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朝が弱いのは低血圧のせいじゃない!?女性に多い低血圧の症状、原因、対策を知ろう
やる気はあるのにすぐに疲れてしまう、全身がだるい、立ちくらみがする…そんな症状に悩まされている人は、低血圧かもしれません。女性に多いといわれる低血圧は、どうしたら改善できるのでしょうか?低血圧の症状やタイプ、セルフケアの方法などについて解説していきます。
低血圧ってどういう状態?
血圧とは、心臓から全身に送り出される血液の圧力のことです。
この圧力が高いのが高血圧、低いのが低血圧です。
よく高血圧が問題にされるのは、血液の圧力により血管に負担がかかり、動脈硬化などの病気の引き金になってしまうから。
これに対して、低血圧は血管への負担もなく、すぐに命に関わるものではないことから、あまり重視されない傾向にあります。
実際、低血圧であっても特にカラダの不調を感じない人もいますが、困るのは、めまいや立ちくらみといったさまざまなつらい症状に悩まされ、日常生活に支障をきたしている場合です。
WHO(世界保健機関)では、収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60 mmHg以下の場合を、低血圧としています。
低血圧の症状
そもそも血圧が低いということは、カラダのすみずみまで血液を送り届ける力が弱いことを意味します。そのため、さまざまな症状に悩まされます。
個人差はありますが、多いのはめまいや立ちくらみ。ほか、カラダがだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、動悸、胸の痛みや胸部の圧迫感、失神発作などがあります。
低血圧にもさまざまなタイプがある
(1) 本態性低血圧
低血圧の大多数を占めるのが、このタイプです。何か原因となる病気があるわけでもなく、慢性的に血圧が低い状態です。やせ型で顔色が青白く、冷え性など虚弱体質の人に多いといわれています。
(2) 症候性低血圧
病気や薬といった原因がはっきりしているのがこのタイプです。大きな怪我による大量出血、心臓など循環器系の病気、胃腸の病気による栄養不良などが原因として挙げられます。薬の副作用によって引き起こされるものもあります。
(3) 起立性低血圧
急に立ち上がったときなどに血圧が一気に下がり、立ちくらみなどを引き起こすものです。原因は下半身にたまった血液が、心臓に戻りにくくなるため。低血圧ではない人にもみられます。
朝が苦手なのは低血圧のせいってホント?
よく「低血圧で朝が弱い」と言いますが本当なのでしょうか。
そもそも、寝起きの悪さには自律神経が関係しています。
寝ている時は副交感神経が優位に働き、朝になると交感神経へとスイッチが切り替わって血圧も上がり、一日が始まります。
寝起きがすっきりしないのは、このスイッチがうまく切り替わらないため。
その結果、血圧が上がらないのです。
また、睡眠の乱れが影響している可能性もあります。
例えば、寝る前にパソコンやスマホを長時間使用していると、交感神経が刺激され、眠りの質が低下します。
朝の不調は、低血圧が原因ではなく、生活習慣による影響も大きいと言えるでしょう。
低血圧を治すために大切なセルフメディケーション
まず、原因がはっきりしている症候性低血圧は、その病気の治療がそのまま低血圧の改善につながります。
一方、原因がわからない本態性低血圧は、基本的には生活を見直すことで、症状の改善が期待できます。
あまりにも症状がつらい場合には、医師に相談してみてください。
以下、セルフケアのポイントをご説明します。
● 規則正しい生活を
十分な睡眠をとって、早寝早起きを心がけ、規則正しい生活を送るようにしましょう。1日の活動にそなえて正常に血圧を上げるためには、朝は早めに起きて、しっかりと朝食をとることも大切です。
● 食事を見直そう
低血圧の人は、カラダがだるく食欲が出ないなどの理由から、栄養バランスも乱れがち。タンパク質をしっかり摂取すること、野菜や海藻類などで不足しがちなビタミン・ミネラルを補うことが大切です。適度な塩分摂取も重要です。ただし、摂り過ぎてはいけません。
● 運動で血流を促す
低血圧では血液の循環が悪くなりがち。ウォーキングなどの運動は、第二の心臓といわれるふくらはぎの筋肉を鍛えることになりますので、できるだけ日頃からカラダを動かすようにしましょう。
★今回のポイント★
・低血圧は、原因がわからない本態性低血圧が大多数
・病気が原因である場合には、まずは病気の治療を
・日常生活を見直すことで、改善が期待できる
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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