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【妊娠20週目】体重増加や妊娠高血圧症候群に気をつけよう
赤ちゃんの成長と羊水が増えることで、ぐっとお腹が大きくなり体重も増え始める妊娠20週。母子を危険にさらす「妊娠高血圧症候群」に気をつけはじめたい時期でもあります。食生活や生活週間の見直しを行い、残り半分となった妊婦生活を過ごす準備を整えましょう。
妊娠20週目。いよいよ妊娠6ヶ月に突入です。子宮も妊娠していないときと比べて3倍の大きさに膨らみ、ママのお腹はどんどん大きくなってきます。
赤ちゃんが大きくなり羊水も増えることで、一気にお腹に重みを感じるようになるこの時期。体重管理と栄養バランスに気をつけることで、母子ともに健康な状態を保てるよう心がけたい時期です。
妊娠20週のママの状態
赤ちゃんの成長やママのカラダの変化、食欲がアップすることで、急激に体重が増えやすいこの時期。
検診の際に「体重が増えすぎです」と医師に注意されることのないよう、普段の生活にも適度な運動やカロリーを考えた食生活を取り入れていきましょう。
運動する習慣をつけよう
食欲がアップして体重が増えやすい時期なので、運動する習慣をつけるようにしましょう。ここからお腹がさらに大きくなるにつれ、カラダを動かすのが大変になってきます。
今の段階からカラダを慣らしておくことで、今後も無理なく運動を続けられるようになります。
妊婦さん用のマタニティースイミング、マタニティーヨガやマタニティービクスに参加すれば、同じ妊婦という環境の仲間と知り合いになって、情報交換ができるというメリットもあります。
もし無理なく通える距離にこういったクラスがある場合は、ぜひ見学してみましょう。
お口の中もチェック
妊娠中は歯周病になりやすかったり、虫歯ができやすくなったりします。体調がよい時に歯医者を訪れ、オーラルチェックを受けておくと安心です。
また、こまめに歯磨きをするように心がける、虫歯になりやすい食材を避けるなども大切です。妊婦さんに不足しがちなカルシウムが豊富な食材も毎日の生活に意図的に取り入れていきましょう。
運転するママは注意が必要
普段から車に乗っているママ。気分も体調も安定してきたことで、外出も気軽にできるようになる時期ですが、シートベルトのつけ方に注意するようにしましょう。
お腹を締めつけると具合が悪くなる人もいますが、シートベルトはママと赤ちゃんを安全に守ってくれる大切なもの。妊婦用補助シートベルトなどを活用して、安全運転を心がけることが大切です。
自転車に乗っているママも、バランスを取るのが難しくなるこの時期くらいから、乗車を控えめに。今まで問題なく乗れていても、ついぐらっとして転倒しやすくなってしまいがちです。
妊娠20週の胎児の状態
羊水が増えることにより、この時期の赤ちゃんはますます元気に動き回るようになります。五感も発達し、睡眠のリズムができてくるのもこのころ。赤ちゃんが寝ている時はママもゆっくり過ごすなど、協力してあげましょう。
エコーで赤ちゃんを見てみると……
赤ちゃんの体重は230〜390g程度まで増え、体調も17cm〜25cmとぐんぐん伸びてきます。髪の毛や産毛も生え、筋肉や骨もしっかりと発達しているのがわかるようになります。
顔立ちがだいぶはっきりしてくるので、3Dや4Dのエコーで見ると「あ、ママ似だな」「うわっ、パパにそっくり」など、生まれてくる時の赤ちゃんの顔が想像しやすくなるかもしれませんね。
いつもと違う胎動はしゃっくりかも?
妊娠20週目頃の赤ちゃんは、ママのお腹の中でしゃっくりをよくするようになります。お腹の中で赤ちゃんがしゃっくりをすると、ママのお腹は痙攣しているかのように「ピクッ」とします。
これが一定期間継続するので、初めてしゃっくりを体験するママは「大丈夫かな?」と不安になるかもしれません。
しかし基本的に、お腹の赤ちゃんのしゃっくりは害がないものだと考えられています。赤ちゃんによっては数十分続くこともあるようですが、あまり心配せずに今だけの経験を楽しみましょう。
五感がさらに発達
妊娠20週目の赤ちゃんは脳や神経が発達することで、触覚や聴覚がこれまで以上に研ぎ澄まされてきます。
外の声に反応するようになるので、ママがストレスを感じたり大きな声で怒ったりすると、お腹の赤ちゃんも驚いてしまうかも。優しい声で話しかけてあげたり、ママの好きな音楽を聴いて一緒にリラックスしたりしましょう。
妊娠20週にやっておきたいこと・気をつけたいこと
胎盤もしっかりできあがり、赤ちゃんに大切な栄養分を送るためママの血管はフル稼働を始めます。悪化すると母子ともに危険性が上がる「妊娠高血圧症候群」にならないように、気をつけ始めたい時期でもあります。
また、お腹が大きくなることで、姿勢も悪くなりがちなので要注意。前に倒れたり腰痛の悪化が起きたりしないように普段から気をつけていきましょう。
気をつけたい妊娠高血圧症候群
妊娠中期のママが気をつけたいのが「妊娠高血圧症候群」。高血圧が見られたり、蛋白尿といった症状のほかに、赤ちゃんの発育にも影響が出る場合もあります。重度になると入院や薬物療法が必要になるケースも。
初産婦さんや35歳以上の高齢妊娠、BMI値が25以上の妊婦さん、妊娠初期より血圧がやや高めの妊婦さんなどは、妊娠高血圧症候群にかかりやすいのではないかという研究も進んでいるそうなので、あてはまる人は注意しておきたいものです。
また、妊娠中の急激な体重増加も妊娠高血圧症候群の原因となるようです。妊娠高血圧症候群は重症化すると痙攣(子癇)や胎盤がはがれたり(常位胎盤早期剥離)することもあり、ママや赤ちゃんの命に関わる病気を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
食事の際に塩分やカロリーを意識するほか、ストレスをためすぎないようにしましょう。また、適度な運動を取りながら睡眠をしっかり取り、むくみや頭痛、めまいやだるさなど、気になる症状が出てきたら医師に相談するようにしましょう。
食生活の注意ポイント
妊娠高血圧症候群や体重の急激な増加への対策として、毎日の食生活を見直してみましょう。塩分のとりすぎ、揚げ物が多い、スイーツやスナックを間食として頻繁に食べている場合は、フルーツや野菜、良質なたんぱく質を中心とした食事を増やしてあげましょう。もちろん食事を制限しすぎることもストレスにつながってしまうのでよくありません。食べすぎた日は散歩の時間を長くしたり、ストレッチの時間を長くしたりするなど、ほかのことで調節してバランスをとるようにしましょう。
妊娠中の姿勢
大きくなったお腹を負担なく支えるために、背筋を伸ばすことを意識して、まっすぐ立つようにしましょう。前かがみになったり、姿勢が悪かったりすると、腰痛だけでなく血行の悪化や肩こりの原因にもなってしまいます。長時間座っている必要がある場合も、お腹への負担が大きくならないようあげましょう。
腰痛対策として、1日に3回ほどストレッチを行うようにすると効果的です。簡単にできるストレッチには:
- 床に寝転んで両足を揃えて膝を立てる。腰をゆっくり左右に倒す運動を数セット繰り返す。
- 床に四つん這いになり、背中を軽くそらして5秒ほどキープ。次に背中を丸めて5秒ほどキープを数セット繰り返す。
などがあります。ただしお腹に圧力をかけるのは禁物なので無理をしすぎないようにし、お腹に痛みや張りを感じたらすぐに止めて休むようにしましょう。
また、お腹が大きくなってくるこの時期は足元が見えにくくなるので、階段やちょっとした段差にも気をつけて。どんな姿勢のときでも「少し疲れてきたな」と感じたら、休憩をとって姿勢を正すように心がけましょう。
まとめ
大きなお腹が普段の生活でも気になりはじめる、妊娠20週目。体重管理に気を配りながらしっかりと栄養をとるように心がけ、ママのカラダの健康を維持しましょう。
お腹の赤ちゃんを守るためにも、バランスのよい食事と適度な運動、規則正しい生活を心がけ、妊娠高血圧症候群にならないよう注意することも大切です。
お腹の中で成長を続ける赤ちゃんとの時間を楽しみながら、妊娠生活残り半分を元気に過ごせるよう準備していきましょう。
<監修>
日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法 Aコースインストラクター
日本産婦人科学会 専門医
札幌医科大学産婦人科 高田さくら
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