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つらさは軽減できる!更年期の過ごし方と治療法
更年期障害はカラダの変化・ココロの変化など、さまざまな原因が絡み合って発症するものです。
医学的な治療でその症状を軽減することができますし、日々の過ごし方次第で症状を緩和させることも可能です。つらい更年期障害を乗り切る方法を知っておきましょう。
いつから更年期障害が始まる?
更年期障害は、一般的に閉経を迎える約50歳の前後各5年間程度の間に発症します。
腰痛やほてり・のぼせ・発汗(ホットフラッシュ)、手足のしびれ、肩こり、頭痛といったさまざまな症状が見られます。
原因は、卵巣機能の衰えによるエストロゲン(卵胞ホルモン)の急激な減少。そして、それに伴う脳の混乱です。
更年期障害かな?と思ったらまずは病院へ
更年期障害は病院で治療を受けることができます。
つらい更年期障害の症状が出たら我慢せず、すぐに婦人科をはじめとした専門のお医者さんにかかることを考えましょう。
また、更年期障害と思っていたら、ガンや生活習慣病だった、または精神的な病気だったということもあります。
そのためにも、体調の変化を感じたらまずは病院で診てもらうようにしましょう。
更年期障害に効く薬や治療法はあるの?
更年期障害だった場合、担当医と相談の上、複数の選択肢から治療法を選ぶことができます。
● 薬物療法
・ ホルモン補充療法(HRT)
のぼせ、ほてり、発汗といった血管運動神経症状がある場合には、ホルモン補充療法(HRT)がよく効きます。そのほか、膣が乾燥するなどといった症状にも効果があります。
一般的にはエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤を使用します。
その場合、子宮がある人なら子宮体がんを予防するためのプロゲステロン(黄体ホルモン)製剤も必ず併用します。
ホルモン補充療法の副作用として、乳房の張りやおりものの増加などがありますが、次第に治まってきます。
エストロゲン製剤には飲み薬だけでなく貼り薬、ジェルもあります。
病気により、子宮を摘出している場合にはエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤のみ使用します。
ホルモン補充療法を受ける場合は、乳がん検診を受ける必要があります。
乳がんを発症している、脳卒中になったことがある人など、この療法を受けることができない人もいます。
・ 自律神経調整剤
めまい、疲労感、頭痛など自律神経失調症状に使用します。
・ 睡眠薬・精神安定剤・抗うつ薬
症状に応じて使用します。
・ 漢方薬
強い薬を使うのは怖いという場合、漢方薬の服用を選択することもできます。
ただし、漢方薬にも副作用はあるので、体質や症状に適した漢方薬を選択することが大切です。
一般的には、当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などが用いられます。
・ カウンセリング・心理療法
更年期障害は精神的要素に大きく左右されるので、カウンセリングや心理療法が必要となる場合があります。
安定した更年期を迎えるためには
更年期は、女性なら誰しもが迎えるものです。
女性の更年期は、子どもの受験や独立、親の介護、自分の老化の自覚、夫婦問題の深刻化といったライフイベントが一気に起こる時期でもあります。
こういった非常にストレスフルな日々を過ごす中でホルモンバランスが崩れることで、カラダとココロにさまざまな不調が出ます。
そのため、新しい目標を立ててそれに打ち込む、趣味を楽しむ、気の合う人と旅行して気分転換を図るなどが更年期障害の緩和に大きな効果を持つこともあります。
更年期に限ったことではありませんが、十分な睡眠、バランスのよい食事、適度な運動を心がけましょう。
アルコールは一時的に気分がよくなっても、徐々に酒量が増えていって依存症になってしまうこともあります。
男性に比べ女性はアルコール依存症になりやすいので、過度の飲酒は控えるようにしましょう。
更年期障害は、生理同様に始まる時期も症状や重さも人それぞれ。
同年代のお友達に相談してみるだけでも、気分が少し軽くなるかもしれません。身近に相談できる人を持ち、更年期の不調を上手に乗り越えたいものですね。
★今回のポイント★
・更年期障害の薬物療法には、ホルモン補充療法や自律神経調整剤など複数の方法がある
・カウンセリングや心理療法で症状が改善することもある
・適度な睡眠、運動、食事を心がけるだけでも症状の緩和につながることも
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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