礎知識として、「妊娠のしくみ」について、産婦人科医の竹内正人先生にうかがいました。

「2人で知っておくべき妊娠するための基礎知識」 #6
※参考:「妊活たまごクラブ 2022-2023年版」

 

多くの奇跡でひとつの命が女性の体内で誕生する

妊娠するためには大きく分けると3つのステップが必要です。
1つ目は、女性の卵巣から健康な卵子が排卵されること。
2つ目は、その卵子が男性の体から射精された健康な精子と出会って受精して受精卵となること。
3つ目は、受精卵が子宮の内側に着床して順調に育つこと。
このどれか一つが欠けても、妊娠することはできません。

妊娠とは、排卵・受精・着床とこれらの一連の流れが、だれに指示されるわけでもないのに、女性の体の中で起こるということ。まさに妊娠とは、生命が持つ神秘的な働きなのです。

●妊娠のステップ1:排卵

・子宮 … 受精卵が着床し、赤ちゃんが育つ場所。子宮も伸びて大きくなります。
・卵管 … 受精卵を子宮に送る管。受精をし、受精卵が発育する場所でも。
・卵管采 … 卵巣から排卵された卵子をキャッチして卵管に運びます。
・卵巣 … 2~3cmの楕円形。出生時に約百万の原始卵胞があり、卵子に成長します。

月に1回、成熟した卵胞のうち1個の卵子だけが卵巣の壁を破って外に飛び出します。その卵子を卵管の先にある卵管采がキャッチして、卵管に卵子が入ります。卵子がここで生きられるのは24時間ぐらいといわれています。

●妊娠のステップ2:射精

・精子 … 腟内で射精された精子は、子宮・卵管を通り、卵管膨大部へ。
・卵管膨大部 … 精子が卵管膨大部に到達すると、卵子を取り囲みます。
・膣 … 子宮と外側をつなぐ場所。出産時には産道にもなるところです。

1回の射精で、精液に含まれる精子は約1~3億個。卵子と出会える卵管膨大部にたどり着くまでには数十分から1~2時間かかり、その間に精子の数は100~1000個に減ります。精子は3日間程度、受精能力を維持できます。

●妊娠のステップ3:受精

卵管にたどり着いた数百個の精子が、卵子を囲み、卵子の殻である「透明帯」を溶かす酵素を出します。そして、1個の精子が卵子の核に入り、卵子と受精します。
するとほかの精子は中に入ってこられなくなり、死滅します。受精卵は、その後細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮へと移動していきます。

妊娠のステップ4:着床

受精卵は細胞分裂をしながら、5~7日かけて、子宮にたどり着きます。そのころには 受精卵を覆う膜を破って孵化(ふか)をしています。孵化した受精卵が子宮の内側にくっつき、着床できると、妊娠が成立します。
月経周期が28日の人は、最終月経開始日を妊娠0週0日と数えます。約2週間後に排卵日を迎え、受精後5~7日で受精卵は子宮内膜に着床し妊娠が成立すると、このとき妊娠週数は3週に。本来の次の生理予定日には妊娠4週に。

●『受精卵』はどうなっていくの?

受精卵は、受精直後から細胞分裂を始めます。約30時間で2つに、約40時間で4分割に、約60時間で8分割に。
卵管を移動しながら受精卵は分裂を繰り返し、受精後5日後ぐらいには、分裂した細胞がお互いにくっつき、胎児や胎盤になる部分ができてきます。

●着床後の胎児の大きさは?

・妊娠1ヶ月 … 0.1mmくらいの大きさ。「胎芽」と呼ばれる時期です。
・妊娠3ヶ月 … いちごくらい。骨が形成され、3頭身になり胎児らしい形になります。
・妊娠5ヶ月 … りんごくらい。髪の毛や産毛が生え、胎動を感じるようになります。
・妊娠7ヶ月 … メロンくらい。目、耳、鼻、舌などの器官が完成します。五感も発達。
・妊娠10ヶ月 … スイカくらい。4頭身で皮下脂肪もつき、いつ生まれてもいい状態に。

35歳以上の妊娠は流産率が上がります

自然流産率の低い20代後半~30代でも、10人に1人は流産する可能性があります。
35歳以上になると一挙に流産の確率が跳ね上がり、40代以降の妊娠では41%が流産するというデータも。
妊娠は「当たり前」ではなく、「奇跡」なのだという認識を持ちましょう。

●「妊娠検査薬」って どういうもの?

生理の開始予定日なのに生理が来ないなど、病院に行って検査をしてもらうのはもちろんですが、まずは市販の妊娠検査薬を利用すれば、尿をかけるだけで判定することができます。
早すぎると反応が出ないので、生理予定日の1週間後くらいから使用しましょう。

■監修/竹内正人 先生

●イラスト/山本あゆみ
●取材・文/長谷川華

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

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この記事のキュレーター

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