意外と知らない!日本人女性の11人に1人がなる「乳がん」ってどんな病気?

メディアでも度々取り上げられる「乳がん」。
私たち女性がまず知っておきたいのは、乳がんがどんな病気で、どんな症状が出るのかについてです。
今回は、乳がんの基礎知識や症状、しこりの見つけ方についてわかりやすく説明します。

乳がんは誰でも起こりうる病気

乳がんは女性がかかりやすい病気の代表格で、アメリカでは約8人に1人、日本では約11人に1人が発症するとされています。

女性が患ったがんの1位で、日本においても患者数は年々増加傾向にあります。

この数字を見ると、決して他人事にしてはいけない、女性なら誰にでも起こりうる病気だということがわかるのではないでしょうか。

 

乳がんは、治療法も豊富です。早期に発見できれば、大きな手術にならなくて済みますし、命を落とす可能性も低いといわれています。

自分には無関係だと思わず、乳がんの基礎知識を知っておきましょう。

 

乳房の構造と乳がんの種類

乳がんのお話をする前に、まずは乳房の構造を見ていきましょう。

乳房には、赤ちゃんのために乳汁を分泌する大切な役割を持つ「乳腺」と呼ばれる腺組織と、脂肪組織、血管、神経などがあります。

乳頭を中心に「腺葉」という乳腺組織が放射状に15〜20個並んでおり、それぞれの腺葉は小葉に分かれ、小葉は乳管という管でつながっています。

約90%の乳がんは乳管から発生し、「乳管がん」と呼ばれています。小葉から発生する乳がんは約5〜10%あり、「小葉がん」と呼ばれています。

さらに乳管や、小葉の基底膜を破って外へと広がる「浸潤(しんじゅん)がん」と、乳管や小葉にとどまる「非浸潤がん」に分類されます。

 

乳がんの初期は自覚症状が少ない

乳がんは発症しても痛みがなく、初期には自覚症状がありません。

最初は小さな粒状だったものが、次第にしこりへと変化して大きくなっていきます。

とくに胸の外側上部分(脇下付近)にできやすく、進行するとリンパ節や血流によって肺や骨など全身に転移していきます。

ちなみに、男性でも乳がんになる可能性があることをご存知ですか?

患者全体のうち約1%程度と少ないものの、60〜70歳の男性に多いとされています。男性の乳がんは女性と異なり、はっきりしたしこりができることが多いので見つけやすいといわれています。

乳がんを自分でチェックする方法

乳がんはカラダの表面に近いところに発生するため、他の病気と違って自分で見つけることも可能です。

しこりが2㎝以下の大きさであればほぼ完治するといわれているので、早期発見が大切。

次のセルフチェックを続けることで胸の違和感や変化に気づくことができます。

 

● 乳がんセルフチェックの「タイミング」

生理が終わってから4〜5日目に行いましょう

● 乳がんセルフチェックの「ポイント」

□ 左右の乳房に変形はないか

□ 乳房に異常な左右差はないか

□ 乳首にへこみ・ひきつれ・ただれはないか

□ 乳房にしこりがないか

□ 血の混じった分泌物はないか

 

● 乳がんセルフチェック方法 ① :鏡の前で行う方法

1 両腕を下げた状態と上げた状態で色々な角度から乳房を観察します。

2 脇の下を揉みほぐしてチェックします。

3 左右の乳首を絞るように軽くつまみ、茶褐色または血液の混じった分泌物が出ないかチェックします。

 

● 乳がんセルフチェック方法 ② :仰向けに寝た状態で行う方法

チェックする方の肩にクッションや折りたたんだタオルを敷き、乳房が横に流れないようにして行いましょう。

チェックする側の腕を上げて曲げ、頭の後ろに置きます。反対側の手の指の腹を使って軽く押しながら乳房の内側、外側、全体を滑らせるよう触って調べます。反対側も同様に行います。

 

はじめは正常と異常の違いがわからないかもしれませんが、定期的に続けていると乳房の状態の変化や違和感がわかるようになります。定期的なセルフチェックや検診が早期発見につながります。

もし少しでも胸に異常を感じたら、乳腺外科などを受診して検査を受けるようにしましょう。

 

★今回のポイント★

・乳がんは日本人女性の11人に1人がかかる身近な病気

・乳がんのほとんどは母乳の通り道の「乳管」にできる

・月1回のセルフチェックで早期発見することが大切

 

 

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

 

この記事のキュレーター

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