長時間、スマホ・パソコンを使う人は要注意!「ドライアイ」危険度チェックをしてみよう

目が乾いてしまうドライアイ。今やデスクワークをする人の3分の1がドライアイともいわれています。背景にあるのは、パソコンやスマホの使用など現代人ならではの目の酷使。コンタクトレンズによる涙の状態の変化も影響しています。改善するにはどうしたらいいのか、ドライアイを引き起こす要因や予防法などについて解説していきます。

涙の量が減少したり、涙の質が低下したりする

目の表面を覆う涙には、目を守るバリアのような役割があります。ドライアイとは、涙の量が不足したり、涙の成分バランスが崩れて涙の質が低下したりすることによって、涙が目の表面に均等に行き渡らなくなってしまった状態のこと。最近では、パソコンやスマートフォンの長時間使用、コンタクトレンズの普及などにより、ドライアイを訴える人が増えてきています。デスクワークをする人の3分の1はドライアイともいわれています。

なお、涙の成分はそのほとんどが水分ですが、その水分が蒸発しないように、表面に薄く油分がのっています。最近では、その油分を分泌する「マイボーム腺」の機能が低下して油が不足し、涙が蒸発してしまう「マイボーム腺機能不全」が、ドライアイの原因の8割以上を占めることがわかっています。つまり、涙の質の低下が、現代人のドライアイを引き起こしているのです。

 

ドライアイが引き起こす、さまざまな不快症状

ドライアイによる目の不快症状には、いわゆる「目が乾く」というものに加えて、目が疲れやすい、かすんで見えるなど、さまざまな自覚症状があります。目が乾燥した状態のまま放置していると、目の表面が傷つきやすくなり、角膜などの健康を損なったり、視力が低下したりすることにもつながります。

以下に、ドライアイの危険度チェック表を示しました。思い当たる症状はいくつあるでしょうか?もし5つ以上が該当したら、ドライアイかもしれません。

〈ドライアイ危険度チェック〉

□ 目が疲れる
□ 目が乾いた感じがする
□ 目に不快感がある
□ 目が痛い
□ 目が赤い
□ 目が重たい感じがする
□ 涙が出る
□ 目がかゆい
□ 光を見るとまぶしい
□ 目がゴロゴロする
□ 目やにが出る

 

ドライアイを引き起こす要因

どうしてドライアイになってしまうのか。要因はさまざまですが、主なものは下記のとおりです。

(1)長時間のパソコン作業など目の酷使

パソコンやスマホなどの画面をずっと見つめていると、ドライアイが起こりやすくなります。画面を凝視することにより、まばたきの回数が減ってしまい、目が乾きやすくなってしまうのです。

(2)コンタクトレンズの装用

コンタクトレンズは涙を吸い取ってしまったり、涙が蒸発しやすくなったりするデメリットがあります。コンタクトレンズをしていて異物感があるのは、まさに涙の不足により目が乾燥し、レンズが安定しないためだといえるでしょう。

(3)加齢による涙の質・量の低下

年齢を重ねると、涙の分泌量が減ると同時に、マイボーム腺(涙の油分を分泌する腺)の機能低下により涙の質も低下しやすくなり、ドライアイになりやすくなります。

 

ドライアイを治す!検査と治療

(1)検査/涙の状態や目の表面の傷を見る

ドライアイかどうかを調べる検査で一般的なのが、涙の量を調べる「シルマー検査」です。専用の濾紙を下まぶたのフチに挟んで、5分間でどれくらい涙が出るかをみます。また、ドライアイでは目の表面に傷がつきやすくなりますので、専用の染色液を使って傷があるかどうかを顕微鏡で調べる検査も行われます。まばたきをせずに目を開けたままの状態にして、涙の層がどれくらい乱れるかを観察する検査もあります。

(2)治療/点眼治療がメイン

人工涙液やヒアルロン酸などを点眼する点眼治療が、ドライアイ治療の主流です。これで改善が見られず、症状がひどい場合には、点眼プラグといって、涙の出口である涙点に栓をする治療が行われることもあります。このことで涙が目にたまりやすくなり、乾燥を防ぎます。

 

自分でできるドライアイの改善・予防策

まず、パソコンやスマホの長時間使用を避けること。デスクワークにおいてパソコン作業は避けられませんが、こまめに休憩をとり、意識的にまばたきをするよう心がけましょう。コンタクトレンズは目に負担をかけますので長時間の使用は避けてください。特にソフトコンタクトレンズは涙を吸収してしまう性質があるので、ドライアイの場合にはハードコンタクトの使用をオススメします。目が疲れたと感じたら、こまめに目薬をさすようにしましょう。

ドライアイは命に関わるような病気ではありませんが、目の不快感が慢性的に続くことで、日常生活の質を大きく低下させます。なかにはシェーグレン症候群などの病気がひそんでいることもありますので、不快な症状が現れたら一度、眼科を受診してみましょう。

 

★今回のポイント★

・ドライアイは、涙の量の低下だけではなく、涙の質の低下によっても起きる

・パソコンやスマホの使用による、まばたきの減少もドライアイの要因に

・症状がひどい場合には、眼科を受診して適切な治療を

 

 

この記事の監修 
婦人科専門医  松村 圭子先生

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