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重い生理痛は子宮内膜症のサインかも。気になる症状をチェック!
子宮内膜症に悩む女性は増加傾向にあり、昭和40年代と比べると約3倍近くにも増えているといわれています。
重要化を防ぐための最大のカギは、早期からの適切な治療。
まずは、子宮内膜症の症状を知ることから始めましょう。
子宮内膜症とは
子宮の内側は、子宮内膜という膜でおおわれています。それは、いわば赤ちゃんが育つためのベッド。
妊娠に備えるために周期的に分厚くなり、妊娠しなかった場合には、子宮からはがれ落ちて外へと排出されます。これが生理です。
子宮内膜症とは、本来は子宮の内腔にあるはずの子宮内膜の組織が、子宮以外の場所にできてしまう病気。
通常の子宮内膜と同じように周期的な増殖と剥離を繰り返しますが、子宮外の子宮内膜には出口がありません。
そのため、体内に溜まった古い子宮内膜が炎症を起こしたり、まわりの組織と癒着したりして、痛みを中心としたつらい症状を引き起こすのです。
子宮内膜症が起こる場所はさまざまで、卵巣の中にできて血液がたまってしまうケース(チョコレートのう胞)のほか、ダグラス窩(子宮と直腸のあいだ)、S状結腸、直腸、仙骨子宮靭帯(子宮を支える靭帯)、膣、外陰部、膀胱、へそなどが挙げられます。まれに子宮から離れた場所にできることもあり、横隔膜や肺にできると気胸や血痰を引き起こすこともあります。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症に特徴的な症状は、「痛み」と「不妊」です。
痛みの程度は人によりさまざまですが、子宮内膜症を患っている人のうち約9割に重い生理痛がみられるといわれています。病気が進行するにつれて、生理痛も徐々に強くなっていきます。
ほかにも、生理期間中の腰痛、排便時の痛みが起こることがあります。進行すると、これらの症状が生理のとき以外にも現れるようになります。
また、ダグラス窩や仙骨子宮靭帯に病巣がある場合には、セックスの時に痛みが生じることも少なくありません。
原因不明の不妊症のうち半数以上は子宮内膜症によるものともいわれ、「赤ちゃんがなかなかできずに病院へ行ったら子宮内膜症が発見された」というケースも稀ではありません。
ただし、早めに適切な治療を受けることによって、多くの場合は子宮内膜症であっても妊娠することができます。これが、早期発見、早期治療が大切とされる理由です。
さらには、子宮内膜症の中でも卵巣に血液がたまるタイプ(チョコレートのう胞)の場合には、卵巣がんへと変化するリスクが加齢とともに高くなることが指摘されています。
子宮内膜症自体は良性腫瘍ですが、決してあなどれない病気。思い当たる症状がある場合には、早めに婦人科を受診しましょう。
子宮内膜症のセルフチェック
子宮内膜症は、生理を繰り返すごとに進行していきます。
診断の遅れは重症化につながりますので、下記の自覚症状があるかセルフチェックをしてみましょう。
□ 鎮痛剤を使わなければならないほど生理痛が強い
□ 以前よりも生理痛が強くなってきている
□ 生理のとき以外にも痛みがある
□ 排便のとき、肛門の奥のほうに痛みを感じる
□ セックスのときに痛みがある
□ なかなか妊娠しない
当てはまる項目が複数ある場合には、要注意。子宮内膜症が進行している可能性があります。
また、該当数は少なくても、生理やセックスの際に痛みがある場合には子宮内膜症もしくは他の原因が隠れているかもしれません。
セルフチェックはあくまで目安と考え、少しでも異常を感じているようなら、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
★今回のポイント★
・子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまう病気
・問題となる代表的な症状は、痛みと不妊
・重症化予防には、早期発見・早期治療が重要
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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