不妊治療の最新治療「PRP療法」ってどんな治療?

約5.5組に1組のカップルが「不妊」の問題を抱えているといわれている今、不妊治療を行っている方も増えてきています。
そんな中、治療をしてもなかなか妊娠に至らず悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな複数回治療をおこなっているのに妊娠できず悩みを抱える方を対象とした、最新の不妊治療についてご紹介します。

|PRP治療とは

PRP療法とは、自分の血液中の血小板に含まれる成長因子が持つ修復能力を利用し、人間に本来備わっている「治る力」を高めることでケガや病気の治癒を促す再生医療です。

私たちの血液は、血球(赤血球・白血球・血小板)と血漿で構成されています。血小板が放出する成長因子には、細胞増殖や血管の形成などに役立つものが数種類あります。それらが損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によってケガや病気を治療するのです。これ以上分化して別の組織になることがない血液中の血球成分を培養することなくそのまま使うため、安全性の高い再生治療だと言われています。

最近では、メジャーリーグへの移籍前にプロ野球選手の大谷翔平選手がPRP治療をしたというニュースが話題になりましたが、海外では、2000年頃からサッカー選手やメジャーリーガー、プロゴルファーのケガの治療などにPRP療法が使われていました。日本でも、それに数年遅れて、難治性皮膚潰瘍・褥瘡(床ずれ)・やけど・糖尿病疾患による壊疽・歯槽骨・歯肉の再生促進、整形外科分野の特にスポーツなどによる肘やひざの痛み、腱や筋肉の損傷への治療で使われており、新しい治療法として注目されています。

 

|難治性不妊に対するPRP療法とは?

血液から抽出した高濃度の血小板を子宮内に注入すると、子宮内膜が十分に厚くなることが期待できます。そのことにより、受精卵が着床しやすくなる可能性が高くなると考えられ、実際に着床障害で妊娠できなかった女性が妊娠に至っていることが確認できています。

▼専用の機械(遠心分離機)で血漿部分を抽出。この血小板をチューブで子宮内に注入する。

 

PRP療法は、不妊治療中で人工授精あるいは凍結胚移植を予定する女性患者を対象としており、希望者は誰でも治療可能ですが、複数回の治療不成功者が主な対象者となります。

 

 

|治療のスケジュール

月経周期(月経が始まった日が1日目)の10日目、12日目にPRPを子宮内に注入します。

 (12日目の2回目は希望で省略することができます)

 

  • 月経周期の14日目に子宮内膜の厚さを経腟エコーで測定します

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  • 月経周期の14日目から16日目頃に人工授精を行います

 (人工授精をおこなった場合、胚移植は行いません)

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  • 月経周期の17日目から19日目頃に胚移植を行います

 (胚移植をおこなった場合、人工授精は行いません)

 

|PRP療法はどこで受けられる?

2019年3月より、山王病院においてPRP療法の自由診療がはじまりました。

日本には再生医療法があり治療できる期間は限られます。ですが、今後山王病院以外の医療施設にも拡大していく見込みです。

子宮内膜が厚くなりにくくて悩んでいる方は、1つの選択肢として検討してみてもよいかもしれません。

 

▼山王病院PRP療法のお問い合わせはこちら
https://www.sannoclc.or.jp/hospital/info/important/2019/03/15/2204/

▼婦人科PRP療法のFAQ、および全国の対応施設に関するお問い合わせはこちら
https://ogprp.org/患者様へ/

 

【引用元】

山王病院ホームページ:
https://www.sannoclc.or.jp/hospital/patient/department/repro/specialty.html#prp

産婦人科PRP研究会ホームページ
https://ogprp.org/

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この記事のキュレーター

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