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“プレ更年期”は更年期のサイン!?
女性の不安や悩みを実際の症例とともに、監修医師の方々にお話を伺いました。
※「みんなでつくるルナルナ」2014年1月14日に公開したインタビュー記事の再掲です
成城松村クリニック院長 松村圭子先生は、婦人科専門医として、月経トラブル(月経前症候群、月経困難症、月経不順)、更年期障害など女性のあらゆる不調や疾患のケア、婦人科検診を行っていらっしゃいます。
疾患の治療、総合的アンチエイジングケアを通して、美と健康の維持への啓蒙をされている先生からのメッセージです。
“プレ更年期”の原因は、実は自律神経!?
プレ更年期という言葉は、医学用語ではありません。
なので、はっきりとした定義はないのですが、“プレ”というのは“前”という意味ですから、一般的には更年期の前、30代後半~40代前半に起きる、ホットフラッシュ、肩こり、イライラなどといった、更年期に起こるような不調のことをいいます。
症状は更年期の症状とほぼ同じですが、不調が起きる原因は違います。プレ更年期の不調は、卵巣の老化によって起きるもの
ではありません。
30代後半~40代前半は、女性ホルモンが低下傾向にあるものの、更年期のように女性ホルモンが急激に低下して出なくなるということは基本的にありません。
それなのに、そういう症状が出るのは、夜更かしなど不規則な生活、過度なストレスやダイエットなどによって、自律神経が乱れてしまっているから。
そうした自律神経の乱れがひどくなると、女性ホルモンにも影響が出てしまう場合があります。
20~30代の女性に起きる更年期のような症状を指す“若年性更年期”“プチ更年期”も医学用語ではありませんが、実はこれらもこの“プレ更年期”と同じメカニズム。
その主な原因は、自律神経の乱れなんです。
まずは生活スタイルを見直すことが先決
プレ更年期のつらさをやわらげたいなら、自律神経を整えるためにも、まずは生活スタイルを見直すことが大切です。
規則正しい生活やバランスのいい食生活を心がけるようにするだけでも違ってくると思います。
なかでも、すごく重要なのは睡眠です。
睡眠は、1日の疲れをとって、体をリセットしてくれるものなので、睡眠不足だったりすると、自律神経にも影響が出ます。
朝、起きたときに二度寝したい欲求があったら、質のいい睡眠がとれていない証拠ですよ。
特に女性は、40代になると副交感神経の働きが悪くなるので、普段から緊張する生活を送っているとさらに交感神経ばかりが働いて、睡眠にも影響が出るように。
気持ちがほんわかして癒される自分なりのリラックス方法を見つけて、副交感神経が活躍できる生活を心がけたいものです。
それから、30代後半~40代前半は、家庭や仕事などでの責任が重くなり、ストレスも溜まりやすい時期。
母であり妻であり上司でありと、昔の女性よりも役割が増えているのだから、すべて完璧にやろうとするのは不可能です。
例えば仕事が溜まっていたら、ある程度は部下に任せるとか、自分で全部抱え込まずにメリハリをつけてやることが必要だと思います。
長期的な視野でつき合って、プレ更年期を克服!
プレ更年期の症状が出たときの対処法は、まずはお水を飲んで深呼吸!
ワンテンポ置くだけで気分が違ってくると思います。
前回、PMSのお話をしましたが、PMSは一時的なものなので嫌なことから逃げるのもアリですが、プレ更年期の症状は長期に渡ることもあるので、逃げてばかりもいられません。
深呼吸とともに有効なのが、自分の考え方や視点を見直して、落ち込みやイライラの目を摘むこと。
例えば、対人関係でイラつきやすい人は、始終せっかちだったり、相手のペースが理解できていなかったりする場合もありますよね。
自分と他人は違うということにきちんと気づくだけでも、イライラが減るんじゃないでしょうか。
そして、症状がつらいと感じたら、ぜひ婦人科に来てほしいですね。プレ更年期の主な原因は自律神経の乱れなので、心療内科などでも診てもらえますが、そうした不調が女性ホルモンに影響を与えることも少なくありません。
女性ホルモン・自律神経・免疫の3つは、お互いに影響を及ぼしやすいので、プレ更年期の症状が気になったら、それらをトータルに診ることができる婦人科を受診するのがベストだと思います。
予行演習しておけば、本格的な更年期もラクに!
女性は、毎月、女性ホルモンが変動するので、自律神経もそれにつられてバランスを崩しやすいんです。
更年期に入って女性ホルモンが出なくなるのは自分ではどうしようもないことですが、自律神経の乱れはお金をかけなくても生活次第でいくらでも改善することができます。
ちゃんと寝て、起きて、食べる。まずはそこを見直すことが、プレ更年期を健やかに乗り切る秘訣です。
へんに更年期を恐れたりせずに、プレ更年期を本格的な更年期がくる前の予行演習と思えばいいのでは?
自律神経が整う生活を送っていれば、更年期の症状を抑えられる可能性もあるし、プレ更年期のときに症状が出た際の対処法を身につけておけば、更年期のときにもいろいろ工夫ができるはず。
30代後半~40代前半のうちにストレス発散のために始めた趣味が、更年期のときにも役立ったりとかね。
自分の心の声に従って、楽しく知識と経験を積み重ねていけば、いつも元気でハッピーに過ごせると思いますよ。
★先生からのメッセージ★
プレ更年期の不調は、自律神経の乱れが主な原因なので、生活次第でいくらでも改善できます。
この時期に、生活スタイルを見直したり、対処法を身につけたりしておけば、更年期もラクに過ごせるようになるはず。更年期の予行演習と思って、楽しく知識と経験を積み重ねましょう!
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