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ルールを守り、グループ活動もできるようになる5歳児
集団のルールに従って生活する中でさまざまなことを経験して覚えていき、自分を中心にして、空間や時間、力などを三次元で認識する力が付くのが5歳だといわれています。ケンカはまだまだするけれど、友だちがいる幼稚園・保育園が大好きになり、集団生活にも慣れてくる時期です。
縄跳びや跳び箱、山登りもできるように
5歳になると、「踏み切り」「空中での制御」「着地」といった3ステップの動きができるようになります。
そのため、縄とび、飛び箱、棒のぼり、鉄棒の逆上がりなどに挑戦しはじめ、できるようになります。
少し離れたところにいる相手とのキャッチボールや、お手玉が出来るようになり、「投げる」「受ける」運動をコントロールすることも可能になります。
また、体力がついて、大人と一緒に山登りをしたり、水泳などの少しハードな運動にも挑戦したりするようになります。
簡単にはできないことに挑戦することで、体力的にも精神的にも成長するのですね。
そして、経験や学習からニューロンの回路網が複雑に形成されはじめ、幼児語を使わないようになります。
大人との会話やテレビなどから生活に必要な単語を少しずつ覚えるのですが、この頃になると使える語彙数は約2000以上にもなると言われています。
そのため、言葉にニュアンスや力強さが加わり、会話が思考を支える手段になります。
この他にも、苗字と名前の違いがわかるようになったり、「一番好きな食べ物」「一番嫌いな食べ物」などの「一番」という言葉にこだわってみせたり、対比的な感情を表現できるようになります。
この時に、手をもじもじさせたり、動きながら答えたりすることもありますが、これは照れ隠しのため。しっかりしているように見えても、まだまだ子どもなのです。
グループで行動することで協調性アップ
幼稚園や保育園などでの集団生活に慣れてくると、落ち着きや協調性を持つようになります。仲のいい友達グループへの帰属意識も高まり、グループ活動にもイキイキと取り組むようになります。
また、自分やまわりの人間関係を多面的に見るようになり、「僕は〇〇だけど、あの子は△△だ」と自分の物差しに基づいた評価をしたり、友だちを応援したり、励ますこともできるようにもなります。
集団生活の中で与えられた役割を果たそうと努力することで自分に自信を持てるようになるほか、決められたルールを守りながら人間関係をうまく調整する力もつけていきます。
家庭での生活面では自立が進み、1人で起きたり、着替えができたり、トイレに行けたりと、ほとんどのことが自分1人でできるようになります。
そして、大人と話すときは大人の話し言葉を使ったり、赤ちゃんと接するときには幼児語を使ってみたりと、相手の立場によって言葉遣いを変えたり、違った対応をとれるようにもなります。
親が子どもの次のステップの道しるべに
この頃になると、子ども自身の考えが社会性のあるしっかりとしたものになってきます。
子どもの考えや気持ちを尊重し、信頼関係を育むことを念頭に置いて接するようにしましょう。
また、基本的な生活習慣はほぼできるようになっているため、次のステップに進めるよう、自分の物を自分で管理するよう促すといいでしょう。
例えば、幼稚園や保育園に遅刻しないために早く寝る、気温や天気に合わせて上着を着るようにするなど、これらを自分で判断して行動できるようにサポートしてあげましょう。
そして、自分のものと他人のものとを区別して、整理整頓もできるように、更なる成長の道しるべとなってあげてください。
パパもママも大忙しで、親子や夫婦の会話が少なくなりやすいことがあります。
子どもが健全に育つためには、「眠ること」「食べること」「遊ぶこと」「愛されること」のすべてが必要不可欠です。
子どもと目と目を合わせて会話するように意識しましょう。
★今回のポイント★
・大人と一緒に山登りや水泳などにも挑戦できるようになる
・幼児語を卒業して、話す言葉にニュアンスや力強さが加わる
・集団生活に慣れて、落ち着きや協調性を持つようになる
・ルールを守りながら人間関係をうまく調整できるようになる
この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生
初回公開日:2017年7月9日
最終監修日:2021年5月26日
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