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何歳まで産める?気になる、妊娠と年齢の関係
晩婚化が進み、第一子の出産年齢も上昇。有名人の中には、40歳以上で出産した人はもちろん、50代で産んだ人もいます。
医療が進化しているとはいえ、実際、一般的に何歳まで妊娠・出産ができるのでしょうか?
有名人のなかには、50歳を超えて出産した人も
卵子提供を受けて50歳で出産した国会議員の野田聖子さん、体外受精を経て53歳で妊娠をしたタレント・パーソナリティーの坂上みきさん。
以前では考えられないような年齢でも、不妊治療を経て、妊娠・出産する人が増えています。ただ、こういったケースは奇跡に近い確率です。
生理学的な理論上、健康な女性が自然妊娠できる年齢は、12~50歳前後までとされています。
ただし、実際には子宮や卵巣などの女性機能は加齢とともに衰えていき、そのスピードも個人差が大きいので「あの人も妊娠できたのだから、きっと自分も」と安易に考えるのは危険です。
加齢とともに妊娠の確率は下がっていく
妊娠・出産には女性ホルモンが深く関わっていますが、女性ホルモンは20代半ば~30代前半がピーク。30代後半から卵巣機能が衰え始め、女性ホルモンも穏やかに低下し始めます。
また、女性が妊娠しやすい時期は20代と言われており、30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は少しずつ下がっていき、35歳くらいから急激に低下します。
そして、もうひとつの大きな境目といわれている年齢が40歳。
20代~30代前半のカップルが自然妊娠をする可能性は25~30%、30代後半では約15%、40歳になると約9%、42歳では5%未満まで低下します。そのため、国の不妊治療の助成金も43歳未満と年齢制限が設けられています。
女性の卵子は日々老化、減少している
男性の精子は精巣内で常に作られているのに対し、女性は一生分の卵子を持って生まれてきます。そのため、卵子の数は成長とともに減少します。
生まれたときに200万個だった卵子は、思春期で生理が始まる頃には、20〜30万個にまで減少。閉経を迎える頃には、1,000個以下になります。
そのため、加齢とともに卵子も老化&減少して妊娠しにくくなるのです。どんなに見た目が若くても、卵子の年齢が実年齢より若いということはありません。
卵子提供の実績からもわかる卵子の質の低下とは
加齢にともない自然妊娠する確率は減少していきます。
一般的には、健康的なカップルが1年間避妊せずに性交渉した場合、約80~90%が妊娠できるといわれているそう。
それが、30代後半で約50%、40代前半で約30%台、45歳以降には5%以下にまで低下します。年齢とともに、妊娠する力が落ちていくのです。
また、近年晩婚化が進んだことにより、不妊に悩むカップルも増加。今まで10組に1組といわれてきましたが、最近では5.5組に1組が不妊といわれています。
日本で卵子提供による体外受精は行われていませんが、米国の調査データによると、提供卵が若い場合、移植を受ける女性の年齢が上昇しても高い妊娠率が得られることがわかっています。
不妊には卵子の質の低下が大きく関わっていると考えられます。そのため、医学的観点からは20代での出産が望ましいとされていますが、遅くとも30代前半までに妊娠をするのが望ましいといわれています。
★今回のポイント★
・50代で出産するのは奇跡に近い確率
・35歳くらいが妊娠率低下の境界線
・卵子も加齢とともに老化する
・医学的には30代前半までに妊娠するのが望ましい
この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2017年6月12日
最終監修日:2021年9月21日
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