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知っておきたい乳がんの基礎知識!妊活中に乳がんが見つかったら…
女性特有のがんの代表とも言える乳がん。妊娠や出産、子育てといった、ライフイベントを控える女性にとって乳がんは気になる病気のひとつです。今回は、乳がんの基礎知識と妊娠への影響について解説します。
乳がんってどんな病気?
乳房には乳腺と呼ばれる器官があり、ここに発生する悪性腫瘍が乳がんです。
乳腺は母乳を作る小葉と、母乳を運ぶ乳管から構成されており、乳管で発生する乳管がんが最も多いと言われています。
自分で気づく症状としては、乳房のしこり、エクボのようなひきつれや湿疹、ただれといった皮膚の変化、乳房周辺のリンパ節の腫れなどが挙げられます。
これらの自覚症状がある場合は、すぐに医療施設で診てもらいましょう。
また、乳がんの検診には、触診やマンモグラフィ、超音波検査などがありますが、まずは月に1度、乳房の変形やしこりがないか、自分の目で見て、触って確かめる、セルフチェックをオススメします。
タイミングは、胸の張りがなくなる、生理後の1週間頃がベストです。
乳がんの治療後でも妊娠・出産は可能
昔は、妊娠が乳がんの再発の危険性を高める可能性や、抗がん剤によって胎児に奇形を起こしやすくするなどの問題を心配して、抗がん剤での乳がん治療を行ったら妊娠はあきらめるべきという風潮がありました。
しかし、最新の研究結果によりこの考えは正しくないと考えられています。
妊娠や出産、授乳によって乳がんの再発頻度が上がるということはなく、治療後の妊娠・出産で胎児に異常や奇形がみられる頻度は,一般女性の妊娠・出産の場合と変わらないことがわかっています。
ただし、抗がん剤によっては卵巣がダメージを受けるものもあり、治療中や治療後に生理が止まってしまうことがあります。
40歳未満の場合は治療後に回復するケースが多いものの、40歳以上の場合は卵巣機能自体の低下もあって治療後も生理が戻らないケースが増加します。
乳がん治療後、いつごろから妊娠ができるの?
どのような薬剤でも妊娠前期に使用すると胎児に影響を与える可能性があるため、治療中は妊娠しないように気をつけるようにしましょう。
治療終了後であれば妊活を行えますが、抗がん剤によっては数週間~数ヶ月の間、内臓に影響が残ってしまうものもあります。
そのため、数回の生理を確認するまではコンドームなどを使って避妊をした方がいいでしょう。
ピルは乳がんを悪化させる可能性があるため使用できません。
妊娠中や産後すぐに乳がんが再発する可能性も否めません。
再発してしまう人の多くは手術後2〜3年もしくは5年前後といわれているので、術後に妊娠・出産を望む場合には主治医に相談しながら妊娠時期を決めるのがベストです。
妊娠中に乳がんが再発した場合、妊娠の継続は可能?
もし妊娠中に乳がんが再発した場合、妊娠を継続できるのかが気になるところだと思います。
結論から言うと、妊娠の継続や出産、授乳により、がんの進行が早まることはありません。
ただし、妊娠週数によっては検査や治療が胎児に影響を及ぼす可能性も。
そのため、母体と胎児のメリット、デメリットを考えながら、慎重に進めていく必要があります。
妊娠16週目に入ると手術による治療が可能になりますが、手術の方法は妊娠中であっても妊娠していない場合と同じです。
妊娠・出産・子育てに大きく関わってくる、乳がん。
定期的に検診を受ける、セルフチェックをマメに行うなど、しっかりと自分のカラダの状態を知っておきましょう。
★今回のポイント★
・生理後1週間の乳がんセルフチェックが大切
・胎児への影響を考え、治療中は妊活ストップ
・乳がんの治療後に妊娠は可能。タイミングは医師に相談を
この記事の監修
日本産科婦人科学会専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2017年7月11日
最終監修日:2021年9月21日
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