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この不安、どうしたらいいの?マタニティーブルーと産後鬱の違いから見る対処法
出産から間もないママのなかには、不安定な自分の気持ちに戸惑う人が多いようです。自信をなくしたり、やる気が出なかったりといった症状にお悩みの方は、自分の状態を見極めるためにも、「マタニティーブルー」と「産後鬱(うつ)」の違いを知ることから始めましょう。
赤ちゃんが生まれて嬉しいはずが、訳もなく不安に襲われてしまう…。出産から間もないママのなかには、不安定な自分の気持ちに戸惑う人が多いようです。 自信をなくしたり、やる気が出なかったりと、育児への不安を感じている方は、一人で抱えこまずに、まずは、今の自分がどんな状態なのかを見極めるためにも、「マタニティーブルー」と「産後鬱(うつ)」の違いを知ることから始めましょう。
出産直後の女性に起こる「マタニティーブルー」とは
出産は女性にとって、最大のライフイベント。待望の赤ちゃんに出会える喜びとともに、母親としての責任やプレッシャーも生まれるものです。 さらに、産後はホルモンバランスが急激に変動するため、涙もろくなったり、落ち込みやすくなったりと、精神状態が不安定になりがちです。 このように、出産直後に抑うつ症状が表れることをマタニティーブルーといいます。マタニティーブルーの主な症状は、以下のとおりです。
- 気分が不安定になる
- 落ち込みやすくなる
- イライラしやすくなる
- 怒りっぽくなる
- 焦りや不安が強くなる
- 集中力の低下
- 意欲の低下
マタニティーブルーは決して特別なものではなく、誰にも起こりうることです。 出産直後は、疲れを引きずったまま慣れない育児に奮闘したり、睡眠不足が続いたりと心身への負担が大きいため、気持ちが不安定になるのも無理はありません。 また、マタニティーブルーはホルモンバランスの乱れが影響するので、月経前症候群(PMS)の症状を感じる方は比較的かかりやすいといわれています。
マタニティーブルーは一過性 周囲の人にまず相談を
マタニティーブルーになったからといって、心配しすぎる必要はありません。出産して10日~2週間程度で自然と治る一過性の症状なので、「じきに治るから大丈夫」と理解しておくと焦りや不安が和らぐでしょう。 しかし、無理をするのは禁物です。話を聞いてもらったり、サポートをお願いしたりして、一人で抱え込まないようにしましょう。
夫にはすべてを頼るより、良好な関係を保つ工夫が必要
一番頼りたくなるのがパートナーである夫ですが、理解を得るのが難しいことも。 仕事で疲れたからと話を聞いてもらえなかったり、日中の様子を知らないために否定的な発言をされたりすることは珍しくありません。 こうした状況では、マタニティーブルーが悪化する恐れがあるので、アプローチを工夫することが大切です。 まずは、妊娠中に「出産後にママはマタニティーブルーになる可能性がある」ということを夫に知っておいてもらい、どのようなサポートをしてもらえると楽になるのかということを具体的に伝えておくことが大切です。 そもそも、出産経験のない男性にとって、妻の負担やストレスを察することは簡単ではありません。夫が協力しやすいことをお願いし、頼りになることをアピールすると良好な関係を保ちやすいでしょう。 そして、すべてを夫に頼ろうとせず、出産経験のある身内や友人に相談したり、親からのサポートを受けたりして、いろいろな人に頼るのも方法のひとつです。
こんなケースは産後鬱の可能性も
出産後数週間~数ヶ月経過して不安が強い場合は、産後鬱の可能性があります。症状はマタニティーブルーと似たものも多いですが、自然と治るマタニティーブルーと異なり、治療が必要になることもあるのでご注意を。 産後鬱の症状は以下のとおりです。
- 何をするのもおっくうに感じる
- 興味や喜びを感じなくなる
- 食欲の増加・減少
- 不眠・仮眠
- 強く焦りを感じる
- カラダが思うように動かず、言葉もうまく出てこない
- 思考力・集中力の低下
- 自殺願望
- 赤ちゃんを愛せない、世話ができない
医療施設へ行くことに抵抗がある方は、産後鬱かどうかを調べる「エジンバラ産後うつ病質問紙票」というものがあります。 「物事を楽しみにして待つことができる」「理由もないのに不安になったり、心配する」というような質問に4段階で応えるだけで調べることができるので、まずはそれを利用してみるのもひとつの手です。 赤ちゃんはママの精神状態に敏感です。産後鬱でストレスが強いと、赤ちゃんに影響が及ぶこともあるので早めに対処しましょう。
参考:NPO法人きずなメール・プロジェクト「エジンバラ産後うつ病質問紙票」
赤ちゃんのためにも無理をしないで
産後は多くの人が不安や悩みを抱えるものです。一番頼りたいはずの夫から理解を得られないこともあるかもしれませんが、性別が違い、出産経験もないのですから、無理はないと受け入れると楽になることも。 出産経験のある理解者に話を聞いてもらったり、マタニティーブルーだから仕方ないと割り切ったりすると、楽に過ごしやすくなるでしょう。 産後鬱の可能性がある場合は、無理をせず早めに受診することも大切です。赤ちゃんの笑顔を守るためにも、適切な対処をとりたいですね。
この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生
初回公開日:2016年3月30日
最終監修日:2021年4月19日
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