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【妊娠0週〜3週目】妊娠超初期のカラダはどんな状態?着床のしくみとカラダの変化を知ろう
妊娠1ケ月目はママにとって「妊娠している」という自覚がない妊娠超初期。食生活や生活習慣を整えることで、妊娠しやすいカラダづくりを行い、ホルモン分泌や代謝を上げることで、卵子の受精や着床といった妊娠に欠かせない大切なステップを踏む時期です。
「今、何週目?」……妊娠をするとよく聞かれるフレーズですが、どうやって妊娠週数を数えるか知っていますか?
妊娠週は、最終生理開始日を0日として7日ごとに数えていきます。
妊娠1ケ月というのは、妊娠0週〜妊娠3週目までの計4週間のこと。
本人が「妊娠している」と自覚しないまま過ごすことの多い時期です。
今回は妊娠超初期とよばれるこの時期の、ママと赤ちゃんの状態について説明します。
妊娠1ケ月のママの状態
妊娠週を数え始めるのは「月経が始まった日」ということで、妊娠0週目は実はまだ妊娠が確立していない状態です。
妊娠1ケ月と呼ばれる0週〜3週の間は、排卵に始まり受精した卵が着床するまでの超初期段階。
妊娠検査薬や病院でも、妊娠したという確認が取りにくい時期です。
●0週〜1週目
一般的に排卵が起こるのは、月経が始まってから14日目前後。
つまり妊娠0週〜1週は、まだ排卵すら起こっていない女性も多く、「妊娠している」状態ではありません。
妊娠に関する自覚症状はありませんが、カラダが妊娠しやすい状態になっている期間です。
妊娠の確率を高めるためには、排卵日数日前に性交渉を行うと良いといわれているので、妊活中の夫婦はこのタイミングで挑戦してみましょう。
1回の排卵で卵巣を飛び出す卵子は、通常はたったの1つ。
その生存時間は約24時間と非常に短いので、卵子を受精させるためにはタイミングが非常に重要になります。
●2週目
排卵付近となるのが妊娠2週目のこの時期。基礎体温をつけている人は、排卵と共に低温期から高温期への移行が見られます。
卵巣から排卵された卵子は卵管の中で精子と出会い、受精に挑戦するタイミングです。
ただし、もし無事に受精しても妊娠はまだ確定していないので、妊娠の初期症状や超初期症状が出ることはありません。
●3週目
受精卵が着床することで妊娠が成立する時期ですが、妊娠検査薬での反応はまだ出ないことがほとんどです。
着床は一般的に、受精の7日〜10日後あたりを目安に起こります。
着床が成功することで妊娠が成立し、まれに眠気や熱っぽさなどの妊娠超初期症状を感じたり、着床によって起こる軽い出血や痛みを感じたりする人もいます。
妊娠1ケ月の赤ちゃんの状態
この時期の胎児は、1つの細胞から始まりどんどん変化を遂げていきます。
ここでは排卵から妊娠が成立に至るまでの過程を詳しく見てみましょう。
●0週〜1週目
この時期の赤ちゃんはまだ1つの細胞。
原始卵胞と呼ばれる生まれつき卵巣に蓄えていた細胞は約1年ほどかけて成熟卵胞という卵子を含んだ20㎜程の細胞に発育します。この成熟卵胞が、排卵を促す働きのあるホルモンの影響を受け破裂し、卵子が卵巣から飛び出て(排卵)、卵管に取り込まれることで、妊娠への最初のステップである受精の準備が整います。
●2週目
無事に卵子と精子が卵管の中で出会うと、「受精卵」が誕生します。
しかし女性の体内に入った精子の、実に99%は卵管に到達する前に死滅してしまうそう。2億〜4億程度の精子が性交渉によって女性の体内に入っても、子宮内に到達するのは約1〜2万、さらに卵管まで到達できるのはわずか200個程度だそうです。
この厳しい条件の中、無事に受精が成功して初めて、受精卵は細胞分裂を始めます。受精後1〜2日の間に卵割で2つの細胞に。その数日後には4回以上の細胞分裂を終え、受精卵は「桑実胚」になります。さらに日数が進むと胚盤胞になり、このように成長しながら卵管から子宮に向かって移動していきます。
●3週目
妊娠を成立させるのには「着床」と呼ばれるもう1つの大切なステップがあります。
女性のカラダは排卵後、プロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンが増加し、それによって子宮内膜が厚い状態が維持されます。これは子宮にやってきた胚盤胞が、無事に着床しやすい環境を作るためのプロセスです。
胚盤胞が子宮内に着床をする可能性はわずか20〜30%程度しかなく、卵子と精子が出会えば必ず妊娠するというわけではありません。
着床を終え妊娠が成立した胚盤胞はその大きさは0.1mm程度でまだ人のかたちはしていません。
妊娠1ケ月に気をつけること
妊娠1ケ月のママは「妊娠している」という自覚症状がほぼないため、日常生活で注意するべき点はないかもしれません。
しかし、妊娠したいな……と考えているならば、「妊娠しやすいカラダ作り」に意図的に取り組みたいもの。
食事・運動・生活習慣の3項目から、普段から意識しておきたいポイントを紹介します。
●食事
妊娠しやすいカラダになるためには、バランスのとれた食事が大切になります。
普段、インスタント食品や外食が多い人は、これを期に食生活の見直しを行ってみましょう。
妊娠しやすいカラダを作るためのポイント
●カラダが温まる食事:
妊娠にとって重要な役割を果たす女性ホルモンの分泌を活発にするためには、カラダを温め血行を良くする内容の食事がオススメです。
●良質のタンパク質:
細胞をつくるのに欠かせないタンパク質は、動物性と植物性のものをバランス良く摂取しましょう。動物性のタンパク質は脂身の少ないささみや魚を中心にしましょう。
●葉酸:
赤ちゃんのカラダや脳の発達に良いと言われる葉酸は、妊活を意識したらすぐに摂り始めたい栄養分です。
葉酸を多く含む食材にはアスパラ、ブロッコリー、ホウレン草などの野菜や、いちごやアボカドなどといったフルーツがあります。
また、妊娠初期の摂取に気をつけたい食事として、レバーがあります。
レバーには赤ちゃんの奇形の原因になり得るといわれる動物性のビタミンAが豊富に含まれています。
鉄分が豊富で貧血の対策には向いていますが、妊娠初期には過剰な摂取を控えるよう注意しましょう。
●運動
体内の血液循環を高める方法として、日頃からウォーキングやヨガなどの有酸素運動を行っておきましょう。
運動をすることでホルモンの分泌が良くなるだけでなく、血液の循環が良くなることで子宮や卵巣にもより多くの栄養が届くようになります。
また、運動を行うことで自律神経のバランスも整い、ストレス解消や良質の睡眠にもつながります。
無理をしない程度に、適度にカラダを動かすことを習慣づけることで、代謝を高めながらホルモン分泌を向上させ、妊娠に向いた体づくりをしておきましょう。
●生活習慣
普段喫煙の習慣がある人は、「妊娠したいな……」と意識したら、思い切ってやめましょう。
タバコの影響は、ママの血液を通じてお腹の赤ちゃんに届きます。
それにより早産や流産の引き金となる可能性や、出産した赤ちゃんが未熟児になることもあるので、ママはもちろん、タバコを吸っているパパにもその知識を与え、副流煙にも気をつけてもらいましょう。
日常的な飲酒、夜更かしをしすぎたり、ストレスを溜めすぎたりする傾向にある人も、ぜひ妊活の開始・妊娠を機に、そういった習慣の改善を心がけましょう。
まとめ
妊娠1ケ月目のママには「妊娠した」という自覚症状はほぼありません。
しかし妊娠を意識しはじめている、または妊娠の可能性があるならば、食生活や生活習慣を見直し、日ごろから体調管理に気を付けることが重要です。
喫煙をしている、お酒を多く飲む、不規則な生活をしがちといった生活習慣は、赤ちゃんに悪影響を与えてしまう可能性があります。
まずはこういった項目から進んで改善を行い、心身ともに健康な状態で妊娠できるようにコンディションを整え、お腹に赤ちゃんを迎える準備をしていきましょう。
⇒妊娠4週目、ママのカラダの変化や症状、赤ちゃんの状態が知りたい!
<監修>
日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法 Aコースインストラクター
日本産婦人科学会 専門医
札幌医科大学産婦人科 高田さくら
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