生理は終わりかけ。それなのにまだ続く不快な症状の原因は?

生理前にイライラや頭痛、腹痛、眠気が起こる月経前症候群(PMS)や、生理が始まってから腹部の痛みが強まり、日常生活に支障をきたす月経困難症など、生理にはいろいろなトラブルがつきまとうものです。
生理も終わりかけの頃になればラクになるはず……と思いがちですが、意外に長引いてしまうことも。今回はその原因を探ってみます。

下腹部が痛くなったり、ひどい眠気に襲われたり、ワケもなくイライラしたり……生理前や生理中は、カラダにもココロにもさまざまな症状が表れます。

その多くが、生理前の月経前症候群(PMS)や、生理が始まってから症状が出る月経困難症といわれるもの。症状が重くなると外出さえ難しくなるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

また、生理が終わりかけの時期になれば症状が軽くなるはずですが、不快感がダラダラと続くことも。生理が終わりかけの時期に見られるトラブル、その背景には思いがけない症状が潜んでいるかもしれません。

 

生理が終わりかけの頃の痛みは血流の悪さから

生理が始まってから起こる腹痛、腰痛などの症状や痛みの感じ方は個人差が大きく、ほとんど何も感じない人から、痛み止めの薬が手離せないという人までさまざま。

主に生理期前半に見られるのが、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという物質が原因となり子宮の筋肉が収縮することで起こる痛み。これは経血を排出するために起こるもので、機能性月経困難症といわれるものです。

これに対して、生理期間の後半になって下腹部の痛みや腰痛、冷えなどの不快感が現れることがあります。これは子宮や骨盤周りの血の巡りが悪くなっていることから起こるもの。ストレッチをしたり腹巻をしたりするなどして、下腹部の冷えを取り血の巡りを良くすると改善する場合があります。

いずれの場合も、痛みが強い時は我慢せず痛み止めを服薬することで楽になることもあります。

このように、生理が終わりかけの時期の痛みは血行不良が原因と考えられますが、中には子宮などに異常があって痛みを感じるケースもあります。

また、生理の終わりかけだと思い込んでいたら、全く別の理由から出血などの症状が起こることも。

次にそんなケースを取り上げてみます。

 

生理の終わりかけでも出血が続くのは過長月経

一般的には、生理の期間は37日間で、生理が始まった日から3日目ぐらいに出血量のピークを迎えるとされます。生理期間の前後にも出血が見られることがありますが、少量なら心配しなくてもいいでしょう。

気を付けなくてはいけないのが、同じ程度の出血が8日以上見られる場合です。これは生理期間が長い「過長月経」といわれています。

ナプキンを2枚重ねても経血がモレてしまう、昼用ナプキンが1時間もたない、レバーのような大きめの血の塊が出る、昼間でも夜用のナプキンが手離せないという場合は過多月経の可能性があり、子宮の疾患が隠れていることがあります。

考えられるのは、子宮の良性の腫瘍である子宮筋腫、子宮内膜組織が子宮筋層に入り込んでしまう子宮腺筋症など。気になる場合は早めに婦人科・産婦人科を受診するといいでしょう。

また、過多月経は出血が多いため貧血になることも。めまいを感じる、疲れやすいといった自覚症状があるなら、過多月経による貧血が原因かもしれません。鉄分の多いものを摂取するなど、食生活にも気を配りましょう。

 

生理終わりかけの頃の茶色いおりものの原因は?

生理が終わりかけの頃から、茶色く色づいたおりものが何日も続くことがあります。これは生理以外の出血が原因の「不正出血」により、おりものに色が付いたことが考えられます。

不正出血の一つは、子宮や膣などの病気が原因となって起こる「器質性出血」です。子宮頸管ポリープや子宮膣部びらんの症状があると、性交時などの刺激をきっかけに出血することがあります。子宮筋腫、子宮頸ガン、子宮体ガンなどが疑われる場合もあります。

もうひとつが、ホルモンバランスの乱れが原因となって起こる「機能性出血」で、生理の周期が不安定になってしまう卵巣機能不全などがあります。

いずれにしても、生理とは直接関係のない出血の可能性もあるので、気になる場合は早めに受診するといいでしょう。

 

生理終わりかけの状態が続く?少量の出血は無排卵の可能性が

ダラダラと2週間ぐらい少量の出血が見られる場合は、無排卵性月経が疑われます。

これは精神的ストレスや極度のダイエット、不規則な生活などが原因で、女性ホルモンのバランスが崩れることから起こるもの。出血=生理と思い込んでいて、無排卵に気付かないここともあるので、特に妊娠を望んでいる人は気を付けたいものです。

無排卵かどうかを見極めるには、基礎体温を測るのがベストです。

生理がはじまって約2週間は低温期、その後排卵があると約2週間の高温期が続くので、低温期がずっと続いている場合、無排卵の可能性があります。婦人科・産婦人科を受診すると、排卵を促すために、漢方薬、排卵誘発剤などによる治療が行われることがあります。

このように、生理が終わりかけの時期にも、さまざまなトラブルが起こるものです。症状は個人差が大きく、またその原因もさまざまなものがあります。気になる症状がある人は、自分で勝手に判断することなく、専門の医療施設を受診することをおすすめします。

 

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

初回公開日:2016825
最終監修日:2022228

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