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【Q&A】高度不妊治療ではどのように治療法を決めていくの?自分に合った妊活をするポイントとは?
妊活や不妊治療について患者さんが不安や疑問に思うことを、ルナルナがズバリ専門医師に質問!!今回は、「高度不妊治療を使って、早めに妊娠というスタートラインに立ってほしい」と語る銀座こうのとりレディースクリニックの嶋田秀仁先生に答えていただきました。
Q:高度不妊治療ではどんなことをするのかわからず不安です。どんな検査や治療を受けることになるのでしょうか?
高度不妊治療を検討しています。経験者の方のブログなどを拝見しましたが、人によって治療法もさまざまで、自分にはどのケースが当てはまるのかよくわかりませんでした。どんな検査や治療をするのかイメージがつかめず、漠然とした不安があります。
A:銀座こうのとりレディースクリニック嶋田秀仁先生に答えていただきました。
高度不妊治療は、高度な技術を要する不妊治療のことで、主に「体外受精」と「顕微授精」という2種類の方法があります。いずれの方法も治療前にさまざまな検査を行います。また、受精卵を子宮に戻す「胚移植」にも複数の方法があるため、治療のパターンについても何通りもあるのです。
そのため、必要な検査や治療は、不妊の原因や患者さんの年齢、体質などによって、一人ひとり異なります。どのようなスケジュールで、検査や治療を選択するか、医師のアドバイスを受けながら、パートナーと話し合って決めていきましょう。
不妊治療専門の医療施設には、不妊治療に関する説明会を開催しているところもあるので、まずは説明会に参加してみてはいかがでしょうか。
私が院長を務める銀座こうのとりレディースクリニックでも、毎月1回、無料説明会を開いています。
説明会では、30分程度、不妊治療に関する基本の知識や治療の流れについて解説し、その後、個別に質問も受け付けています。体外受精での受精の様子も動画でお見せしているので、高度不妊治療とはどういうものなのか、具体的にイメージできるようになると思います。
高度不妊治療では、どのような検査をして治療方法を決めていくのですか?
通常は、不妊治療のスタート時に、不妊の原因を探るため、ホルモン検査、超音波検査、子宮卵管造影検査、精液検査などの基本的な検査がおこなわれます。
高度不妊治療にステップアップする際には、さらに、卵巣に残された卵子の数を調べて卵巣予備能を評価するAMH(アンチミュラー管ホルモン)検査を受けるのが一般的です。AMHの数値は、今後の治療方針や排卵誘発の強さを決める一つの指標となります。
検査結果によっては、タイミング法などの一般不妊治療をおこなわずに最初から高度不妊治療をおこなうこともあります。
たとえば、子宮卵管造影検査で卵管に問題があることがわかったら、すぐに「体外受精」に進むのも一つの方法でしょう。男性の精液検査を行った結果、精液中の精子の運動能が低い場合は、「顕微授精」が有力な選択肢といえます。
ただ、検査では特に問題が見つからず、実際に治療をしてみないと妊娠するかどうかわからないというケースも少なくありません。セックスによる自然な妊活では、体の中で何が起こっているかは見えませんが、「体外受精」を行えば、精子と卵子の状態やその後の経過も目で見て確認することができます。
何度か「体外受精」を行い初めて、これまで妊娠できなかった原因が判明することもあります。そういう意味では、治療であると同時に検査という側面も持っているのです。
銀座こうのとりレディースクリニックでは、患者さんの卵巣予備能や社会的背景のほか、ご希望も踏まえた上で、少しでも早く妊娠に辿り着く方法を提案しています。医師のアドバイスをもとに、自分のライフスタイルに合った治療プランを選ぶようにしましょう。
自分に合ったスムーズな妊活・妊娠をするためのポイントは?
実は、患者さんが治療プランを決めていく際に一番悩まれるのはスケジュールです。私たち医療施設側もできる限り対応しますが、過密な働き方を求められる仕事をしていると、不妊治療の継続が難しいだけでなく、妊娠後のキャリアプランなどにも大きく影響してくるでしょう。
高度不妊治療を選択する可能性があるなら、まず自分のキャリアプランのなかに妊活や妊娠・出産・育児というステップをどう組み込むかを考えて、今のうちからスムーズに妊活できる環境づくりを進めておきましょう。まずは生活習慣を見直し、身体を健康で妊娠しやすい状態にしておくことが大切です。
妊娠は、なかなか計画通りには進まないないものですが、高度不妊治療をうまく取り入れれば、より柔軟にライフイベントやライフスタイルに合わせて、自分らしい妊活・妊娠をすることが可能となってきます。
例えば、パートナーが海外赴任や単身赴任をすることになり、当面はタイミング法での妊娠が難しい場合や、ご自分のキャリアプランを考えある程度計画的に妊娠を望まれて体外受精を希望する人もいます。
また、体外受精をする際、複数の受精卵を凍結保存しておいて、一人目のお子さんの子育てや仕事が少し落ち着いたタイミングで受精卵を解凍、移植して、二人目のお子さんを授かるケースもあります。
いろいろなケースや方法がありますから、一人で悩まずに気軽にクリニックを訪ねてみてください。
妊活や不妊治療を考えている女性へ
「高度不妊治療は最終手段ではなく妊娠に近づく一つの手段です。もっと気軽に考えて」
高度不妊治療というと、不妊治療の最後の手段というイメージがあるようです。そのため、タイミング法や人工授精で必要以上に時間をかけてしまい、体外受精にチャレンジする時期を逃してしまう人も少なくありません。
ですが実際には、体外受精で思うような結果が得られず、次はタイミング法で妊活するというカップルもいますし、体外受精で失敗した後に自然妊娠することもあるのです。
決して安易に体外受精を勧めるわけではありませんが、構えすぎず、妊娠に近づく手段の一つとしてもっと気軽に考えていただければと思います。
特に、不妊の原因が不明な場合には、受精卵が育つかどうか一度検査してみるつもりで体外受精に臨んでもいいのではないでしょうか。少しでも若いうちに質の良い卵子を採取して受精卵を凍結しておけば、将来の妊娠の可能性を高めることにもつながります。
妊娠はゴールではなく、その後には出産、子育てという大仕事が待っています。いち早くスタートラインに立つために、ぜひ高度不妊治療を視野に入れて、カップルで納得できる不妊治療をしてほしいと思います。
今回質問にお答えくださった先生
銀座こうのとりレディースクリニック
院長 嶋田秀仁(しまだ・ひでと)
「自然妊娠から高度不妊治療まで幅広く対応し、患者さんのニーズに寄り添うパーソナルドクターを目指しています。働く女性が通院しやすいよう、平日の夜(8時まで)や土日にも診療をおこない、オンライン診療を導入しているのも特長です」
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
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