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もっと早く知りたかった~!「タンポン」を正しく使って、快適な生理を過ごそう
普段はナプキンを使って生理を乗り切っている人も、長時間ナプキンを替えられないときや温泉旅行に行くときは、タンポンが便利。でも、タンポンを使ったことがなければ、「痛くないのかな?」「膣の中にちゃんと入れられるかな?」など不安になることも多いですよね。そこで、タンポンの基本的な使い方や注意点を見ていきましょう。
タンポンって何?
ナプキンは、下着にあてて体外に出た経血を吸収させるものです。それに対して、タンポンは膣の中に小さな筒状のものを入れ、生理の経血を吸収させます。膣の中で経血を吸収させてしまい、カラダの外に経血が出ないのが、ナプキンとの大きな違いです。
タンポンは、直径は1cm、長さ4~5cmくらいが標準サイズ。脱脂綿やレーヨン綿を原料として作られており、筒状に小さく圧縮されています。
ドラッグストアやスーパーなどでは、通常の生理用ナプキンと同じ売り場に並んで置かれていることが多いので、チェックしてみるといいでしょう。
●タンポンのメリット
タンポンは、膣の外に経血が出ないことから、入浴や海水浴、プールなどのときにも使えるといわれています。生理中は水や湯に入れないと思い込んでいる人もいるかもしれませんが、生理中でもタンポンを使って入っている人が案外多いものです。
また、ナプキンは多い日だともれてしまう恐れがありますが、タンポンはもれることはほとんどないため、多い日に向いています。多い日は経血の存在で滑りがよくなり、膣の中にタンポンをスムーズに入れることができるので、使いやすいという面もあります。
タンポンって痛いの?
タンポンは、ナプキンと違ってカラダの中に入れなくてはならないので、「なんだか怖い」「痛そう」と思う人も多いようです。でも、実際は膣の入り口からちょっと奥に入れるだけですし、さらに違和感がないところに挿入するので、痛みはなし。入れるときだけ、ちょっと違和感があるくらいで、入れてしまえば、生理であることを忘れるくらい快適なんですよ。
もし、挿入後も違和感があるのなら、正しい位置まで入っていない可能性があるので、一度出してから新しいものでもう一度試してみてくださいね。
また、正しい位置に入れているのに、痛みが出ることもありえます。もしかしたら、経血の量が少なくて、吸収体と膣の壁が密着してしまい、痛みを感じているのかもしれません。そんなときは無理に使わず、経血の量に見合ったナプキンを使用するのがいいでしょう。
タンポンは時と場合によって使い分けを!
タンポンと一口に言っても、実はいくつか種類があります。多い日、普通の日、少ない日など、自分の経血の量に応じて、選び分けてみましょう。経血量だけでなく、サイズにも大小があります。旅に出かけるときや普段の生活で使うときなど、状況に応じて上手に使い分けましょう。
タンポンを使うときの注意事項!
便利なタンポン。ついつい替え忘れてしまうこともあるかもしれません。タンポンを使う時はこんなことに注意してください。
●ナプキンとの併用のススメ
タンポンは長時間使用すると、「トキシックショック症候群(TSS)」の原因となる黄色ブドウ球菌が増殖するリスクを高めます。また経血を吸収しきったタンポンを使い続けてしまうと、それ以上吸収できずに、経血が出てきてしまうこともあります。そのため、絶対に8時間を超える使用は避けましょう。目安は4~8時間以内です。
また、8時間タンポンを使い、さらに8時間タンポンを使うといった連続使用も避けましょう。タンポンを一定時間使ったら、次はナプキン、そしてまた次はタンポンを使うなど、ナプキンと併用するのがおすすめです。
●トキシックショック症候群(TSS)って?
タンポンを使っていると、ごくまれに、「トキシックショック症候群」と呼ばれる状態になることがあります。これは、タンポンを使っている最中に、突然の高熱や発疹・発赤、だるさ、嘔吐や下痢、粘膜の充血、血圧低下などの症状が起こるものです。黄色ブドウ球菌が生み出す毒素が原因といわれており、放置すると血圧低下によるショック状態に陥ることもあるため、十分注意が必要です。もしタンポンを使用中、これらの症状に心当たりがあれば、一刻も早く医師に診てもらう必要があります。
<トキシックショック症候群予防のための注意点>
・タンポンを8時間以上入れておかない(就寝時の使用は避ける)
・タンポンとナプキンを交互に使う
・おりものに異臭がしたらタンポンは使わない
タンポンを長時間替えなかったり、使用時に手指を清潔にしなかったりする場合は、黄色ブドウ球菌が増殖することで毒素を産生しやすくなります。タンポンを使う前に、商品についている説明書をきちんと読んで、正しく使うようにしましょう。
●紐は膣の中に入れず外に出しておく
タンポンを膣に挿入すると、通常、紐が外に出ている状態になります。切ったり、膣の中に入れてしまったりせず、必ず外に出しておきます。いつでも紐を引っ張ればタンポンが簡単に取り出せるような状態にしておきましょう。
タンポンは多い日にももれにくく安心感があり、持ち歩きもしやすい便利なアイテム。秋は紅葉鑑賞などで、遠出の旅行が増えるので、そんなときこそタンポンが大活躍しそうです。
ただし、非常にまれではありますが、タンポンを正しく使用しないことで、トキシックショック症候群などの、恐ろしい症状が現れることがあります。連続使用時間の限度や使い方を守り、ナプキンと上手に併用しながら、安全に使うようにしましょう。
★今回のポイント★
・タンポンは経血量が多い日に向いている
・8時間以上、タンポンを膣に入れっぱなしにしない
・タンポンは連続して使わず、ナプキンと交互に使う
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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