きっかけを作って婦人科検診!

女性の不安や悩みを実際の症例とともに、監修医師の方々にお話を伺いました。
※「みんなでつくるルナルナ」2013年10月22日に公開したインタビュー記事の再掲です

成城松村クリニック院長 松村圭子先生は、婦人科専門医として、月経トラブル(月経前症候群、月経困難症、月経不順)、更年期障害など女性のあらゆる不調や疾患のケア、婦人科検診を行っていらっしゃいます。

疾患の治療、総合的アンチエイジングケアを通して、美と健康の維持への啓蒙をされている先生からのメッセージです。

ブライダルチェック(※)も検診のきっかけに

 

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20代に入ったら、ぜひ受けてほしいのが婦人科検診。とはいえ、表立った不調がなければ、なかなか病院に足は向かないものです。

そこで最近注目されているのが、「ブライダルチェック」。

言葉は浸透してきているので、知っている人は多いと思いますが、実際に受診する人はまだまだ少ないのが現状。

私のクリニックでも、結婚前に婦人科検診がしたいと言って訪れる方は、初診患者さんの中でも1割もいないぐらいです。

でも、せっかくブライダルチェックという機会があるのだから、婦人科検診を受けるひとつのきっかけにしてくれるといいなと思います。

ブライダルチェックの検査内容は、病院によって様々ですが、将来、赤ちゃんが産みたいときに産めるように、一般的な婦人科検診に加えて不妊と感染症に関する検査をするのが一般的です。

私のクリニックで行うのは、子宮頸がん検診、超音波による子宮・卵巣のチェック(子宮筋腫や子宮内膜症などの有無をチェック)、人間ドックで行うような血液検査や尿検査のほか、おりものや血液による感染症の検査など。もちろん、検査の中で何か疾患が見つかれば、治療を行います。

※ブライダルチェック
主に結婚などを機に、妊娠・出産を考える女性を対象にした婦人科検診のこと。
子宮頸がん検診や超音波検査など一般的な婦人科検診に加え、妊娠・出産に影響を与える疾患の有無をチェックすることを目的に行われている。検査項目については各医療機関で異なるため、問い合わせが必要。

20代でも不調はある。早めに体のチェックを!

 

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「まだ若いし、そういう婦人科検診は必要ないかな・・・・・・」とは思わないでほしいですね。

20代でも、気づかないうちに病の種を抱えていることもある。

例えば、ブライダルチェックの結果、子宮内膜症だとわかった20代の患者さんがいましたが、子宮内膜症は生理痛がひどいうえに、生理のたびに悪化し、不妊症になってしまう可能性があります。

そのまま放っておいて、まだ大丈夫かなと油断していると、赤ちゃんを産みたいときに産めないなんてことになりかねない。

20代の方でも、結婚後すぐに妊娠したいという患者さんには、子宮内膜症の進行具合によって手術を勧めることもあるんですよ。

女性が妊娠できる時期は限られていることを忘れないで。「今は、子どもはほしくない」という人も、将来、不妊で苦しまないためにも、早めに自分の体をチェックしておくに越したことはありません。

30代に入ったら不妊治療も念頭に・・・・・・

 

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30代前半はまだ若いように感じますが、そろそろ妊娠のことについてきちんと考えたほうがいい時期。

ブライダルチェックの際も、結果があまりよくない患者さんには、「このままだと将来、妊娠しにくいかもしれないこと」「不妊治療をしてもすぐに妊娠できるとは限らないこと」も、伝えるようにしているんです。

そういうことを知ると、今は何をすべきで、いつ妊娠すべきなのかもわかってきて、今後の人生設計が明確になってくる。なかには30代前半でも不妊治療が必要になる患者さんもいるんですよ。

30代後半になると、妊娠力が低下してくるので、場合によってはもっと切実に不妊治療を考えるようお話します。

また、年齢のことを考えると、例えば検査で子宮筋腫が見つかった場合、妊娠のために手術をしたほうがいいのか、先延ばしにしたほうがいいのか、判断が難しいケースもある。

そういう意味では、ブライダルチェックは、人生をどう生きていきたいのか、自分の意思を再確認できる検診でもありますね。

「自分だけは大丈夫」根拠のない自信はご法度!

 

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こうしたブライダルチェックによって、明らかな病気が見つかることもあります。

以前、子宮頸がんの前段階である異形成が見つかった患者さんがいましたが、ブライダルチェックで発見できてよかったなと本当に思いました。

妊娠してから子宮頸がんとして見つかったら、赤ちゃんをあきらめなきゃいけない可能性もあるからです。

とにかく、「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信はもたないでほしいですね。不調がなくても密かに進行している病もあるし、外見が若く見えるからといって卵巣年齢がいつまでも若いわけでもない。

50歳にもなれば多く人が閉経し、女性ホルモンの分泌も20代後半がピークで、それから先は下り坂です。

そういうことを受け止めて、自分の体ときちんと向き合っていくことが大切。

 

★先生からのメッセージ★

婦人科検診のきっかけは、もちろんブライダルチェックだけではありません。例えば、「毎年、お誕生日月に婦人科検診をする」と決めて、習慣にしてみるのもいいのでは? 定期的に検診しておけば、病気や不妊になる前段階で治療できます。予防医療という意味でも、婦人科検診をぜひはじめましょう!

 

 

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この記事のキュレーター

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