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生理の血が少ない原因と対策をチェック!
「いつもより生理の血の量が少なく感じる…」そんなことに気づいたら、自分のカラダに何か異常が起こったのではないかと不安になってしまいますよね。生理の血が少ない原因は一つではありません。
そこで今回は、生理の血が少ない場合に考えられる原因と対策を確認していきましょう。
生理の血が少ないってどれくらいのことをいうの?
生理の血が少ないといっても、一般的にはどれくらいの量のことを指すのでしょうか。
普通、一回の生理では、20~140mlほどの血が出るといわれています。
数字ではわかりにくいですが、ナプキンを1日に1~2回しか替えなくても済む、褐色のおりものくらいの程度の場合は生理の量が少ないと言えます。
生理の血が少ない場合に考えられる原因って?
もし、このように生理の血が少ないと気づいた場合、原因が気になりますよね。
そこで、生理の血が少ない場合に考えられる原因を、いつも生理が来るたびに量が少ない場合と、前回の生理と比較して量が少ないと感じた場合の2つのパターンで見ていきましょう。
●生理の血がいつも少ない場合の原因
いつも生理の血が少ない場合、「器質性過少月経」の可能性があります。生理の血の量が少ないことを「過少月経」と呼び、器質性とは、何らかの病気による異常で起こるという意味です。
器質性過少月経の原因には、子宮発育不全、子宮内の癒着(ゆちゃく)などがあります。
●子宮発育不全
子宮の大きさが小さいことです。生まれつき小さいこともありますし、一度正常に成長した子宮が小さくなることもあります。
●子宮内の癒着
流産の手術によって、子宮内膜が傷つき、子宮内に癒着(ゆちゃく)が起こる場合があります。癒着とは、子宮内膜の組織同士がくっつくことです。これが過少月経の原因になることがあります。また、結核などで子宮内膜に炎症をきたすことによって癒着が起こり、過少月経になることもあります。
●前回の生理と比較して量が少ない場合の原因
前回と比べて量が少ない、もしくはだんだん少なくなってきたという場合、「機能性過少月経」の可能性があります。機能性とは、カラダの機能が正常に働かなくなったことで起こるという意味です。
●女性ホルモンの分泌不全
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の二つがあります。エストロゲンが子宮内膜を厚くしますが、エストロゲンがしっかり分泌されないと、内膜が厚くならず、生理の血が少なくなることがあります。
女性ホルモンの分泌不全の原因としては、過度なストレスやダイエットなどがあります。
●無排卵月経
生理がきているのにも関わらず、排卵していない状態のことです。無排卵月経になると、排卵が起こっていないことから、基礎体温がずっと低温期のままになります。
●甲状腺機能亢進症
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの量が過剰になることで起こります。甲状腺とは、全身の代謝を保ち、活動的にしてくれるところです。しかし、甲状腺ホルモンの量が過剰になると、過少月経になることがあります。
生理の血が少ない場合の対策は?
では、これまで紹介した大きく2パターンに分かれる生理の血が少なくなる原因の対策を、それぞれ見ていきましょう。
「器質性過少月経」の対策
先天性の「子宮発育不全」の場合、治療はむずかしいといわれています。後天性の場合、ホルモン療法があります。
「子宮内の癒着」には手術による治療が行われています。
いずれもセルフケアがむずかしいため、婦人科・産婦人科で治療を受けます。
「機能性過少月経」の対策
「女性ホルモンの分泌不全」や「無排卵月経」については、女性ホルモン製剤や排卵誘発剤による治療が行われます。
「甲状腺機能亢進症」の場合、抗甲状腺ホルモンの投与が一般的な治療法です。これらは婦人科・産婦人科や内分泌科での治療が必要になります。
また、過度なストレスやダイエットが根本的な原因である場合、自分でそれらを見直すことも肝心です。
生理の血が少ない場合は受診を
生理の血が少ない場合、大きく分けて器質性過少月経と機能性過少月経の2つが原因として考えられます。
それぞれ、婦人科・産婦人科での治療を受けることが中心の対策になりますが、特に機能性過少月経の場合は、生活習慣の乱れやストレス、無理なダイエットなどが引き金となっているケースもあります。
量が少ないことが気になる場合は、婦人科・産婦人科を受診するのと同時に、生活習慣を振り返ることも大切です。
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2016年9月13日
最終監修日:2022年2月28日
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