更年期の対策(付き合い方)
更年期と上手に付き合っていくには
更年期と上手に付き合っていくためには、前のページで紹介したような投薬による治療は有益な選択肢ですが、加えてライフスタイルも意識してみるとより快適に過ごせるかもしれません。
睡眠・運動
更年期に限ったことではありませんが、規則正しい生活リズムを作り、十分な睡眠をとることで疲れをなるべく溜めないようにしましょう。 ウォーキングやストレッチなど、負担が少なく楽しく続けられる運動でリフレッシュすることも大切です。 膝などの関節、カラダの痛い部分に負担をかけないよう注意してください。
食事
更年期症状の改善には、食事も重要です。食生活がかたよると、自律神経が乱れる原因になるため、バランスの良い食事を心がけることが大事です。更年期の女性は、豆腐や納豆などの大豆製品を食事に取り入れることがおすすめです。大豆には、更年期で減少する女性ホルモンのエストロゲンと似た成分が入っています。そのため、大豆を摂取することや、「エクオール」が含まれるサプリメントの摂取により、更年期症状の緩和が期待できます。魚や乳製品などからカルシウムを積極的に摂取することも大事です。閉経により女性ホルモンが減少すると骨粗鬆症になりやすく 、転倒などによる骨折の要因となります。閉経後に向けて、骨を強くしましょう。 また、一般的に閉経後は悪玉コレステロール値が上昇するため、脂質の多い食事を摂りすぎない習慣をつけることも大切です。悪玉コレステロールの上昇は、動脈硬化などを引き起こす可能性があるため、注意しましょう。
ストレスをためずに心地よい環境づくりを
更年期は、家庭では夫や子供との関係、親の介護、自分の老化の自覚、経済的な変化など 様々なことが起こる時期でもあります。また仕事を持つ女性は、社会や職場の環境も影響してストレスが溜まりやすくなります。
こういった非常にストレスフルな日々を過ごす中でさらにホルモンバランスが崩れると、カラダとココロにさまざまな不調が出ます。 そのため、新しい目標を立ててそれに打ち込む、趣味を楽しむ、気の合う人と旅行して気分転換を図るなどが更年期症状の緩和に大きな効果を持つこともあります。
更年期症状は、月経同様に始まる時期も症状や重さも人それぞれです。身近な人に相談するだけでも気分が少し軽くなるかもしれません。なるべくストレスをためないようにし、更年期の不調を上手に乗り越えられるといいですね。気軽に相談できる「かかりつけ医」を見つけることも、心強い味方になるかもしれません。
この基礎知識の監修
婦人科専門医 松村 圭子 先生