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「更年期」とは違う!?20代~30代に起こる「プチ更年期」って?
20代~30代なのに、のぼせたりほてったりするような症状が出てしまうことはありませんか?
もう更年期に入ってしまうのかなと不安を感じる人もいるかもしれません。これらの症状は「プチ更年期」と呼ばれることもありますが、いわゆる更年期障害とは別物。
プチ更年期と更年期について、正しい知識を得て症状改善につなげましょう。
更年期(45歳~55歳)の女性が感じるカラダの不調で、日常生活に支障をきたしてしまうほどの状態を更年期障害といいます。
代表的な症状のひとつが暑くもないのにのぼせたりほてったり、急に顔が真っ赤になったりする「ホットフラッシュ」です。
ホットフラッシュは突然起こり、汗がたくさん出ることもあります。更年期の比較的早い時期に感じることが多く、上半身に起こりやすいのが特徴です。
なぜ更年期障害になるの?
女性ホルモンは、脳と卵巣が連携することで正しく分泌されます。
脳の視床下部・下垂体からの「女性ホルモンを分泌せよ」という指令を受け、卵巣から女性ホルモンが分泌されているのです。また、体内の女性ホルモン量が脳にフィードバックされることで適量を保っているのです。
しかし、更年期になると卵巣の老化により、その指令に応えることができなくなります。
そうなると、体内の女性ホルモン量は減少。「指令を出しているのにホルモンが分泌されていない!?どうして?」と脳がパニックを起こし、ホルモンや自律神経のバランスが崩れるのです。
自律神経のバランスが崩れると体温調節や血管の収縮・拡張がうまくいかなくなって、のぼせやほてりが起きます。
また、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)には汗腺の調節機能もあります。エストロゲンの減少で汗腺の調節機能がうまく働かなくなると、カラダを動かしていないのに汗が出てきたりすることがあります。
20代~30代に起こる「プチ更年期」って?
まだ20代~30代なのに、のぼせやほてり、発汗が起こる状態を「プチ更年期」と呼ぶことがあります。症状は更年期障害と似ていても、そのメカニズムは異なります。
● 更年期障害
脳の視床下部・下垂体が指令を出しても、卵巣の老化によってエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌できなくなった状態
● プチ更年期
ストレスや不規則な生活、睡眠不足、過度なダイエットなどによって視床下部がダメージを受けて、自律神経の働きが乱れた状態
更年期障害はホルモン補充療法や漢方薬などでの治療で症状が改善しますが、プチ更年期は自律神経を乱している原因を見つけて改善しないと、症状が慢性化してイライラや落ち込みなどココロの不調も招いてしまうことがあるので注意が必要です。
ただし、汗が出る以外に、動悸やふるえ、体重減少などの症状がある場合は、甲状腺機能亢進症の可能性があります。これらの症状がある場合は内科を受診するようにしましょう。
プチ更年期の症状を改善するには?
自律神経が乱れることで起こるプチ更年期。
つらい症状を改善するには、生活のリズムを整えて自律神経を正常に戻すことが大切です。
具体的には、なるべく決まった時間に食事をする、決まった時間に寝て起きるというように、食事と睡眠のリズムを乱さないように注意しましょう。
またオンとオフのメリハリをつけることもポイントです。
日中は仕事や勉強、家事などに集中する「オンタイム」として過ごしたら、夜はしっかりリラックスして「オフタイム」を楽しむというように、一日のうちでオンとオフのリズムを作るようにしましょう。
脳の視床下部はストレスに弱いため、ストレスによるダメージで自律神経の働きが乱れてしまいます。
映画やテレビを見て、思いっきり笑う・泣く、運動してスッキリするなど、自分なりに「こうすれば気持ちが楽になる」という方法を持つとよいでしょう。
★今回のポイント★
・更年期とプチ更年期の症状は似ているが、原因は異なる
・更年期の原因は、卵巣の老化
・プチ更年期の原因は、ホルモン分泌や自律神経を司る視床下部のダメージ
・自律神経を整える規則正しい生活と、ストレス解消を心掛けることが症状改善につながる
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
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