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吐き気、ムカつき、めまい…。生理の時はなんで気持ち悪いの?
生理がはじまると、吐き気、胃のムカつき、めまいなど、さまざまな気持ちの悪い症状に悩まされることがあります。また、その症状は人によっても異なり、重症度も違えば、毎回同じ症状が出るとも限りません…。この生理中の気持ち悪い症状は、なぜやってくるのでしょうか?
生理は、その人の生活環境や食生活、また抱えているストレスなどの影響を受けてさまざまな「気持ち悪い」症状を引き起こします。また、その症状や重症度は人によって異なるので、一概に「生理になると、こんな不調を感じる」とは言い切れません。
では、生理の時に起こる気持ち悪い症状には、どんなものがあるのでしょうか?
生理の時に起こりやすい気持ち悪い症状
生理の時の不調で多いものに、吐き気、胃のムカつきのような消化器症状と、めまい、立ちくらみなどがあります。
ここでは、「吐き気、胃のムカつき」と「めまい、立ちくらみ」の2つに分けて説明していきます。
生理の気持ち悪い症状(1) 吐き気、胃のムカつき
吐き気や胃のムカつきといった消化器症状には、生理の時に分泌される「プロスタグランジン」というホルモンが大きく影響しているとされています。
プロスタグランジンは、経血を子宮外へ排出するために分泌されるホルモンです。
冷えなどで経血の排出がスムーズにいかない場合には、このプロスタグランジンがたくさん分泌されて、経血を子宮外へ排出しようと、子宮の収縮運動を活発にさせます。そして、これが生理痛を引き起こす原因ともいわれています。
また、プロスタグランジンは子宮に限らず、胃や腸にも作用するため、胃痛や吐き気などのさまざまな不快な症状が引き起こされてしまうのです。
生理の気持ち悪い症状(2) めまい、立ちくらみ
めまいや立ちくらみがする場合には、ホルモンバランスの乱れ、自律神経の乱れ、血行不良や貧血が影響しているとされます。貧血とは、血液中のヘモグロビンが少なくなっていることを指し、全身の酸素が不足している状態です。生理中にめまいや立ちくらみなどの症状が起こる場合は、鉄分が不足していたり、過多月経による貧血も考えられます。
では、これらの代表的な症状を防ぐにはどういったことを行えばいいのでしょうか?
生理の時、気持ちが悪い場合の対策
吐き気、胃のムカつきなど
生理中の吐き気、胃のムカつきなど消化器症状の原因はプロスタグランジンにあります。
なので、生理中に、こういった症状に悩まされないようにするためには、プロスタグランジンが多く分泌されなくても良いように日ごろからカラダの調子を整えておくとよいでしょう。
例えば冷え対策をすること。
お風呂はシャワーですませずに、しっかりと湯船に浸かってカラダを温めること。また、クーラーの効いた部屋に長時間いる場合には、腹部や下半身を冷やさないようにひざ掛けをかけたり、ハラマキを巻いたりするとよいでしょう。
ドリンクは常温のものや、ホットドリンクがおすすめ。そのほか、ガードルなど締め付けの強い下着なども全身の血液の巡りを滞らせてしまう原因のひとつになるので、できるだけ生理中はゆったりとした服装を心がけましょう。
めまい、立ちくらみなど
生理中にめまいや立ちくらみが起こる場合は、脳が一時的に酸欠状態になっていると考えられるので、脳へ酸素を行き渡らせるためにも、まずはカラダを休めて安静にすることが大事です。
そして、貧血だと考えられる場合には、普段の食事から鉄分が含まれるレバー、いわし、ホウレンソウ、プルーン、大豆製品などをとるように心がけましょう。また、鉄分の吸収率をアップさせるビタミンCやたんぱく質なども一緒にとると、なお良いでしょう。
バランスのとれた食事で改善を図る方法の他にも、漢方薬を飲んで症状の改善を図る方法があります。
漢方薬は一人一人の体質に合ったものを選べるので、長期に渡っての改善を目指したい人にはうってつけです。
生理中の気持ち悪い症状別に代表的な漢方薬をご紹介すると、吐き気を伴う生理痛に悩む人には、「桂枝茯苓飲合半夏厚朴湯(けいしぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)」を、胃腸が弱くて体力もない人は「補中益気湯(ぼちゅうえっきとう)」などがあります。
また、これらの症状が気になる時は、ツボ押しも有効です。
生理痛を緩和させる三陰交(内くるぶしから指4本分上の、骨と筋肉の境目にある)、血の流れを良くする血海(膝の内側の、足を伸ばした時にへこむ所から指3本上にある)、下腹部痛、腰痛、貧血症状などを緩和させる気海(おへそから指2本分下にある)などのツボを刺激して、ツライ症状を乗り切ることもおすすめです。
低用量ピル(OC/LEP)の服薬
日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は低用量ピル(OC/LEP)の服薬も効果的です。
以下のコラムも参考にしてみてください。
日常生活もツライ!そんな重い生理痛を感じたら、「低用量ピル」で改善の検討も!
まずは日ごろの生活習慣や食事を見直して
生理中の気持ち悪い症状と、それぞれの症状に合った対応策がおわかりいただけましたか?
これらの症状を、今すぐに改善するというのは難しいことですが、日ごろの生活習慣や食事を見直したり、低用量ピル(OC/LEP)やカラダの不調に合わせた漢方薬を服薬したりといった対応策を実践することで、つらい症状もきっと緩和されることでしょう。
毎月やって来る生理と上手に付き合っていきたいですね。
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2016年9月13日
最終監修日:2022年2月28日
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