更年期症状の原因
更年期に起こる不調は、なぜ起こる?
更年期症状の主な原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、自身が抱えている「ストレス」が大きな影響を与えていると考えられています。
卵胞ホルモンの分泌が低下すると
エストロゲンの急激な低下は、のぼせなどの自律神経失調症状を引き起こします。
人間のカラダの働きは、自分の意思でできることと自分の意思ではできないことに分けることができます。
「自分の意思ではできないこと」にはおもに以下2つの系統の働きがあります。
内分泌系
カラダを保つためにホルモンを分泌する
自律神経系
血管などの働きを保つ
この2つの働きはどちらも脳の視床下部という部分に中枢があり、お互い影響しあっています。 卵巣からのエストロゲン分泌が低下すると、脳がもっとホルモンを出すよう卵巣に対して指令を送り続けますが、卵巣の機能が低下しているためホルモンを出すことができません。そのため脳がパニックを起こして自律神経のバランスが乱れ、のぼせ、発汗、寒気、冷え症、動悸、息切れ、息苦しさ、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまいといった症状を引き起こします。
女性を取り巻く環境の変化も原因の一つ
更年期のさまざまな症状は、社会的・心理的なストレスにより発症することもあります。 症状に個人差があるのは、その人の性格・気質やおかれている環境に左右されるためであるとも言われています。 更年期は子どもの成長やそれに伴う育児ストレス、また、閉経を迎えることによる老化の自覚や女性としてのアイデンティティの喪失など、さまざまな問題、ストレスに直面する時期でもあります。 こういった環境の変化にホルモン低下によるカラダの不調が重なり、いろいろな症状を引き起こしてしまうことがあります。
この基礎知識の監修
婦人科専門医 松村 圭子 先生