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いつもと違うけど大丈夫?生理前後の茶色いサイン
おりものや経血の色が「なんだかいつもと違う!」と気になったことはありませんか?白っぽいはずのおりもの、赤いはずの経血が、茶色く見えたら誰でもドキッとするはず。
おりものや経血の色の変化は、どちらもカラダからのサインといえますが、生理的な現象として全く心配がいらないものもあれば、病気が隠れていることも。今回は、生理の前後に見られる茶色いおりものや経血について解説します。
生理の周期に合わせて変化するおりものの色
月経期~卵胞期~黄体期をくりかえす生理の周期。このリズムにあわせて分泌されるのが、おりものです。
おりものは子宮内膜や膣壁などから出る分泌物が混ざりあったもので、自浄作用があり膣内を清潔に保つ役割があります。その分泌量は排卵するころにピークを迎え、排卵をすると次第に減少。次の生理の前に増えはじめ、生理が終わる頃にまた一旦減少と、生理の周期に合わせて変化します。
分泌量が最も多い時期は透明ですが、それを過ぎると白く濁った色になるおりもの。それが茶色に変化する場合があります。どんな理由から色が変わってしまうのでしょうか?
生理前後のおりものが茶色くなるのはどうして?
2つの女性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きから起こる生理。おりものはその周期に合わせるように分泌されます。
透明で卵の白身のように伸びるおりものが見られるのは、排卵の頃で、これを過ぎると次第に量は減少し、色も透明から白濁へと変化します。
生理の直前になると、おりものの量が少し増えるとともに色が茶色に変化することがありますが、これは血液が混ざっているためにそう見える場合がほとんど。生理直後のおりものも同じことで、血液が混ざることから茶色く見えることがあります。
このように生理前後のおりものは、生理に由来する出血が原因で茶色く見えることがほとんどです。
また生理と生理の間、つまり排卵の頃の2~3日間に、おりものにごくわずかに出血が混ざることがあります。これは、排卵出血(中間期出血)といわれるものなので、特に異常ではありません。
生理以外の茶色いおりものは、病気が原因かも
気を付けたいのは、生理が終わった後も茶色く色づいたおりものが何日も続くなど、いつもと状態が違っているとき。この場合、生理以外の出血が原因で、おりものの色が変わっていることが考えられます。この出血は「不正出血」とよばれています。
不正出血には2つのパターンがあります。
その一つが、子宮や膣などの病気が原因となって起こる「器質性出血」です。一例として、子宮頸管ポリープや子宮膣部びらんがある場合、性交時などの刺激をきっかけに出血することがあります。子宮頸ガン、子宮体ガンなどが疑われる場合もあります。
そしてもうひとつが、ホルモンバランスの乱れが原因となって起こる「機能性出血」で、生理の周期が不安定になってしまう卵巣機能不全などがあります。
いずれにしても生理の周期とは関係のない出血です。早めに婦人科・産婦人科を受診して出血の原因を見つけることをおすすめします。
生理の血が茶色に変色するのは、酸化が原因
生理といえば経血は赤いもの。そう思っている時に、茶色の出血があったら驚いてしまいますね。
ただし、生理の始まりの時期なら、茶色の出血はよくあること。2~3日後から赤い出血に変われば心配ありません。
また経血がうまく排出されずに膣や子宮の中にとどまってしまい、排出されるまでに時間がかかった場合も、血液が茶色に変化していることがあります。
長時間ナプキンをつけたままにした場合も同様で、血液が酸化して茶色い出血があったように見えることも。ナプキンはできるだけこまめに取り換えて、経血の色を確認するといいでしょう。
注意したいのは、生理が終わった後の卵胞期~黄体期に見られる出血です。この期間の出血は、おりものの項目でも紹介した「不正出血」が考えられます。
子宮や膣に病気が隠れていたり、ホルモンバランスが崩れていたりすることが考えられます。出血の色は、鮮やかな赤、赤褐色、薄いピンク色など、茶色に限りません。色にこだわらず出血の状態を見極めることが大切です。
茶色のおりものは生理?それとも妊娠?
妊活中の人なら、生理予定日前後に見られる少しの出血も気になるもの。妊娠のごく初期に少量の出血が見られた場合は、受精卵が子宮内に着床することがきっかけとなる着床出血の可能性があります。
出血の色は茶色やうっすらしたピンク色、鮮血などさまざま。
ただ、すべての人に着床出血の症状が見られるものではありません。着床出血と思われる出血があり、妊娠かどうかをいち早く確かめたい場合は、基礎体温の計測を続けるなどして妊娠の兆候を確認するといいでしょう。
普段から観察して、茶色いおりもの・生理でも慌てずに
おりものも経血も、色はもちろん量、期間には個人差があります。
ここで紹介した症状がすべての人にあてはまるものではありません。大切なことは、生理の周期に沿って、おりものの状態、出血の有無など、普段の状態を把握しておくこと。そうすれば、カラダが発するサインにも早めに気付くことができます。
生理期間以外の出血が長引いたり、経血やおりものの色がいつもと違うなど、不安に思う症状を自覚した時は、自己判断することなく早めに婦人科・産婦人科を受診することをおすすめします。
この記事の監修
婦人科専門医 松村 圭子先生
初回公開日:2016年8月25日
最終監修日:2022年2月28日
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