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低用量ピルの服薬を考えている人は必見!自分に合ったピルってどうやってわかるの?
日本の法律(薬機法/旧:薬事法)で認可されている低用量ピルは11種類あります。ピルは処方医薬品(医師の処方箋を必要とし、薬剤師による調剤によって処方される医薬品)になるため、病院・クリニックを受診したのち、だされたピルを飲み始めることが一般的です。事前に知っておくと、渡されたピルに不安を持つことも少なく、また気になることがあれば医師にも質問しやすくなるのでオススメです。
国内で処方されているピル11種類の違いはなに?
現在、日本で処方される代表的なピルは11種類。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンを合成してできた錠剤である、という基本的なしくみは共通していますが、処方目的、錠剤ごとに含まれているホルモンの量、服薬方法による違いがあるため、医師があなたの状態を見極めて適したピルを処方してくれます。
まずは目的から。服薬する目的によって変わるピルのタイプとは?
最初の選択として、処方目的に応じて「OCか?LEPか?」という選択が必要になります。
こちらの違いは保険が適用されるかどうかが変わってくるので、きちんと覚えておきましょう。
・OC:Oral contraceptive(経口避妊薬)
主に避妊目的の場合に処方されるピル。治療を目的としないため、保険適用外となり、自費支払いとなります。
・LEP: Low dose estrogen-progestin(低用量エストロゲン―プロゲスチン)
主に、月経困難症や子宮内膜症などと診断された時に、治療を目的として処方されるピル。
こちらは、治療目的のため保険が適用されます。
OCもLEPも含有成分は大きく変わらないため、「排卵を抑える」という効果から期待できる改善などはほぼ同じです。
ただし、OCを月経困難症緩和目的で服薬した場合には、副作用が起こっても医薬品副作用被害救済制度が使えないということがあるので注意が必要です。
ホルモン含有量の違い
OC/LEPはどちらも2種類のホルモンから構成されていますが、錠剤ごとに含まれるホルモンの量によって「一相性と三相性」という種類に分かれます。
・一相性
1シートにホルモン含有量がすべて同一の錠剤がはいっているもの。
全て同一の薬剤のため服薬する錠剤の順番を間違えても問題がおこらないメリットがあります。
なお、LEPはすべて一相性となります。
・三相性
1シートにホルモン含有量が異なる3種類の錠剤が入っているもの。
含有量の違い(変化)が自然なホルモンバランスに近く、体にやさしいとされています。
不正出血が起こりにくいという特徴があります。
服薬方法(休薬頻度)による違い
OCもLEPも4~7日間の休薬期間をおくと生理※1が来ます。
OCは、「28日周期投与」すなわち毎月1回休薬し、生理を来させる飲み方が一般的ですが、LEPは「28日周期投与」の他に「フレキシブル投与」「延長周期投与」「連続投与」といった、休薬の頻度を減らし一年間に来る生理の回数を減らす飲み方ができるものがあります。
※×は出血を表しています
「28日周期投与」以外の方法は、休薬の頻度が減ることにより、生理の頻度が減るので、生理痛などで困っている方には良い方法ですし、子宮内膜症やチョコレート嚢胞の再発のリスクを減らすというデータもあります。
ただし、予定しない時に不正出血が起きる可能性は高いのが欠点です。
一度であきらめないで!
自分に合うピルは医師に相談して見つけましょう!
これまでご紹介したとおり、ピルにはいくつかの種類があり、患者さんの目的や体質にあわせて医師から処方されます。ただし、合う合わないには個人差があるため、初めてピルを服薬された方などは、飲み始めてから自分に合う合わないに気づくことがあります。
万が一、自分には合わないと感じられる場合も、勝手にやめたり、自分にはピルは合わないと決めつけたりせず、必ず医師に相談し別のピルを試してみるなど、1種類のピルだけで諦めずに、自分にあったピルをじっくりと見つけていきましょう。
繰り返しますが、ピルは処方医薬品です。医師の診断・処方なしに服薬することは危険です。「お友達から譲ってもらって試しに飲んでみる」というのもやめましょう。
また、インターネットの普及により、海外の輸入品が簡単に手に入る時代。ネット上には日本未承認のピルを見かけることも少なくありません。しかし日本で承認がされていない以上、何かトラブルが起きたときに困ってしまうのはあなた自身。こうしたピルには絶対に手を出さず、かならず医師に相談のうえ、適正な診断のもと処方されたピルを服薬しましょう。
※1:厳密には、ピルを飲んでいない月に自然に起きる出血を「生理」、ピルなどの薬剤によってコントロールされた状態で起こる出血を「消退出血」と呼んで区別します。
この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医 甲賀 かをり先生
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