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【医師Q&A】妊娠に至る重要なステップ“受精”を確認できる「顕微授精」とは?
妊活や不妊治療について患者さんが不安や疑問に思うことを、ルナルナがズバリ専門医師に質問!!今回は、「患者さんにとって今何が必要かを常に考えながら診療にあたります」と語るレディースクリニック北浜の奥裕嗣先生に答えていただきました。
Q:顕微授精とはどのような方法? 体外受精との違いは?
人工授精から高度不妊治療へステップアップ予定です。
体外受精と顕微授精、その方法はどのように違うのでしょうか?また、治療選択する際のポイントについて教えてください。
A:レディースクリニック北浜の奥裕嗣先生に答えていただきました。
体外受精と顕微授精は、どちらも、採取した卵子と精子を体の外で受精させ、培養した受精卵(胚)を子宮に戻す治療法です。
いずれも妊娠のプロセスにおける「受精」を医療の力でサポートする治療法ですが、体外受精と顕微授精では「受精させる方法」が異なります。
◆体外受精
体外に取り出した卵子を培養液に入れ、そこに精子を加えて自然に受精させる方法です。
◆顕微授精
体外受精の一種ですが、顕微鏡下で卵子に針を刺し、直接精子を入れて受精させる方法です。
細いガラス針の先端に、精子を1つ吸引して入れ、顕微鏡で確認しながら卵子にガラス針を刺し、精子を注入します。
顕微授精に切り換えるポイントはどんな時ですか?
顕微授精が勧められる条件はいくつかあり、そのポイントを以下に挙げます。
・体外受精をしても、受精が成立しないとき
・精液の濃度が低い(精子の数が少ない)、あるいは精子の運動率が低いなどの理由から、体外受精をしても受精しないと判断されたとき
無精子症(精液の中に精子がない状態)でも、精巣(睾丸)内で精子が造られている場合は、精巣から直接精子を取り出し、顕微授精することができます。
このように、射精された精子だけでなく、睾丸や副睾丸内にある精子や凍結された精子でも顕微授精をおこなうことが可能です。
顕微授精に進む場合、どのような心構えや準備をしておけばいいでしょうか?
顕微授精と聞いて、「万が一、赤ちゃんに異常が起こったら」と心配を抱く人もいるかもしれません。
しかし、不妊治療により生まれた赤ちゃんと、自然妊娠で生まれた赤ちゃんで、奇形率などに変わりはないと言われております。
顕微授精は、すでに医療技術として確立された治療法であり、専門的な知識と高度な技術を有する専門施設でおこなわれる治療は、安心して受けていただけるものと考えます。一方で、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療は、定められたスケジュール通りに治療を受ける必要があり、通院や服薬などにかかる時間的、経済的負担は小さくありません。
卵子を採取(採卵)するために「排卵誘発剤」という薬剤を使用したり、麻酔を使用して採卵をおこなったりと、治療による女性の体と心への負担も大きいといえるでしょう。
そのため、治療の方法やスケジュールなどはパートナーと医師と十分に相談して決めること、不安や疑問はなるべく解消した上で治療にのぞむこと、何かあればすぐに相談できる環境が整えられていることが大切です。
何よりもできるだけストレスを軽くすることを考えましょう!
妊活や不妊治療を考えている女性へ
「あなた自身が持つ“妊娠・出産する力”を高めていきましょう」
結婚して仲良く過ごしながら、赤ちゃんを望んでいるのになかなか授からない方は「なぜ赤ちゃんができないのだろう」と不安になることもあるでしょう。
また、初めての不妊治療を考えている方も、治療や生活などについてさまざまな不安を抱くかもしれません。
不安があるときは、ひとりで抱え込まず、パートナーとよく話し合い、専門の医療機関を受診しましょう。
女性のからだには、もともと妊娠・出産する機能が備わっています。
ただ、何らかの原因で、その働きが低下することや、その働きのどこかに不具合が生じることもあります。
そのような場合は、医療によるサポートを受けることを考えるのと同時に、ご自身の生活を振り返り、生活リズムを整え、心身を健やかな状態に保つことを心がけましょう。
そのようにして体に本来備わっている妊娠・出産できる機能を高めることは、高度不妊治療をサポートする意味でも大切なことです。
今回質問にお答えくださった先生
レディースクリニック北浜
院長
奥裕嗣
「ゆっくり治療を進めていきたい方、早く妊娠を希望される方など、患者さんの希望に沿った治療ができるよう、心の通い合った医療を心がけています」
医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会生殖医療専門医
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