「妊娠のしくみ」を復習しよう

あなたは妊娠するまでの流れや、男女のカラダのメカニズムをきちんと知っていますか?
学生時代に保健の授業で習ったけど、あまり覚えていないという人もいるのではないでしょうか。
将来のことを考え出す年代に差しかかった今こそ、妊娠のメカニズムを再確認して正しい知識を持っておきましょう。

妊娠は、排卵、射精、受精、着床のすべてが整ってはじめて成立します。

男女のカラダの機能と、妊娠が成立するまでのメカニズムをきちんと復習しましょう!

今回は排卵、射精、受精、着床の4つのプロセスについてご説明します。

 

基本的に、女性は約1ヶ月サイクルで排卵と生理を繰り返しています。このサイクルの中で、生殖器では妊娠に向けたさまざまな働きをしているのです。

1. 排卵

まずは女性のカラダで起こる「排卵」。

排卵とは、卵子が卵胞から飛び出して、卵管に取り入れられることを指します。

月経時には、約1020個の卵胞が卵巣のなかで育ちます。その中の1個だけが約2週間かけて20mmほどの大きさに育ち、卵巣の表面から飛び出すのです。 

これが「排卵」と呼ばれるものです。

その後、卵巣から飛び出した卵子は卵管采から卵管に取り込まれます。

 

2. 射精

続いては男性のカラダで起こる「射精」。

女性の内に射精された精子は、卵子と結合するために子宮頸管を通って、子宮内から卵管へと進みます。

1回の射精で放出される精子の数はおよそ2~3といわれますが、卵子のところにたどり着く前に、そのほとんどが死滅してしまうといわれています。

子宮内にたどり着くのは数十万個以下。

そして、卵子のところまでたどり着く頃には、数十~数百個にまで減少してしまうのです。

最終的に卵子と結合できる精子はたった1つ。

受精には精子の「質」がとても肝心だと言えるでしょう。 

 

3. 受精

子宮内・卵管を進み、奥にある卵管膨大部にたどり着いた精子は、卵子が現れるのを待ちます。

そして、運が良ければ、排卵後に卵管膨大部にやって来た卵子と出会うのです。

このときにポイントになるのが、精子と卵子の寿命の差です。

一般的に精子の寿命は約25といわれていますが、一方の卵子の寿命は1224時間。精子と卵子の寿命の長さには大きな差があるのです。  

そのため、卵管膨大部で精子と卵子が出会うためには、タイミングがとても重要なのです。

運良く卵子と出会えた場合、たくさんの精子の中から1つだけが、卵子のまとう透明帯を破って卵子の中に入っていきます。

その瞬間に透明帯が変化して硬くなり、他の精子が卵子の中に入れないようになるのです。これが「受精」です。

 

4. 着床

卵管膨大部で精子と卵子が無事に出会ってできた受精卵は、何度も細胞分裂を繰り返しながら、精子が来た道を戻って子宮へと向かいます。

子宮にたどり着くまでの期間は、だいたい5日ほどだといわれています。

細胞分裂を繰り返した受精卵は、57日ほどで胚盤胞という状態になります。

 

この胚盤胞の状態で、たどり着いた子宮内膜にもぐり込んで着床すれば、妊娠が成立します。

妊娠は、これらのプロセスを経て、やっと成立するものなのです。とても神秘的ですね。

 

★今回のポイント★

・精子の寿命は約25日、卵子の寿命は1224時間

・排卵日だけではなく、排卵日前にもセックスすることで受精の確率を高めることができる

・受精卵が子宮に着床してはじめて妊娠が成立する

 

ホルモンバランスの変化により、排卵日はずれることがあります。妊娠を希望していない場合には、排卵に限らず正しく避妊をするようにしましょう。

この記事の監修
婦人科専門医  松村 圭子先生

初回公開日:2017年3月24日
最終監修日:2021724

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