軽ければ少しの工夫で改善!赤ちゃんが咳をするときのホームケア

のどが乾燥したときや、気道に痰がたまったときに出る咳。大人であれば慌てることはない症状ですが、小さな赤ちゃんの場合は心配ですよね。特に眠っているときに咳き込んだときは、どうしてあげたらよいのか迷ってしまう人も多いはず。今回は、赤ちゃんが咳をしているときに自宅でできるケアのポイントを紹介します。

咳が出るときの受診の目安は?

咳は、外からホコリやウイルスなどの異物を気道から追い出すために起こる防御反応。異物を追い出すためだけでなく、異物を絡め取った痰を気道から排出する役割もあります。

そのほか、風邪などでのどや気管支が炎症を起こしたときや、鼻水がのどに流れ込んで来たときなどにも咳が出ます。そのため、咳をすること自体はさほど心配いりません。

しかし、症状によっては肺炎や小児ぜんそくなどを引き起こしている危険性もあります。ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音があって苦しそうだったり、激しく咳き込んで何度も吐いてしまったりする場合は、早めの受診が必要になります。

 

赤ちゃんが咳をするときのホームケアとは?

赤ちゃんが軽い咳をしていても、食欲があって眠れているようであれば、まずは自宅でのケアで大丈夫です。

1. たて抱きにしながら、背中をトントン叩く

赤ちゃんが咳込んで苦しそうにしている場合は、まずはたて抱きか座位にして上半身を起こし、背中をトントンと軽く叩きます。強めにさすってあげるのもいいでしょう。

背中を叩いたり、さすったりすることで、気管支に絡んだ痰が切れやすくなります。

咳が出るときは、畳んだタオルを背中に入れるなどして上半身を高くしてあげると、咳き込んで起きることも少なくなります。

高熱が出ていなければお風呂もOK。湿度が高い浴室では、呼吸が楽になるのでリラックスできるはず。

ただし、長風呂は体力を奪うことになるので10分位にしてください。

 

2. のどを湿らすために水分補給を

水分を与えてのどを湿らせることでも、痰が切れやすくなります。人肌程度のぬるめのお湯やお茶をスプーンで少しずつ飲ませてあげましょう。このとき、哺乳びんを使うと飲み物が一度に出てくるため、むせて吐き出してしまう可能性があります。哺乳瓶を使うことは避け、水分は少しずつ与えることが大切です。

また、冷たい飲み物や柑橘系の果汁も、のどを刺激して咳が出やすくなるので注意しましょう。

食欲があれば離乳食を食べさせても大丈夫です。

できるだけ冷たいものは与えないように気を付けて、おかゆやうどんなど消化の良いものを少しずつ食べさせてあげましょう。

食べられるようであっても、3分の2くらいの量にして食事の回数を増やしてあげてください。

 

3. こまめに換気をする

空気が乾燥するとのども乾燥してしまいます。

湿度が下がると咳も出やすくなるので、赤ちゃんが咳をしている場合は、加湿器などを使うのも良いでしょう。湿度は5060%がベスト。

湿らせたタオルや洗濯物を部屋の中で干すのもオススメです。

また、換気をすることも忘れずに。

11回、10分程度を目安に空気の入れ替えをするといいでしょう。

 

もし、これらのポイントに気を付けても症状が改善しなかったり、ぜーぜー、ヒューヒューなどの喘鳴がでてきたり、別のかぜ症状が出ていたりする場合は、診療時間内にかかりつけ医または医療施設を受診しましょう。

 

★今回のポイント★

・赤ちゃんの上半身を起こして背中を叩いて痰を切る

・水分補給は冷たいものを避け、少しずつ与える

・換気をして、室内の湿度は5060%に保つ

・咳以外に、喘鳴・発熱・下痢・嘔吐などの症状があれば医療施設へ

 

 

この記事の監修
日本小児科学会専門医 菊池 透先生

初回公開日:2017年8月2日
最終監修日:2021年5月26日

 

この記事のキュレーター

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