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何人子どもが欲しい? から考える 妊活の「始めどき」って?
妊活をしているのになかなか妊娠しない、もしかして不妊症? でも不妊治療ってどんなことをするのかわからなくて不安……。
大丈夫です。不妊治療はいきなり難しいことをするわけではありません。自分の体を知ることから!と思って、スタートしましょう。
今回は、『何人子どもが欲しい?から考える不妊治療の「始めどき」』について、齊藤英和先生に詳しく解説していただきました。
「妊活を始めたけれど……、そろそろ専門クリニックへ!? 受診する前に知っておきたい不妊治療スタートガイド」 #5
※参考:「妊活たまごクラブ 2023-2024年版」
何人子どもが欲しい?から考える不妊治療の「始めどき」
若ければ若いほど、妊娠する確率は高いのはデータが示していること
下の2つのグラフは、年齢と妊娠しやすさの関係を示しています。若いほど妊娠しやすいことは明らかで、さらに妊娠率は年齢を追うごとに均等に下がるのではなく、32歳を過ぎたあたりで急に落ちていきます。これは自然妊娠でも体外受精の場合でも同様で、体外受精をすれば多少時間稼ぎができるかというところです。また、下のグラフが示すように、人工授精も一定の回数を超えると妊娠率は上がらなくなります。
データが示しているのは、若ければ治療なしで妊娠できるかもしれないけれど、年齢が上がると高度な医療が必要でお金もかかるということです。授かった子どもが20歳になるとき、自分は何才になるのか、そのときの生活イメージをもって、「始めどき」を考えましょう。
●人工授精による累積妊娠率(40歳未満)
人工授精による累積の妊娠率は、はじめは回数を重ねただけ上がりますが、一定の回数から変化がなくなります。40歳未満の場合、7回目で累積妊娠率は約27%まで上がり、それ以降はほぼ一定となり、治療してもさらに妊娠する確率はほぼ横ばいとなります。40歳以上の場合は、なだらかに上昇しますが、20%にとどまります。つまり回数を重ねても確率は大きく変わらないことを示しています。
不妊治療が保険適用になって、治療を受けやすくなったでしょうか?
不妊治療が3割負担で受けられるようになって大きく変わったのは、不妊治療のステップアップの費用での足かせが減ったことでしょう。人工授精、体外受精が必要そうだとわかっても、お金の問題ですぐには踏み切れなかったのが、少しでも若い段階で始められるようになりました。このことは少しでも早く子育てをスタートするためにも大事なことです。
●妊娠達成確率別に見た「妊活を開始すべき」上限年齢(欲しい子どもの数1人の場合)
今の年齢から考える、自然妊娠? 不妊治療?の妊娠率
【27歳】自然妊娠でほぼ確実(95%)に1人を妊娠できる
もし自然妊娠で赤ちゃんを産みたいなら、27歳には1人目の妊活をスタートする必要があり、体外受精をしてもよいという人でも、32歳にはスタートしていないと、「どうしても」という確率は低くなります。確率上、そのくらいスタート年齢は早いのです。
【32歳】自然妊娠で1人を妊娠できる可能性が90%のギリギリ。ここから妊娠率は急に下がる!
自然妊娠にどうしてもこだわりたいなら、32歳が最初の節目となるでしょう。この年齢を境に、自然妊娠の確率はぐっと下がります。人工授精、体外受精にあわててステップアップしなくてもいいかもしれませんが、自然任せではいられなくなる年齢です。
【36歳】自然妊娠で赤ちゃんが1人授かる確率は75%。1IVFも視野に入れれば1人を妊娠できる確率90%
「不妊治療を始める目安」にもあるように、35歳が境目となります。さらに36歳では、IVFを視野に入れてようやく90%の確率で1人授かるということに。37歳では自然妊娠の確率が75%を切り、そこからはさらに急激に確率が下がっていきます。
【39歳】IVFでも妊娠できる確率は75%を切り始める
「できれば子どもが欲しい」という思いで、体外受精まで試みてもよい、ということならば39歳で治療を始めてもなんとか間に合うかもしれません(妊娠する確率75%)。それでも早くスタートしなければ、刻一刻と確率は下がっていきます。
【41歳】IVFでも妊娠できる確率はかなりレアケースに……
もちろん40代でも妊娠・出産できる人はいます。でもその確率は、年齢が上がるほどに宝くじの一等当選並みに下がっていきます。わずかな可能性にどれだけのお金と体力と時間をつぎ込むのか、ということはカップルでよく話し合う必要があるでしょう。
●子どもの数別・妊娠達成確率別に見た「妊活を開始すべき」上限年齢
★欲しい子どもの人数が多ければ、さらに若いうちから妊活スタート!
「自然」は自然妊娠、「IVF」は体外受精
自然妊娠で子どもが3人欲しい場合、達成率90%を実現するには、妊活の開始年齢は「23歳」ということに。IVFをした場合でも子どもが3人欲しい場合は「28歳」で始めないと実現が難しい。
■監修
■イラスト/牛久保雅美
■取材・文/関川香織
※記事掲載の内容は2023年2月25日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。
▼『妊活たまごクラブ2023-2024年版』は、妊活に役立つ情報が一冊に詰まった妊活スタートブック
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