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【妊娠22週目】切迫早産のリスクも。お腹の痛みや張りに要注意!
ママの体調や赤ちゃんの様子は急に変わることがあります。起こり得るリスクをしっかり認識しておき、何かあった際にはすぐに病院に連絡できるようにしておきましょう。「安定期だから大丈夫」と安心している人もいるでしょうが、早産などのリスクを減らすためにも、決して無理をしないようにして過ごしてください。
妊娠6ヶ月の3週目である妊娠22週。ほとんどの人がはっきりと胎動を感じるようになります。お腹の中に赤ちゃんがいることを日々実感するでしょう。
また、妊娠22週を過ぎると、母体から出ても医療の力を借りれば生存できる可能性が高まるといわれています。「生育限界」の大きな区切りを超えた時期でもあるのです。
「安定期だから安心」と思っている人が多いかもしれませんが、無理をするのは禁物。早産や切迫早産にも注意が必要です。では、妊娠22週のママや胎児の状態、早産・切迫早産等について見ていきましょう。
妊娠22週のママの状態
赤ちゃんが成長して羊水の量も増えるため、以前よりもさらにママのお腹が大きくなってきます。多くの人が胎動を感じますが、同時にマイナートラブルに悩む人も増えてくるでしょう。
まずはママのカラダの変化についてご紹介します。
はっきりと胎動を感じるようになる
多くのママが、はっきりと胎動を実感できるようになります。羊水に浮きながら、お腹のなかで赤ちゃんは自由に動き回っているのです。
足の付け根、腰などに痛みが出る場合も
この時期になると、子宮は大人の頭よりも大きくなっています。お腹が大きくなるのに伴い、背中を反った姿勢になってしまう人も多いです。
その結果、腰痛に悩むケースや、足の付け根などに痛みが出るケースも。お腹を支えられるマタニティガードルを利用し、正しい姿勢で過ごすと改善しやすくなるでしょう。
手足のむくみが出たら指輪を外して
手足のむくみは特に妊娠後期にひどくなる人が多いですが、妊娠6ヶ月ごろからむくみはじめる人もいます。カラダを冷やさないこと、塩分を控えることを心掛けましょう。
今後よりいっそうむくみがひどくなってくると、「結婚指輪が抜けなくなる」といったトラブルが起きることもあります。血行が悪くなることもあるので、むくみを感じたら、早めに指輪を外しておいたほうがいいでしょう。
血液循環が悪くなると「静脈瘤」ができる?
子宮が大きくなって圧迫され、血液の循環が悪くなることで、「静脈瘤(じょうみゃくりゅう)」ができることもあります。ふくらはぎや膝の裏の血管が浮き出てくるのです。
なるべくゆったりした服装にすること、横になる際に足を高くすること、長時間の立ちっぱなしを避けることなどを心掛けましょう。
妊娠前と同じ動きができないことも
つわりが終わって体調がよくなった人が多いと思いますが、妊娠前と同様にしゃがんだり、急に動いたり、といったことができなくなることもあります。ゆったりした動きを心掛け、無理な動作はしないようにしましょう。
妊娠22週の赤ちゃんの状態
妊娠22週は、ちょうど「生育限界」のラインを超えたところでもあります。万が一赤ちゃんが母体の外に出てしまっても、生存できる可能性が高まる時期です。
これ以降は、どんな理由があっても人工妊娠中絶をすることが許されていないということもあり、ひとつの大きな区切りだといえるでしょう。
ただし、まだ赤ちゃんの体重は500g前後しかありません。実際にこの時期に生まれた場合、命が助かっても新生児医療を長期間受けることになります。
また、早く産まれれば産まれるほど、重い障がいが残る可能性が高まるのです。
では、そのほかの赤ちゃんのカラダの変化についてご紹介します。
顔やカラダが赤ちゃんらしく
骨や筋肉が急速に発達し、全体的にカラダ体が大きくなってきます。顔も赤ちゃんらしく整ってきて、超音波写真を見ながら「パパ似かな? ママ似かな?」といった話ができるかもしれません。
胎脂で覆われるようになる
妊娠6ヶ月頃からは、赤ちゃんのカラダは「胎脂(たいし)」と呼ばれるクリームのような脂肪で覆われるようになります。
胎脂は、生まれるときまで赤ちゃんの肌を守ってくれたり、産道をスムーズに通ることを助けてくれたりする役割を担ってくれます。また、「胎毛(たいもう)」と呼ばれる産毛もたくさん生えてきます。
聴力が発達
まだ完全ではありませんが、聴力も発達しています。お腹の外の音は大きい音でなければ聴こえないといわれていますが、ママの声を感じることはできるのです。胎動に合わせて優しく呼びかけてあげるといいでしょう。
羊水のほとんどは胎児の尿
赤ちゃんは、お腹の中で羊水を飲み込み、そして尿を出します。妊娠中期であるこの頃になると、実は羊水のほとんどは赤ちゃんの尿になっているのです。
とはいっても、羊水のなかに老廃物は排出されていないので、汚くはありません。羊水を飲み込んで排出することで、腎臓の発達につながるほか、肺にも取り込んでいるため、産まれてから肺呼吸をするための準備にもなっています。
妊娠22週にやっておきたいこと・気をつけたいこと
妊娠22週から妊娠37週未満での出産は「早産」と呼びます。全妊娠のなかで、約5%の人が早産になるといいます。ここでは、早産や切迫早産をはじめとして、知っておきたい妊娠中のトラブルについて見ていきましょう。
早産になりやすいのはどんな人?
日本産科婦人科学会によれば、早産の原因は体質や感染によるものが多いといいます。しかし、やはり日常的に無理をするのはよくありません。
普段、仕事や上の子の育児などで重いものを持ったり、お腹に力を入れたりすることが多い人、長時間立ちっぱなしの状況になることが多い人は注意が必要です。
また、ストレスや冷えなどが原因になるといわれることもあります。特に子宮頸管が短いといわれている人、運動を許可されていない人などは、決して無理をしないようにしましょう。
「切迫早産」と「早産」はどう違う?
早産とよく似た言葉に「切迫早産」というものがあります。切迫早産は、子宮口が開いてきてしまい、早産に“なりかけている状態”のことを指します。
安静にしたり薬を服用したりすることで、早産を避けられるケースも多いです。ただし、安静度合は人によって異なります。
正期産(妊娠37週~妊娠41週)までお腹にいたほうが当然赤ちゃんに障がいが残るリスクは低くなるため、場合によっては、出産まで数ヶ月入院するケースも。
切迫早産は、すぐに対処することが大切です。出血した、お腹の張りや痛みが続いて休んでもよくならないといった症状が出た場合には、すぐに病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
陣痛が来ていないのに羊水が流れ出る「前期破水」
早産・切迫早産以外にも、気をつけるべきトラブルがあります。例えば、陣痛が来ていないにも関わらず、卵膜が破れて羊水が流れ出てしまう「前期破水」。
放っておくと、胎児や母体が危険にさらされます。「尿漏れかもしれない」と迷うかもしれませんが、前期破水の可能性があると思えば、すぐに受診しましょう。
子宮から胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」
出血がひどい場合や、激痛を伴って急にお腹が固くなった場合は「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」の可能性もあります。
本来胎盤は出産後に出てくるのですが、先に子宮から胎盤がはがれてしまうという病気です。喫煙・妊娠高血圧症候群によってリスクが高まるとも言われています。
母子ともに危険を伴い、緊急を要するため、症状が出た場合はすぐに受診しましょう。
胎動が半日ない場合も連絡を
そのほか、胎動を半日感じないような場合も、赤ちゃんに何か問題が起きた可能性があります。出血や痛みなどがなくても半日以上全く胎動がない場合には病院に連絡し、状況を伝えて指示を仰ぎましょう。
まとめ
ママの体調や赤ちゃんの様子は急に変わることがあります。起こり得るリスクをしっかり認識しておき、何かあった際にはすぐに病院に連絡できるようにしておきましょう。
「安定期だから大丈夫」と安心している人もいるでしょうが、早産などのリスクを減らすためにも、決して無理をしないようにして過ごしてください。
⇒妊娠23週目、赤ちゃんの成長=ママの体重や負担も増加!?どうやって乗り切るの?
<監修>
日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法 Aコースインストラクター
日本産婦人科学会 専門医
札幌医科大学産婦人科 高田さくら
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