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妊娠前に受けておきたい予防接種 ~男性編~
女性たちの間で常識になりつつある「結婚・妊娠前の予防接種」。
実はこれ、男性も一緒に受けた方がいいものだということをご存知でしたか?
将来的に赤ちゃんを望む女性たちの間で、予防接種を受けることが常識になりつつあることを知っていますか?
実は、妊娠中の女性が感染症にかかってしまうと、お腹の中の赤ちゃんに悪影響を与えたり、最悪の場合は死産してしまったりすることもあるため、とても危険なのです。
本来、この予防接種は女性だけでなく、男性も受けることが望ましいもの。
今回は、結婚が決まった時に男性が予防接種を受けた方がいい理由などをご説明します。
男性が予防接種を受けた方がいい理由って?
実際に妊娠をするのは女性なのだから、男性は関係ないと思っている方もいるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです。
2013年に大都市圏を中心に風疹が流行し、話題になったことを覚えていませんか?
実は、このときの感染者の多くは20~40代の男性でした。
感染していても症状がでない「不顕性感染」が約15~30%と言われており、自覚症状がないままウイルスをまき散らしてしまっている場合があります。
2013年に風疹が流行した背景には、こういった要因もあったと考えられています。
妊婦が風疹を患った場合は、お腹の中の赤ちゃんが心臓の病気にかかったり、目や耳に障害が出たりする、先天性風疹症候群になってしまう危険性があります。そして、最悪の場合は流産してしまうことも……。
知らない間に風疹にかかり、奥さんやほかの妊婦さんにうつしてしまい、彼女たちのお腹の中の赤ちゃんに悪い影響を与えないためにも、男性も予防接種を受けることが大切です。
予防接種を受けたかどうかわからない人は「抗体検査」を!
予防接種は子どもの頃に受けた記憶があるけど、何の予防接種だったのかを覚えていないという人は、まずは「抗体検査」を受けましょう。
抗体検査とは、自分が病原体への抗体を持っているかどうかを調べる検査です。
検査方法はとても簡単で、血液検査でわかります。また、結果も5日ほどで出るので、気軽に受けられます。
抗体検査費用を助成している市区町村もあるので、医療施設へ行く前に住んでいる自治体のホームページなどで調べてみてください。
予防接種を受けた方がいい年齢
抗体検査を受ける前に知っておいてほしいことがあります。
実は、これまでに予防接種法の改定が何度か行われていて、予防接種を受けていない年齢の人がいるのです。
● 昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日生まれの男性
女子であれば中学生の時に風疹の集団予防接種が行われていましたが、男性には定期接種制度がなかったため、風疹の免疫がない人が多いといわれています。
●昭和54年4月2日〜昭和62年10月1日生まれの男性
男女ともに中学生の時に予防接種を受けることになっていましたが、医療施設での個別接種であったため接種率が低く、免疫を持たない人が多いといいます。
●昭和62年10月2日〜平成2年4月1日生まれの男性
予防接種を一度は受けているのですが、1回の予防接種では不十分なので2回目の予防接種を受けることが望ましいとされています。
どんな予防接種を受けたらいいの?
男性が受けておきたい予防接種は、「MRワクチン」です。
はしか(麻しん)と風疹が一度に予防できます。こちらも各市区町村で予防接種の助成をしている場合があるので、一度、調べてみてください。
大切なパートナーとの赤ちゃんが無事に生まれてこられるように、早めに風疹の予防接種を受けたいですね。
ちなみに、男性の場合は、女性と異なり、予防接種前後の避妊期間を設ける必要はありません。
★今回のポイント★
・お腹の中の赤ちゃんのために男性も予防接種を受けよう
・何の予防接種を受けたかわからない人は「抗体検査」を
・今、予防接種を受けるなら「MRワクチン」がオススメ
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2017年4月25日
最終監修日:2021年7月24日
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