高齢出産夫婦が避けたい、定年前後の「お金の4重苦」

同じ子育てファミリーでも、何歳で子どもを持ったのかによって、人生設計で気を付けるポイントはずいぶんと異なります。 若い夫婦に比べると、30代半ば以降に子どもを持った大人な夫婦は、経済的にわりと余裕があると思います。 お給料も20代のころに比べると高くなり、貯蓄もそれなりにできています。いい物悪いものを見極める目もできている人が多いですね。そんな大人な夫婦の子育ての注意点は、最高の子育てを追い求める傾向にあることです。

30代半ば以降に子どもを持った大人な夫婦

○ 年収が高く貯蓄がある
○ いい子育て情報がたくさん入る
× 子育てと定年退職がほぼ同時

ここでいう最高の子育てとは、幼児教育、私立の小中学校のお受験、英語やスポーツなどの習い事など、子どもが小さいころから多額の教育費をかけて取り組むことです。 先に子育てを経験してきた友人からたくさんのいい情報が入りますし、それを子どもに与えるだけの経済的な余裕もあると、かわいい子どもにたくさんのお金をかけてあげたくなるのが親心でしょう。 しかし、それが必ずしもいい選択とは言えないことも、知っておきましょう。

子どもが就職するときの家族の様子をイメージしてみる

子どもが就職するときの家族の様子をちょっとイメージしてください。 仮に38歳で子どもを持ったら、子どもが22歳で大学を卒業するときに自分は60歳になっています。子育てが終わったと思ったら、もうすぐ目の前に自分たちの老後が迫ることがわかりますね。

教育資金は中学、高校、大学と子どもが大きくなるほどかかってきますので、目の前の教育費に追われていると、自分たちの老後資金を貯める余裕がないまま老後に突入することになるのです。

それだけではありません。自分たちが60歳を迎えるころには、夫婦どちらかの親の介護を担っている可能性が高くなります。さらに、結婚年齢が遅い夫婦ですと、住宅購入時期もその分遅くなるので、住宅ローンの返済が定年後も続く人が多いのではないでしょうか?

定年に、子どもの教育費、親の介護、住宅ローンが重なり、4重苦となる可能性があるのです。

将来を見越して、マネープランをきちんと計画する

将来を見越して、いまからきちんとマネープランを立てておけば、怖がることはありません。かわいい子どもといつまでもいい関係でいるためには、お金のペース配分が重要になります。 目先の教育費をちょっとだけセーブして、将来の教育費準備と並行して自分たちの老後資金準備も始めておくと将来が安心です。

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この記事のキュレーター

ファイナンシャルプランナー・ハートマネー代表。子育て主婦、FP会社役員を経て、2010年より現職。個人相談、講演、書籍執筆等を通じてマネー・ライフプランの知識を普及している。「いちばんよくわかる!結婚一年生のお金」ほか著書多数。「人とお金を最大限に活用した私らしい暮らし」を研究すべく、2016年よりお茶の水女子大学大学院に在籍。


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